子どもの食でお母さんが苦労するのは「好き嫌い」という方は多いですよね。離乳食期や幼児期には好き嫌いする子が多く、どうやって食べさせるか苦労しているお母さんによく出会います。もちろんわが子達たちも好き嫌いする時期がありました。幼児に好き嫌いが起きる原因として「発達発育」ということがあります。食べ物の区別ができるようになった、自分の意思を言えるようになったという成長です。そして、食べ物の固さや形状によって、噛み切りにくく食べにくいものも離乳食が終わった後もまだまだあります。意思を言えるようになり、かつ食べにくい食べ物に対して子どもたちは「嫌がる」ようになるのです。その他には、食べているときにあまり良い思い出がない、例えばトマトを食べているときにすごく怒られたなど、楽しい思い出よりも嫌な思い出がある食べ物に対しても子どもたちは「嫌い」ということもあります。
好き嫌いは「成長の証」です。嫌いなものを出さないのではなく、どうすれば楽しく食べてくれるかなという視点を持って子どもたちと私たち母親は接することが大事だと思います。子どもたちにとって、楽しい=美味しいです。嫌だいやだと思って食べる食べ物はいくら味が美味しくたってその子にとっては美味しさが激減します。嫌いな食べ物もぜひ食べることができるようにお母さん方には子どもたちのサポートをしてもらいたいです。
食べ物はそれぞれ持っているパワー(栄養素)が異なります。どの栄養素が良いというわけではなく、どれも必要です。栄養素はチームのようにそれぞれの働きがあって、欠けてしまうとチームのパワーも半減します。特にスポーツをする子どもたちはスポーツ活動に必要な栄養と成長に必要な栄養を毎日の食事からとる必要があります。そのためにも、好き嫌いをなくすことは大事です。スポーツするから、好き嫌いをなくそうではなく、小さいころから楽しく美味しい食を意識してほしいと思います。
私のコラムではよく「胃腸」が大事だよと書いています。栄養満点のフルコース料理を頑張って作っても、栄養素の消化吸収ができないと力にはなりません。そのためにも食べ物(栄養素)を受け止める胃腸を鍛えることが大切です。胃腸を動かす、「お米」。お米のパワーを補い、胃腸を温める「味噌汁」を軸にした食事(和食)を毎日の食事の軸にすることがポイントです。朝食をスープやパン食、シリアルにするより、和食にするほうが胃腸をしっかり動かし、体温も上がります。朝食でしっかり胃腸を動かすことで1日のカラダのリズム(ホルモン分泌など)が整います。シンプルで簡単にできる和食こそ、胃腸を鍛え、スポーツを頑張る(頑張りたい)子どもたちの食べる力を育みます。小さい頃からの継続が将来のアスリートを育てる土台になります。そのサポートをできるのは、お母さんの特権ですね。ぜひ今日からあなたも「ごはん」と「味噌汁」のシンプル和食を軸に、子どもたちの成長をサポートしましょう。
馬明 真梨子 【子どものスポーツ栄養専門家】
記事テーマ
ここ数年、スポーツを頑張る子ども達の「食」への関心は高まっています。「食」は毎日のことで、家庭とのつながりが大きいものです。小さい頃から「食」とどう関わっているかが本格的にスポーツを頑張るようになった時に力を発揮してくれます。子ども達の元氣な成長とスポーツでの活躍を家庭だからこそできる「スポーツ食育」で支えるノウハウをお伝えします。