普段の日常生活において、皆さんは一日に何回挨拶をされていますか?
挨拶は
●時間で使い分ける挨拶
『おはようございます』
『こんにちは』
『こんばんは』
●状況で使い分ける挨拶
『お願いします』
『失礼します』
『ありがとうございます』
など、自分が今置かれている状況や、目の前で起きている状況によって使い分けることができます。上記に挙げた挨拶はほんの一例であり、他にも多くの挨拶が存在します。
挨拶の(挨)には心を開くという意味。(拶)にはその心に近づくという意味があります。挨拶とは自分の心を開くことで、相手の心を開かせ、相手の心に近づくという行為であり、すなわちそれは、相手の存在を認め「私はあなたとコミュニケーションを取りたい」という意思表示を行動として表すものでもあります。
最近は、テレビやテレビゲームのような一方通行のコミュニケーション、情報化社会における携帯メール等の普及により、言葉を発することなく文章のみで挨拶を交わせる時代です。メールでの挨拶はとても手軽で便利かもしれませんが、挨拶は相手が目の前にいてこそ、その意味を成すものではないでしょうか。
子どもと一緒に外へおでかけをして人に会った時、私たちは子どもに
「ほら、きちんと挨拶をしなさい!」
「どうして挨拶ができないの?」
と言った事はありませんか?
先程述べたように、近年の情報化社会による対面でのコミュニケーションの不足や、都市化や核家族化の進行に伴う近隣住民との関係の希薄化、「知らない人に声をかけられても返事をしてはいけない」と教えられて育つ今の子どもたちは、挨拶をする機会も少なくなっています。特に社会人にとっては、挨拶一つでその人となりがわかると言われている程、挨拶は重要なものとなってきます。
ただ「挨拶をしなさい」と言われる子どもたち・・・だからといってすぐに挨拶ができるようになるものでもありません。挨拶は毎日の習慣で身に付くものです。そしてそれは、幼少期からの教えが必要不可欠なのです。ご家庭や学校でも挨拶について子どもたちに教えられていることと思いますが、その機会は多いに越したことはありません。
【桑島道場(西讃本部)丸亀道場】
空手の道場に入門すると『はい』という挨拶はすべて『押忍』で統一します。これには諸説があり一概には言えませんが、元々は『おはようございます』が簡略化され「お」と「す」が残り、そこに『押して忍ぶ』(自我を抑え我慢するの意)から『押忍』となったとも言われています。
極真空手の挨拶『押忍』という言葉には
●尊敬
●感謝
●忍耐
という精神が集約されており、心と身体を鍛えると同時に伝統や礼節を重んじる精神がこの『押忍』に込められているのです。
『押忍。お願いします』
『押忍。失礼します』
『押忍。ありがとうございます』
等、様々な場面で私たちが日常生活で使う挨拶の前に用います。
道場では挨拶は基本であり、とても大切にしています。しかし、ただ挨拶をすればよいというものではありません。相手の目を見て、大きな声で、自分から率先して挨拶をします。その言葉の中には尊敬、感謝、忍耐の気持ちも忘れてはいけません。心のこもった挨拶を心がけます。挨拶をすることが恥ずかしいのではなく、できないことの方が恥ずかしいことだと指導しています。
最初は声も小さく挨拶ができなかった子どもたちが、「押忍!お願いします!」と、大きな声で元気に道場へ稽古に来てくれる姿はとても頼もしく思います。一人でも多くの子どもたちに礼儀正しい挨拶ができる大人に育ってもらいたいと願っております。
【桑島道場(西讃本部)丸亀道場】
★桑島道場HP→http://www.niji.or.jp./home/kuwajimadojo/
★桑島道場お知らせブログ→http://ameblo.jp/kyokusinkuwajima/
西山 静香 【国際空手道連盟極真会館香川県本部 桑島道場 指導員】
記事テーマ
平成24年度から中学校で武道が必修化されました。日本古来から伝わる武道には、ただ強くなるだけではなく「礼に始まり礼に終わる」という言葉がある様に、武士道精神は子供教育にも通ずるところが数多くあります。4歳~小学6年生の少年部空手指導員をしている現在、必修化された武道が教育とどの様に関わっているのかを知って頂ける機会になればと思っています。