これまで、赤ちゃんの眠りのリズムの作り方に向き合ってきましたが、今回はママのみなさんが気になる「授乳編」です。
赤ちゃんの眠りのリズムと切っても切れない関係にあるのが、赤ちゃんの「おっぱい問題」ではないでしょうか。特に夜間、赤ちゃんの夜泣きのたびに授乳をすれば、ママも眠れなくて困る場面も増えてきます。
赤ちゃんの夜泣きは必ずしもおっぱいが欲しいからではなく、眠りが浅くてぐずり泣きをしている、というのはお伝えしてきた通りです。
赤ちゃんの眠りを授乳で分断してその都度目覚めさせてしまうと、夜の眠りの習慣が身につきにくくなってしまいます。
そこで今回は、赤ちゃんの授乳回数を具体的に見直すことから、睡眠を整える方法についてお話ししてみたいと思います。
実際に開催している「ママのための睡眠講座」でよくママたちから聞かれるのが、いつまで経っても夜の授乳習慣が抜けずに何度も起きているという事実。
ママ自身、眠れないことがとても辛そうでした。顔色が悪かったり、日中の体調が良くない様子が見ていてもよくわかり心配でした。そこで、今直面している睡眠のお悩みに必要なアドバイスをすることになります。
授乳はある月齢までいったら、夜の回数は減らしていき、徐々になくしていくのが正解です。
なぜなら、赤ちゃんは眠っている間に体を成長させて、脳を作っていきます。
授乳だけが赤ちゃんの成長に大事なわけではなく、眠りも赤ちゃんの成長には不可欠なのです。授乳は日中にしっかり回数が確保されて、栄養状態が良ければ夜の回数を減らしていっても問題ありません。
つい忘れがちになってしまいますが、夜は眠るという習慣を作ってあげることも、成長になくてはならないのです。夜にしっかり眠れない赤ちゃんは、日中に夜の不足分を昼寝で補おうとします。また、日中の眠気がひどい場合は、ぐずりや不機嫌など気分にも現れてきます。
そんなサインがあったときは、夜の睡眠を改善するチャンスでもあります!
生後1ヵ月までの間は、眠ったり起きたりを繰り返していきますが、徐々に大人のような夜中心の眠りに近づけるリズムを作るには「計画授乳」のポイントをおさえることが重要です。
ママにする具体的なアドバイスとしては、日中の過ごし方を昼寝を含めて見直すことや、夜はお部屋をリラックスできる暗さに保つこと、赤ちゃんが夜間に起きてしまったときの具体的な対応方法についてです。
第5回目と第6回目の赤ちゃんの眠りのリズムの作り方でご紹介した内容をもう一度参考にしてみてください。手軽に取り入れて、改善できることが多いと思います。
赤ちゃんの成長に伴い夜の授乳の回数も徐々に見直して減らしていかなければいけない時期に、新生児のようなタイミングの授乳を繰り返せば、眠りが安定しないことはもちろん、ママの子育てもいつまで経ってもラクになることはありません。
「ママのための睡眠講座」の中で、ママたちが私のアドバイス通りに赤ちゃんの夜の「計画授乳」に基づき睡眠中心に改善すると、眠りが夜中心にまとまるので、日中の赤ちゃんの気持ちも安定することがわかりました。
ママ自身も夜ぐっすり眠れるようになることで体調面での改善がみられるようになり、育児に対しての気持ちにも余裕が生まれるようになります。
私もこれまで実際に、多くのママの顔色が良くなり笑顔が増えていくのを見守ってきました。赤ちゃんの夜の眠りを整えるだけで、とても幸せそうな親子関係が築けるようになることに喜びを感じています。
睡眠をたっぷりとることは、赤ちゃんやママの毎日をHappyにしてくれます。
月齢ごとに、夜間の授乳ではどれぐらいの頻度が必要なのか、お話ししたいと思います。
●起床と就寝時間はそろえる
起床時間:7時
就寝時間:19時
●「計画授乳」の方法
<生後0~1ヵ月>
睡眠と覚醒を繰り返す時期。
基本的には授乳は欲しがるままに与える。
・日中の授乳のタイミングは5回位。
目覚めて欲しがったらあげてOK。
