暑い夏、ここ数年過ごしにくくなってきていますが皆さんの体調はいかがですか。「夏バテ」という言葉は特に症状など定義があるわけではなく、「暑さによって生じる体調不良」の時に「夏バテ」という言葉を使う方が多いようです。そんな夏バテですが、どういったことが原因で起きてしまうのか下の図にまとめました。
夏バテには「胃腸力」低下が関係しています。暑さや冷たいものを飲んだり食べたりすることが多いことで、「胃腸力」の低下を引き起こします。そして、食事量が低下したり、あっさりしたものを食べることが多くなることで、ビタミンB群が不足します。ビタミンB群が不足すると、エネルギーを上手に作れない状態となり、カラダのだるさや無気力状態につながっているのです。土用の丑の日に食べる「うなぎ」はビタミンB群の豊富な食べ物であり、夏バテ予防や暑気払いの意味も込めて食べられています。暑い夏、「胃腸力」を維持していくことが元氣に過ごすためのヒケツといっても過言ではありません。皆さんの胃腸は元氣ですか?
「胃腸力」を鍛えてくれる食べ物に「お米」があります。お米は悪者にされがちですが、私たちの身体の内も外も元氣にしてくれる軸となる食べ物です。パンとお米を比較して、「お米の良いところ」を下の図にまとめました。
パンは「粉食」ですが、お米は「粒食」であることから咀嚼を促す食べ物であるといえます。咀嚼がしっかりしていると、唾液がたくさん出てきます。唾液が出ることで胃腸が活発に動くようになるのです。胃腸が元氣に動いていると消化吸収力もあがり、エネルギー代謝向上や便秘改善、メンタルの安定、免疫力の向上などが期待できます。また、お米は例えば雑穀などと一緒に炊くことで量は変えずに「質」もあげることができます。どんな料理にもあい、たんぱく質も含んでおり、温かい味噌汁と組み合わせることでごはんと味噌汁の「アミノ酸価(たんぱく質の栄養価)」を上げてくれるため、毎日の食事の軸となる主食として、私たち日本人の体質に合った食べ物なのです。
お米は「胃腸」を元氣にしてくれる食べ物です。胃腸力が低下する暑い夏にこそ、しっかりお米を食べて「胃腸力」を鍛えていきたいものです。しっかり胃腸を動かしてくれるためには量も大切です。では、どのくらいのお米を毎日食べると胃腸を鍛えることができるのでしょうか。
この図はPFC比といって厚生労働省が出している日本人の食事摂取基準に記載されている1日の食事の理想的なカロリーバランスを示していますこのカロリーバランスで食事をとるとカロリーをしっかり燃やし、しっかり消費することができます。1日2000kcal消費する女性は、1日2合食べると全体の6割のバランスとなります。もちろんお菓子や清涼飲料水など糖質が入ったものを多飲多食していない場合。お米をしっかり食べれば、間食類や甘いものを欲することも減りますのでカロリーバランスやカロリーの燃焼や消費効率もアップします。悪者にされがちなお米ですがカロリーバランスを整え、胃腸を鍛えてくれる軸となる食べ物です。食欲が低下しやすい夏ですが、胃腸力を高め元氣に毎日過ごすことができるようしっかり「お米」を食べていきましょう!
参考文献:小中学生のためのスポーツ栄養ガイド(女子栄養大学出版部)
一般社団法人 日本健康食育協会 健康・食育マスター講座テキスト
馬明 真梨子 【子どものスポーツ栄養専門家】
記事テーマ
ここ数年、スポーツを頑張る子ども達の「食」への関心は高まっています。「食」は毎日のことで、家庭とのつながりが大きいものです。小さい頃から「食」とどう関わっているかが本格的にスポーツを頑張るようになった時に力を発揮してくれます。子ども達の元氣な成長とスポーツでの活躍を家庭だからこそできる「スポーツ食育」で支えるノウハウをお伝えします。