今お使いの歯ブラシ、どうやって選びましたか?
毎日使う歯ブラシですが、お口の中に合わせて選択されていますか?
まだ歯の生えていない赤ちゃん〜2歳頃までは、歯ブラシ自体に使用年齢の目安が記載されているので選びやすかったと思います。しかし、年齢があがるにつれ、歯ブラシに記載される使用年齢の幅は広がり、歯ブラシの種類も多くなるので、購入時に迷われる方も多いかと思います。
歯ブラシの形により、汚れを簡単に落としやすい・磨きやすい場所というものがあります。そして、年齢によっても適切な歯ブラシの形というものがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
将来の歯磨きの準備として、マッサージをするようにお口の中を優しく指で撫でてあげてください。お子さまの機嫌が良いとき、保護者の方に余裕のある時に行うと、親子のスキンシップの時間として楽しく行うことができます。
この時期は、まだ口の中を触られることに慣れていないので、徐々に慣らしてあげてください。
小児本人磨きの歯ブラシの形状は、転んでも歯ブラシで喉を突かないように柄に鞘がついているものや、グリップタイプのものがおすすめです。しかし、転んだ際に鞘が外れてしまったり、グリップが手から外れずに手を骨折してしまうことも考えられるので、必ず、保護者の方は歯ブラシを持って立ち歩かないように見守っていてください。
仕上げ磨き用の歯ブラシは、歯ブラシの植毛部分の幅が乳歯1本くらい、毛の硬さは普通のものを選びましょう。
仕上げ磨き用の歯ブラシは、植毛部の後ろの厚さに注目してみてください。厚みがあると、必要以上に頬粘膜を引っ張らなければならず、舌側を磨く時は当てづらいという難点があります。
本人磨きの歯ブラシは、仕上げ磨きのものより少し大きめのものにし、一度で磨ける面積を多くすることで効果的に磨けるようになります。
小さい頃の歯を磨くという衛生習慣は、お子さまのこれからの一生の全身の健康を守り、食事を楽しめる豊かな生活をつくっていく土台となります。
習慣付けはひとりでは決してできません。お母さまやお父さま、周りの保護者の協力があってこそ、お子さまの歯は守られます。
最後に、一点注意があります。それは「歯磨き事故」です。乳幼児が歯ブラシを持ったまま転倒し、お口の中を突き刺してしまう「歯磨き事故」が多発しています。事故の半数は1歳児です。日本小児歯科学会が注意喚起を行い低年齢の子どもの歯磨きは、事故を起こさないように見守ることが言われています。しかし、実際の子育てでは見守っていても事故を防止することは困難なケースもあるため、「座って歯磨き」ができない場合は、無理にひとり磨きはさせず、「立ち歩かない」ということが理解できる2歳半〜3歳頃になってからひとり磨きの練習をさせても歯磨きの習慣付けは遅くはありません。歯磨きをお子さまとのスキンシップの時間としてのんびり行うことも大切です。
参考文献
厚生労働省雇用均等 児童家庭局母子保健課 医政局歯科保健課「健やか親子21」
越川 はるか 【歯科衛生士】
記事テーマ
お口の中が健康になると、体も健康になり、自然と笑顔が増えてきます。お子さんの歯を守れるのは、お母さん、お父さん、周りの保護者の方が重要です。楽しい毎日を過ごすために、皆さんのお口の健康管理のアドバイスをお伝えします。