では、サプリメントを摂れば強くなれるか?というと決してそうではありません。栄養素を補うものであるので、基本の食事で足りていなければサプリメントを摂って身体の調子がいいなと感じることはあります。しかし、たくさん摂ったからといって競技力が向上するものでもありません。プロテインの過剰摂取は内臓に負担をかけてしまうこともあります。また製造場所や原材料などが不明な怪しいサプリメントも出回っています。ドーピング禁止薬物が含まれていることもあるので、「○○に良いから」という安易な衝動で摂らないようにしましょう。あくまでも基本となるのは毎日の食事、そして補食です。食環境や体調によってはサプリメントが必要な場合もありますが、本当に必要かどうかまずは考えてみてください。スポーツ選手として口にする食べ物には責任をもつようにしましょう。また指導者や保護者の皆さんも、安易に子どもたちに勧めたりせず一緒に考えていくようにしてください。
「食育」という観点からもジュニア期の食事は、この先一生の食習慣を身につけるといっても過言ではありません。成長期であり、スポーツ活動をしているとなると、食事量だけでなく様々な栄養素が必要になってきますが、この時期にサプリメントで安易に栄養素を補っているとサプリメントに頼りがちで「食」を大切にできない選手になってしまいます。そういった意味からもジュニア時期にはサプリメントはおススメできません。ですが、毎食栄養満点の食事を作ることも、働くママが多い中難しいことです。そこでおススメなのが「雑穀」です。雑穀は穀類で、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な食べ物で、白米と一緒に炊くだけで簡単に日々の食事に取り入れることができるのでおススメしています。いわば「雑穀」は食べる天然のサプリです。雑穀の種類によって、豊富な栄養素が異なりますのでチェックしてみてください。たんぱく質UPに大豆が入った雑穀もありますし、乾燥大豆を一緒に炊いてもよいですね。副菜や主菜、汁物などどんな料理にでも使える雑穀です。食感も味も楽しめます。サプリメントを使用する前にまず天然のサプリ「雑穀」を食事に取り入れていきましょう。
参考図書:小・中学生のスポーツ栄養ガイド (女子栄養大学出版部)
◎11/28(土) 秋の味覚を探しに出かけよう@生田緑地
http://www.ikutaryokuti.jp/hp/event.php?evkd=201511&ev1d=20151128#info
◎募集中の講座やメニュー
馬明 真梨子 【子どものスポーツ栄養専門家】
記事テーマ
ここ数年、スポーツを頑張る子ども達の「食」への関心は高まっています。「食」は毎日のことで、家庭とのつながりが大きいものです。小さい頃から「食」とどう関わっているかが本格的にスポーツを頑張るようになった時に力を発揮してくれます。子ども達の元氣な成長とスポーツでの活躍を家庭だからこそできる「スポーツ食育」で支えるノウハウをお伝えします。