皆さんの平熱はどのくらいでしょうか? 子どもたちの体温は37℃前後ですが、数年前まで子どもだから高いんだと私は思っていました。その頃の私の平熱は35.5℃前後。大人だから平熱は低いし37℃近くなると微熱だっといって頭痛いなと言っていました。そんな今は実は36.8℃前後。昔の私からすると、考えられない体温です。そう、私は35℃台の平熱が普通だと思っていたのですが実はその知識は間違っており、平熱とは36℃~37℃の範囲と言われています。そして高熱のほうが命に関わるイメージが強くありませんか? 体温が1℃下がることで免疫力が約30%下がると言われており、高熱よりも体温が低いほうが危険な状態です。そして体温が36.5℃が最も免疫機能が活性化すると言われています。
「低体温」という言葉をよく耳にしますが、低体温とは36℃以下のことを言います。低体温を起こしやすい要因としては、シャワーだけの簡単な入浴・過度のストレス・運動不足・血行不良・締め付けすぎな下着・冷房で冷やしすぎなどがあります。低体温傾向の人は、免疫力が低下・体内酵素の働きが低下・血行不良・消化器系のぜんどう運動が鈍くなるなどの症状があり、太りやすく疲れやすい・肌荒れなど様々な不調を引き起こします。もし、スポーツをしている子どもたちが低体温傾向にあるとどうでしょうか? スポーツをすることで、していない子と比べればカラダへの負担は大きくなります。それにも関わらず、様々な不調が起こっているとさらに悪化させてしまいかねません。そうすると、試合や練習で集中力を欠いたり、力を発揮できず、ケガをしてしまう可能性も考えられます。たかだか体温ですが、私たちの「健康」を左右しているものです。体温が低い傾向にある子どもたちは、食事や生活習慣を見直し体温アップを目指しましょう。
体温低下は免疫力低下させます。風邪を予防するために、体温をアップさせを免疫力を高めることが大切です。体温を高めるひとつの方法として「食事」があります。体温アップ=身体をあたためる食事、そして、胃腸をしっかり動かす食事を意識していきましょう。身体をあたためる食事とは、温かい食べ物・塩味や渋み、苦みがあるもの・寒冷地方でとれる食べ物・刺激のある食べ物などです。できたての温かい食事、スープや味噌汁、玉ねぎやしょうが、ネギを使った食べ物は身体をあたためてくれます。また胃腸をしっかり動かす食事とは、しっかり噛むことができる食べ物です。ヨーグルトやスムージー、ゼリーなどはほとんど噛まずに食べることができるので胃腸が動いてくれません。パンや麺とお米を比べると、お米のほうが噛む回数は多くなります。お米は粒食ですので、粉食よりも咀嚼を促します(噛む回数が増えます)。 特に朝食では、寝ている間にさがっている体温をあげる役割があります。あたたかいもの、しっかり噛めるものを朝食では食べたいですね。一番簡単な献立が「ごはんと味噌汁」です。味噌汁にお肉やお魚、卵、豆腐などのタンパク源をいれ、野菜やきのこ、海藻類と具だくさんにすることでビタミンやミネラルもしっかり摂ることができます。簡単だけど、体温をあげてくれ、栄養もしっかり摂れるので朝が辛くなるこの季節にとってもおススメです。ぜひ取り入れて普段との体温の違いを体感してみてください。
馬明 真梨子 【子どものスポーツ栄養専門家】
記事テーマ
ここ数年、スポーツを頑張る子ども達の「食」への関心は高まっています。「食」は毎日のことで、家庭とのつながりが大きいものです。小さい頃から「食」とどう関わっているかが本格的にスポーツを頑張るようになった時に力を発揮してくれます。子ども達の元氣な成長とスポーツでの活躍を家庭だからこそできる「スポーツ食育」で支えるノウハウをお伝えします。