生まれたばかりの赤ちゃんの頃は何も臭いがしなかったのに、大きくなるとなんだかお口が臭う…そんなお悩みを持って来院されるお母さまが近年増えてきました。
子ども同士、接近して遊ぶことの多いために、お互いの臭いに敏感であり、子どもたちは経験のない臭いを「くさい」と表現したりします。「くさい」という表現はやはり子ども心が傷つきます。
小児期の口臭は、今後の人生を大きく左右することもあります。
口臭のタイプは大きく5つに分けられ、それぞれ原因により対応が変わります。
1.歯磨きを行わない
寝る前にしっかり歯磨きを行わないと、睡眠中は唾液の分泌が低下しますので、お口の中の細菌が増殖し、食べかすを餌にさらに増えます。
2.口腔内の乾燥
口腔内が乾燥してくると、扁桃の免疫機能を低下させ、バクテリアが舌苔や扁桃腺内の膿栓内で増殖を起こします。そして、バクテリアが産生する揮発性硫黄化物が口臭を起こします。
また、小児期にアデノイド増殖やアレルギー性鼻炎に伴う鼻閉が起こると、口呼吸が習慣化し、口腔内乾燥が引き起こされます。
歯磨きを行わないことによる口臭はお子さまやご家族の方協力で改善されます。毎日の歯磨きを習慣化し、かかりつけ歯科医での歯磨き指導、チェックも受けると良いと思います。
次回は3〜6歳頃の口臭と思春期の口臭についてお話しします。
越川 はるか 【歯科衛生士】
記事テーマ
お口の中が健康になると、体も健康になり、自然と笑顔が増えてきます。お子さんの歯を守れるのは、お母さん、お父さん、周りの保護者の方が重要です。楽しい毎日を過ごすために、皆さんのお口の健康管理のアドバイスをお伝えします。