赤ちゃんには、味覚がないと思っていませんか?
確かに、赤ちゃんは言葉を話さないので表情で読み取るしかありません。
しかし、赤ちゃんはおなかの中で羊水を通して味覚を形成しているのです。
赤ちゃんはおなかの中にいる時、羊水(おっぱいのようなもの)を飲むこともあります。羊水の味や成分は、母親の食事が大きく影響しています。
赤ちゃんの味覚形成は、お腹の中にいる時からすでに始まっているのです。
味には、「甘味」・「酸味」・「塩味」・「苦味」・「うま味」の5つの味があります。これを五味と言います。
五味の中でも赤ちゃんの好きな味・嫌いな味に分けられます。
☆好きな味・・・甘味・塩味・うま味(母乳やミルクの栄養成分と同じ)
*味の経験がなくても好きな味
☆嫌いな味・・・苦味・酸味(毒・腐敗とみなします)
*味の経験を積んで好きになる
このように赤ちゃんは、好きな味・嫌いな味があります。好きな味(加糖ヨーグルト・赤ちゃん用お菓子など)は、好んで食べてくれます。しかし、好きな味には離乳期に控えたい甘味と塩味が含まれています。
特に離乳期に甘味を覚えてしまうと虫歯の心配もありますが、甘いもので幸せを感じてしまい、甘いものでしかお腹をいっぱいに出来ずご飯を食べなくなってしまいます。離乳食をスムーズに進めるためにも、砂糖などの使用を控え「かぼちゃ」、「さつまいも」、「果物」など食材の甘みを上手に利用しましょう!
食べ物の味を感じる舌にある小さな器官が味蕾(みらい)です。
この器官は、胎児のうちに形成されています。
・妊娠7週頃-味蕾が発達しはじめる。
・妊娠20週頃-舌口腔内の感覚ができ味を感じる。
・妊娠30週頃-甘み・苦味がわかる。
・新生児-酸味がわかる。
・生後3ヵ月頃-味わう機能が整う。
・3歳頃-嗜好の土台ができる。
生まれたての赤ちゃんはすでに敏感な舌をもっているということです。
・甘味-舌の先端で味を感じる
・苦味-舌の奥のほうで味を感じる
・酸味-舌の両側の後ろの方で味を感じる
・塩味-舌の両側の前の方で味を感じる
・うま味-舌全体で味を感じる
生後6ヵ月頃になると「甘い」・「酸っぱい」・「塩辛い」・「苦い」・「うまい」という5つの味覚を感じるようになります。
ちょうど、離乳食が始まる時期に味覚を感じるようになります。味覚を育てるには、最初の離乳食期が1番大切な時期です。
離乳食期から味の濃いものを与えてしまうと、濃い味に慣れてしまい本来の素材の味がわからなくなってしまいます。また、1度濃い味に慣れてしまうと、途中で味の薄いものに変えても食べてくれなくなります。
最初が肝心です。基本は薄味。和風だし(カツオ・昆布)・素材の味を活かした離乳食作りを心がけましょう!
また、この時期に色々な食材の味を経験させることで味覚の幅も広がります。旬の食材を使うなど色々な味を経験できる工夫をし、味覚を鍛えることから始めましょう!
次回は、「離乳食入門編」をご紹介します。お楽しみに!
藤岡 まき子 【フード・起業コーディネーター】
記事テーマ
離乳期・幼児期は「食べる」基礎をつくる大切な時期です。お料理上手でなくてもいいんです!たくさんの食材の味を経験させ「食」の美味しさと楽しさを伝えましょう!食育・離乳食・幼児食・味覚形成・マザーフードなど「楽しく!」をポイントに家庭で実践できる食育をご紹介します。