CMでも耳にするキシリトール。実際どんな効果があるかご存知でしょうか。
キシリトールの効果を簡単に言うと、虫歯の原因となる「悪玉ミュータンス菌」を「善玉ミュータンス菌」に置き換え、虫歯になりにくいお口の環境を作り上げることが可能となります。
キシリトールは、糖アルコールの一種で、むし歯の原因菌が存在しても歯を溶かす酸が作られず、さらにその菌が増えるのを阻止すると言われています。そのため、むし歯になりにくいとされています。むし歯菌はキシリトールを取り込んでもエネルギーにすることができないため、次第にむし歯菌の数は減少していきます。妊娠中にキシリトールガムを摂取した方が赤ちゃんのむし歯菌の感染率が低下したとする報告もあります。
キシリトールは白樺や樫の木などの原料から作られる天然の甘味料です。糖アルコールと呼ばれる炭水化物の一種で、砂糖と同じくらいの甘さがありますが、カロリーは砂糖より少し少なめです。(キシリトールのカロリー2.8kcal/g)
キシリトールには以下の効果があります.
現在、歯磨き粉、ガム、チョコレートなどの中に含まれて売られています。しかし、キシリトール100%でなく、砂糖を含めた他の甘味料が含まれている場合がありますので、食品の成分表示を見て選択するようにしましょう。またお子さまの味覚形成の上では、甘党になり、薄味の食品や食べ物のもつ本来の食材の味が分かりづらくなる可能性もありますので、利用に関してはかかりつけの歯科医院にてご相談下さい。また、キシリトールは食べ過ぎると腸内細菌のバランスをくずし、下痢をしやすくなるので十分注意してください。
そしてたとえキシリトールのようにむし歯にならない甘味料を用いた食品でも、テレビを見ながらなどとだらだら食べるのはよくない間食になります。
ミュータンス菌は、生まれたての赤ちゃんのお口の中には存在しません。母親や周囲の大人が口移しや、同じスプーンを使用した際などに、唾液を通じて感染し、そのまま棲みついてしまうものなのです。特に母親のミュータンス菌の数が多いと子どものミュータンス菌の数も多く、むし歯になるリスクが2倍以上高いというデータもあり、子どものむし歯を減らすためには、まず母親を含めた周りの大人たちが自分のミュータンス菌を減らす努力を行うことが非常に重要といえます。
越川 はるか 【歯科衛生士】
記事テーマ
お口の中が健康になると、体も健康になり、自然と笑顔が増えてきます。お子さんの歯を守れるのは、お母さん、お父さん、周りの保護者の方が重要です。楽しい毎日を過ごすために、皆さんのお口の健康管理のアドバイスをお伝えします。