まず、下の写真をご覧ください
左が正しい姿勢。右側は>猫背もしくは円背と言われる、骨盤が下がった悪い姿勢です。なぜこのような姿勢になるのか。今回は筋肉という視点からお話をしていこうと思います。
姿勢を維持するのに大切な筋肉。それは腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)です。
※プロメテウス解剖学アトラス参照
写真左側の、背骨から斜めに走っている筋肉を大腰筋と言います
そしてそのすぐ左側にあり骨盤(腸骨)についてきているのが腸骨筋です。この2つの筋肉を合わせ腸腰筋といいます。
腸腰筋は股関節を屈曲させ、骨盤を前傾させる働きがあります。腸腰筋の働きが悪くなると、骨盤は前傾を失い下がってきます。(先ほどの右側の写真の様な状態になります)
脊椎には、頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨があります。それぞれ重心軸に対し、頚椎は前彎、胸椎は後彎、腰椎は前彎、仙骨は前彎、尾骨には後彎していて、このS字状のカーブが体のバランスを保つ重要な役割をします。
骨盤が下がると、大腰筋はうまく働かず、腰椎の前彎が消え、胸椎は更に後彎します。悪い姿勢になっている時は腸腰筋が上手く働かなくなっています!
では、子どもの姿勢の悪さは何が原因なのでしょうか。
①筋力の低下
姿勢を保つには、重心軸を保つ筋力が無くてはなりません。そして、それを支える下半身の筋力も大切です
②足の指の力が弱い
足の指をグー、チョキ、パー出来ますか? 足の指で鉛筆を挟めますか? これが出来ないお子様が増えています。足の指の弱さは、浮足の原因にもなりかねません。一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
③関節の柔軟性の問題
本来子どもの体は【柔軟性に富んでいて歪みが少ない】と言われています。しかし近年、関節が硬い子どもが増えてきています。ひとつ前のコラムで紹介をしましたが、関節の柔軟性はとても大切です。皆様のお子様の関節に、動きが悪くなっている方向はありませんか?
詳しくはこちらもご覧ください→http://www.happy-note.com/shine/272/post_7.html
④体の歪み
これに関しては、少し前のコラムで紹介させて頂きました。コラムはコチラ⇒http://www.happy-note.com/shine/272/post_3.html
⑤先天性股関節脱臼や側弯症など、疾患が起因で起こるもの
この場合は早めに専門医に相談ください。
子どもの姿勢が悪くなる原因は大人とあまり変わりません。
近年は外で遊ぶ時間の減少や移動手段の近代化など、様々な要因で筋力低下が問題視されています。そして関節の可動域の減少も低年齢化しております。
体のトラブルには原因がある事が多いです。皆様も日々のケアの1つとして、歪みのチェックや関節の可動域やチェックを行ってみてはいかがでしょうか。
次回は重心と頭の位置の関係について紹介させて頂きたいと思います。
光永 雅代 【柔道整復師】
記事テーマ
子どもがケガをしてしまった。もしくはケガもしていないのに痛みを訴えたら、ドキっとしますよね。そんな時の対処法やケア方法を、プロの視点から、そして2児のママの目線でお伝えしていきます。