食べ物を口に入れると消化吸収が行われ、各栄養素が身体の中へ取り込まれます。消化吸収力は個人個人で異なり、同じ食べ物を食べたとしても身体の中に取り込まれていく栄養素は変わってくるのです。この消化吸収力は「胃腸の力」が関係しています。胃腸は消化吸収の消化器官です。そして消化器官の機能低下は消化不良や栄養素の取り込みがうまくいかないなどの影響が出てきます。このように「胃腸の力」(食べ物を受け止める力)次第で同じものを食べていても、身体や心の変化は変わってしまうものなのです。
「消化」をしっかり行うためには、「噛む」ことを意識することが重要です。よく噛んでと子どもたちが小さい頃は声をかけていたかと思います。噛むことが大切だよと伝えるだけでなく、「しっかり噛むほうがお腹がうれしくなるよ」「噛まずに食べるとお腹が痛くなるよ」「噛んで食べるほうが胃腸君が元氣になるよ」というように、噛むことにどのような嬉しい効果があるのかを子どもたちがわかりやすいように噛み砕いて伝えることもポイントです。また、食材をしっかり噛めるように大きめにカットする、やわらかく煮過ぎない、主食を粒食で噛むことを促す「お米」にするといった調理面でも工夫をすることができます。噛む意識を親子で育み、食べ物が身体と心の成長により活きるように食べ方に意識を向けていきましょう。
馬明 真梨子 【子どものスポーツ栄養専門家】
記事テーマ
ここ数年、スポーツを頑張る子ども達の「食」への関心は高まっています。「食」は毎日のことで、家庭とのつながりが大きいものです。小さい頃から「食」とどう関わっているかが本格的にスポーツを頑張るようになった時に力を発揮してくれます。子ども達の元氣な成長とスポーツでの活躍を家庭だからこそできる「スポーツ食育」で支えるノウハウをお伝えします。