・夜の授乳は3回ほどで、薄暗い部屋であげる。
22時頃、1時頃、4時頃。(目安)
<生後2~4ヵ月>
・日中の授乳のタイミングは5回。
起床後、朝寝後~お昼前、昼寝後、夕寝後~お風呂、お風呂後~就寝前
・夜の授乳のタイミングは2回。薄暗い部屋であげる。必要以上に増えないように気をつける。
22時頃と、3時頃。(目安)
<生後5~6ヵ月>
離乳食が始まる時期だが、栄養は授乳が中心。
・日中の授乳のタイミングは5回。
起床後(授乳)、朝寝後~お昼前(離乳食+授乳)、昼寝後(授乳)、お風呂前(授乳)、お風呂後~就寝前(授乳)
・夜の授乳のタイミングは1回。薄暗い部屋であげる。必要以上に増えないように気をつける。夜泣きが増えるが必ずしもおっぱいを欲しがっているのではない。
1時頃。(目安)
<生後7~8ヵ月>
離乳食も摂るが、栄養は授乳が中心。
・日中の授乳と離乳食のタイミングは5回。
起床後(授乳)、昼(離乳食+授乳)、昼寝後(授乳)、夕方(離乳食+授乳)、お風呂後~就寝前(授乳)
・夜の授乳のタイミングは1回。
3時頃。(目安)
<生後9~11ヵ月>
離乳食で栄養を摂ることが徐々にできるようになってくる。コップやマグの練習も。
・日中の授乳と離乳食のタイミングは5回。
起床後(離乳食+授乳)、昼(離乳食+授乳)、昼寝後(授乳)、夕方(離乳食)、お風呂後(授乳)
・夜の授乳はほぼなくす。
いかがでしたか?
「計画授乳」については、少しずつできるところから取り入れてみてくださいね。
●参考文献
清水悦子(2011)『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』かんき出版
●「シニアのための快眠セルフケア講座」連続睡眠講座(全3回)
第1回 4月13日(水)自分でできる快眠方法と睡眠の基礎知識
第2回 4月27日(水)「睡眠日誌」で自分の「ねむリズム」を知ろう!
第3回 5月11日(水)「睡眠日誌」でスリープレッスンQ&Aと参加者交流
睡眠相談やリラックスタイムに気軽にできる安眠体操もあります!
時間:10:00~12:00
会場:相模原市立大野北公民館(JR横浜線淵野辺駅から徒歩2分)3階 中会議室
住所:神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-10-20
URL:http://www.sagamihara-kng.ed.jp/kouminkan/onokita-k/annai.htm
対象:シニア、ご家族、支援者、睡眠改善に興味のある方
参加費:1,200円(教材費)
お申込み・お問い合わせ:大野北公民館窓口(電話:042-755-6601)
*受付開始は3/8~となります。
ブログ: 「 +Sleep(プラススリープ)~ねむりをプラス、輝くあした~ 」
今後の睡眠講座の開催予定や、快眠の方法など随時、更新しています。
講演や講師依頼: foryoursleep あっとまーく yahoo.co.jp
(あっとまーくは@に変換してください。)
担当:鶴田(本人)
実際に「ママのための睡眠講座」や大人向け、子ども向けの睡眠講座を開催して欲しい!という方がいらっしゃれば、ご連絡ください。
年齢に応じた快眠方法をお伝えします。
企業、行政、団体、病院、教育機関(学校・保育園・幼稚園等)、育児サークル、PTA様、歓迎です。
鶴田 名緒子 【睡眠健康指導士・睡眠改善インストラクター】
記事テーマ
ママが睡眠の知識を深め、家族の健康を睡眠からサポートできるように暮らしに役立つ情報をわかりやすく発信します。赤ちゃんの眠り、保育園児と幼稚園児の生活と睡眠、小学校就学に向けての「子ども生活リズム」の整え方など。「眠育(睡眠の育児&教育)」からママやお子さまに寄り添ってきた指導経験を生かし、心も体もHappyになる毎日の育児を応援します!