皆様、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
年初め、執筆も7回目を迎えることができました。そして皆様は、年末年始をいかがお過ごしでしたでしょうか。当道場に限らず空手の道場では、毎年の年末年始には必ず行われている行事があります。
「稽古納め」と「稽古始め」です。
その年、自分自身を振り返る意味を込めた一年間の締めくくりの稽古です。大人も子どもも共に汗を流します。そして稽古納めには欠かせない
『千本突き』
その名の通り、拳を握り「正拳中段突き」を千本突くこの稽古は、大人のみならず子どもたちにとっても、過酷な稽古であります。ただ数をこなすことだけにとらわれてしまい、力を抜いた突きではこの稽古の意味はありません。己の限界に挑戦する心構えで千本突くことが求められます。
いつ倒れてもよいという思いで一本一本の突きを全力で突き続けることで雑念を払い、一本の突きに集中するようになります。人は一つの物事に我を忘れる程、集中できた時、自分の持っている力以上の能力を発揮させることができると言われています。子どもたちには少し難しいことかもしれませんが、それは「忘我の境地」に達するということなのであります。
【桑島道場(高松本部道場)】
人間が一つの物事に時間を忘れてしまう程、集中している時こそ脳はリラックスしている状態であり、潜在能力が最も高く引き出されやすい状態である。これは心理学用語で「フロー状態」と呼ばれています。アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイ博士が提唱している概念です。オリンピック選手やトップアスリート達は、このフロー状態を意識的にコントロールすることが可能であると言われています。
千本突きに限らず己の限界に挑戦することは、普段の稽古においても重要視しています。それはすべての子どもたちに潜在能力を引き出せる力が備わっているからに他なりません。そのきっかけの一つとして、空手を通じて子どもたちに経験してもらいたいと思っています。またこの経験は、実生活や社会生活にも大きく役立つことと思っています。
【桑島道場(高松本部道場)】
そして稽古納めが終了すると、自分達が稽古をさせて頂いた道場に一年間の感謝の気持ちを込めて大掃除を行い、新年を迎える準備をします。
新年初めての稽古に、新たな気持ちと目標を持って子どもたちは道場にきます。
「一年の計は元旦にあり」
と言われているように、このような節目を大切にすることはその年一年間を振り返り反省し、改めて自分自身を見つめ直し自分の在り方を問う機会でもあるのです。そのことを踏まえた上で、子どもたちには次なる目標に向かって邁進してほしいと思っております。
【桑島道場(高松本部道場)】
★桑島道場HP→http://www.niji.or.jp/home/kuwajimadojo/
★桑島道場お知らせブログ→http://ameblo.jp/kyokusinkuwajima/
西山 静香 【国際空手道連盟極真会館香川県本部 桑島道場 指導員】
記事テーマ
平成24年度から中学校で武道が必修化されました。日本古来から伝わる武道には、ただ強くなるだけではなく「礼に始まり礼に終わる」という言葉がある様に、武士道精神は子供教育にも通ずるところが数多くあります。4歳~小学6年生の少年部空手指導員をしている現在、必修化された武道が教育とどの様に関わっているのかを知って頂ける機会になればと思っています。