極真空手に恐怖心はつきものです。
「組手稽古」もそうですが特に試合では、初めて出会う相手と拳をぶつけ合ったり、蹴り合ったりするのですからその恐怖は子どもにとっては、とても大きいことと思います。
●相手への恐怖
●ケガへの恐怖
●負けることへの恐怖
また、時として自分より大きな相手や強い相手とも戦わなくてはなりません。子どもたちはたくさんの恐怖と一人で向き合わなければいけないのです。
自分自身の身に危険を感じることから逃れようとすることは、人間の本能でありごく自然な事です。したがって「恐怖心を克服する」ということは容易なことではありません。しかしその恐怖に立ち向かうことで生まれるのが「勇気の心」です。
空手の試合ではこの勇気が試されます。また精神面も大きく左右されます。数々の恐怖との戦いや、自らの精神的な弱さとの戦いに怯むことなく相手の懐に飛び込んでいく勇気です。
これらのことに打ち勝つ経験は、子どもにとっての大きな成長に繋がります。そしてその勇気は更に「自信」を生みだします。しかしその恐怖や自分の精神的な弱さとの戦いに負け、心が折れてしまい悔しさを感じたとしても、「次こそは!」と新たな戦いに挑戦することも、一つの勇気であると思います。その勇気の積み重ねもやがては本人にとっての自信となり、成長へと繋がっていくのではないかと思っています。
空手の稽古や試合などの恐怖心と向き合い、精神面を鍛えるということは、強い相手や困難なことにも立ち向かうことができる「勇気の心」を生み、それは「自信」を生み出し、弱い相手にも手を差しのべてあげることのできる「優しい心」を育むのです。
子どもたちは試合のみならず、空手を通じてたくさんの恐怖と向き合っています。また恐怖の度合いは感じた本人しか分かりません。指導に携わって最初の頃は、子どもたちの感じている恐怖心をどうやって和らげてあげたらいいのか、打ち消してあげたらいいのかと考えていたこともありました。
しかし子どもたちにはこれからの人生を歩んでいくなかで、幾度となく訪れるであろう困難なことにも立ち向かい、挑戦していく心を養って欲しいと思えばこそ
今ではその恐怖心は子どもたちが成長するための「チャンス」であると思っています。
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西山 静香 【国際空手道連盟極真会館香川県本部 桑島道場 指導員】
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平成24年度から中学校で武道が必修化されました。日本古来から伝わる武道には、ただ強くなるだけではなく「礼に始まり礼に終わる」という言葉がある様に、武士道精神は子供教育にも通ずるところが数多くあります。4歳~小学6年生の少年部空手指導員をしている現在、必修化された武道が教育とどの様に関わっているのかを知って頂ける機会になればと思っています。