もうじきハロウィンですね。日本でも近年、よくパーティが開かれるようになりました。様々な仮装をして、「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ♪」と練り歩く子どもたち。可愛らしいです!
さてさて、ハロウィンとは一体どんな日なのでしょう。もともとは、ヨーロッパのケルト族に伝わるお祭りです。11月1日からは、冬の季節。その前の日の10月31日は、おひさまの季節の最後の日。この境になる10月31日の夜は、あの世とこの世の境が弱くなるとか・・・なので、自分たちもお化けになって、身を守ろう!ということなのだそうです。また、実りの多い季節ですので、収穫祭の意味もこめられているのだそうです。
今回は、ハロウィンに読みたい絵本をご紹介します!
ハロウィンドキドキ おばけの日!
ますだゆうこ さく
たちもとみちこ え
2008年
文溪堂
1400円+税
登場する、主人公のレイは、お化けや悪霊が大嫌いな男の子です。
ハロウィンに、お友だちがみんなお化けの格好をするなんて・・・考えただけで気絶しそう・・・
そんなレイは、やさしいお化けをつくろう!と決心します。
ママと一緒に、シーツを使って・・・
出来上がったお化けがとっても可愛かったので、そのままかぶって眠りにつくと・・・
驚くことに、誰かが現れたのです!
レイと、その「誰か」であるシェイクは、友だちになって、あることを画策します。
ハロウィンに欠かせない、ローソク立ての「ジャック・オーランタン」の作り方やその由来、そしてパーティでよく食べられているお料理の作り方など、ハロウィンに関する内容が盛りだくさんです。
また、面白いことに「ハロウィンの迷信とおまじない」や、「恋愛のおまじない」なども盛り込まれています。
レイとシェイクはどうなるのか・・・ハロウィンについて詳しく知ることができるのはもちろん、読み進めるうちに、いつの間にか色々と作りたくなること間違いなし!
まるごとハロウインを楽しめる、とっておきの一冊です☆
ハロウィンのランプ
小林ゆき子 さく・え
2008年
岩崎書店
1300円+税
さあ!今日はハロウィンです。
みんなでランプをつくりましょう。
そう教室で言われたジーナは、カボチャをくり抜いて一生懸命ランプをつくりました。
なにやら、おばけたちはランプの光が怖いらしいのです。
しかし出来上がってみると・・・仲良しのサリーのランプが「いちばんじょうず!いちばん怖そう!」とほめられています。
悔しくて、どうしてももっともっと怖いランプをつくりたくなったジーナは、意地を張ってとうとう一人になってしまいました。
ハロウィンの日は、街中でお祭り騒ぎです。
そんななか、出遅れてしまったジーナはひとりきり・・・
がっかりしていると、そこで思わぬ出会いがありました!
しかも、出会った彼女に誘われて、ジーナはあるハロウィンパーティに出かけることになったのです。
たくさんのおばけに、不思議な遊び。そして見たことのないお菓子まで・・・
ジーナはこの後とんでもないことにまきこまれていきます。
意地を張ってしまったジーナが迷い込んだそのパーティ、いったいどうなってしまうのか!
ハラハラドキドキしながら、ご覧ください☆
かぼちゃスープ
ヘレン・クーパーさく
せなあいこやく
2002年
アスラン書房
1600円+税
<1999年ケイト・グリーナウェイ賞受賞(イギリス)>
☆ハロウィンといえば「かぼちゃ♪」 その香りを存分に楽しめる絵本です☆
表紙から、とっても良い香りのパンプキンスープ。
ねこもあひるもりすも、みんな夢中です。
森の中に、外にかぼちゃがゴロゴロ落ちている、ふしぎな家がありました。
のぞくと、 何やら陽気な動物たちが、ぐつぐつと料理をしています。
この料理は、世界一美味しいかぼちゃのスープ!
ねこやりすやあひるが、ひとりひとりの役割をきちんと守って、自信を持って作っているのです。
スープだけでなく、3人の素敵な演奏も・・・バグパイプにバンジョー。
そして素敵な歌声です。
この3匹、ケンカなんてしたことないんですから!
さてそんなある日のあさ、ぱっちりと目が覚めたあひるは、台所におもむろに向かいました。
そうして、思ったのです。
「今日は、ぼくがスープをかきまぜる!」
え、え、えーーー!!
今までちゃんと順番を守って、ケンカもせずにやってきた3人は、このあひるの一言でぎくしゃくしはじめたのです。
まさかこんなことになるなんて・・・
様々な「気持ち」が交錯するこの絵本は、美しいなめらかな絵はもちろん、動物たちの表情の変化が素晴らしい作品です。
はたして、大切な友だちとは、どうなってしまうのでしょうか。
この季節になると、かならず読みたくなる、美味しくて、可愛らしい絵本です☆
☆今月のお知らせ☆ *前号10月1日号と同じです!
学研の幼児教室・ほっぺんくらぶより取材を受けまして、情報誌ほっぺんぺん10月号に見開き2ページにて絵本についてのおはなしをしています。
『絵本の世界』と題して
・読み聞かせについて
・絵本の選び方について
・疑問に思うこと、相談したいことQ&A
など、さまざまおはなしをしています。
ほっぺんくらぶにお通いのみなさん、ぜひご覧ください☆
茂木 亜希子 【絵本ナビゲーター・保育士・司会】
記事テーマ
何気なく手に取った絵本が、子どもの心をつかみ、大人の私たちの心をも揺さぶることがあります。読み語られる一冊一冊を通して、子どもが体験する世界は広がり、その体験をもとに想像力も豊かに育ってゆきます。昔から読み継がれてきた絵本、ユニークで不思議な絵本、心に響くあたたかい絵本、今読みたい旬の絵本など、愛される絵本を様々ご紹介していきます。