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【親子で生け花】シリーズで過去にいくつか生け花についてご紹介しましたが、すべて剣山を使う生け花でした。今回は、剣山を使わない「投げ入れ」という手法をご紹介します。

生け花には主に水盤（平らな花器）と剣山を使った「盛り花」と筒状の花器を使った「投げ入れ」という２つの手法があります。投げ入れは、剣山を使わないで枝や花の足を組んだりしてとめるので、熟練者でもなかなか思うようにできない手法ですが、これが出来るようになると、いただいた花束を花瓶に生けるというような時にとても役立ちます。

息をのむ程の集中力を要しますが、子育てで忙しい日々の中で、ひととき集中して花と向き合う時間はとてもリフレッシュになりますので、是非挑戦してみてください。

それでは、どうやって枝や花を剣山を使わずに思ったところで留めるのか。流派によって色々方法はあると思いますが、SFC生け花では「十文字留め」と「木組み留め」の2種類があります。

①木組み留め

まず、花器の口の幅に合わせて切った枝で花器の口を一文字に割ります。

次に、花器の高さより２ｃｍほど短い長さで枝の足元を切り、中木を作ります。

この中木と一番長くしたい枝の先をそれぞれ５～６ｃｍ切り裂き、この2本を組んで角度を決めて留めます。

足元をすっきりとまとめるため、一文字のどちらか片方だけに入れていきます。

②十文字留め

花器の口の幅に合わせて切った枝で花器の口を十文字に割り、４つのうち２～３マスを使って生けます。枝が細くて木組み留めが出来ない場合に使います。

その他、針金を入れたり、金網を入れたりして留める方法もありますが、この基本の２つが出来ると生け花は一気に上達します。

＜用意する花材＞

キイチゴなどの枝　長短1本ずつ

菜の花　２～３本

※それぞれ花器の中に入る分の長さを考えて、その分を長めに切りましょう。

※足元は花器から１０ｃｍくらいは葉がないように葉を落としましょう。花器に葉が当たってしまうのは美しくありません。

①キイチゴは比較的太いと思いますので、木組み留めが可能です。長い方の枝を中木と組んで、花器の口を一文字に割った部分で支えてもらうようにします。自分の思った方向になかなかとまらないとは思いますが、無理に「こういう風に」と固執するのではなく、花の向きたい方向でかつ美しく見える角度を探り出しましょう。最初はなかなか上手くいかずイライラしてしまうこともあると思いますが、花との対話を続けていくうちに、なんとなく感覚がつかめてきます。

②長い枝が決まったら、短い枝をもう１本入れてみましょう。一文字に割った口の片側は何も挿してはいけないので、①で枝を入れた方に入れましょう。最初に入れた枝にからませるようにして留めます。また、花器の内壁に枝先がぴったりとつくような角度に枝の先端を切ると留まりやすいです。最初に入れた枝がずれてしまうこともありますが、根気よく2本がちょうどよく留まるところを探していきます。

③菜の花を3本②と同じ要領で入れていきます。

④足元の一文字に割った枝が見える場合は、菜の花の葉の部分を短くして入れてみましょう。足元を隠すためや全体の雰囲気を引き締めるために足元に短めに入れるものを「根締め（ねじめ）」と呼びます。

⑤完成！

子どももコップなどの小さい筒状の入れ物を用意して、生けさせてあげましょう。口の細いタイプの方が留まりやすいと思います。木組み留めや十文字留めは必要ありませんので、自由に生けさせてあげましょう。ポイントは、コップの中に入る分の長さをよく考えて素材を切ることです。

ママの作品と一緒に飾っても可愛いですし、2か所にそれぞれ飾ってもよいと思います。是非春のお花を楽しんでみてくださいね。