文化の秋、食欲の秋、イベントや旅行の秋・・・など、何をしても過ごしやすく、様々なことを楽しめる時期になりましたね。
園では運動会も終わり、ドングリや落ち葉拾い競争で楽しんだり、舞台を観劇したり、少し遠方に遠足にいくなど行事も盛りだくさんかもしれません。
11月前半では、芸術の秋!と題してこころにひびく絵本をご紹介します☆
くうきのかお
アーサー・ビナード 構成・文
2004年
福音館書店
1500円+税
ここは、子どものための美術の絵本遊園地!
「子どもから大人まで、どんな人でも親しめる美術の本」シリーズの一作品です。
1836年、葛飾北斎が描いた「かわらと蛙」が、この作品の表紙になっています。
日本の素晴らしい絵を筆頭に、オランダやフランス、スペインやベルギー・・・
なんと、紀元前4000年のころの、サハラ砂漠の岩山に描かれた絵まで登場します。
「くうきの かお」
空気というものは、目には見えない
だけれども、その瞬間、そこには、必ずいるもの
日本画にだって、海外の絵にだって、そして、昔昔の壁画にだって。
さまざまな芸術家が触れていた 感じていた 吸って吐いていた、くうき
画家は、描く・・・
そこに感じた、とおくのくもも、水面に集まる魚がふれる小さなあわぶくたちも、シーソーで遊ぶ子どもたちがふれている風も・・・
蒸気機関車から はきだされる リズミカルな煙たちも、ぜんぶ「くうきのかお」です。
美術作品から感じる空気を、アーサービナードさんは楽しそうに、繊細に、そして魅力的に表現されています。
不思議と、いくつもの「くうきのかお」が浮かんでは消えていき・・・
子どもたちといっしょに、素晴らしい美術作品を 胸いっぱいにうけとめてください。
わたしはとべる
マリー・ブレア 絵
ルーズ・クラウス 文
谷川俊太郎 訳
2005年(全米では1951年)
講談社の翻訳絵本クラシックセレクション
1500円+税
様々な動物たちと空を気持ちよさそうに飛ぶ女の子。
この絵本は、1951年にアメリカで刊行され、あっというまに全米で大人気の絵本となりました。
絵を描いたマリー・ブレアは、ディズニーの「イッツ・ア・スモール・ワールド」でお馴染みの画家です。
また、アニメーション映画の「シンデレラ」、「ふしぎの国のアリス」、「ピーターパン」などの草案も手掛けています。
本の冒頭、明るく軽やかなメロディがつけられた可愛らしい楽譜が掲載されています。
この楽譜を見るだけでも、どんなにかこの絵本が自由でのびのびしたものか、うかがい知ることができます。
ことりはとべる
わたしだって・・・
ブランコに乗り、気持ちよさそうにこぐ女の子。
足元には多くのカラフルな家々の屋根が広がり、高い空をこいでいるのが分かります。
次に登場するのは、牝牛。
牝牛が「モウ」といえば・・・
私は・・・
目を閉じて、口元をくっと上げて、「もう」っという女の子。
きっと、私は、牝牛になっているのでしょうね。
わたし くねくね
今度は、なんのまねかしら?
はりはり たべる
お野菜もしっかりね。
女の子の風に揺れる髪の毛、驚いた表情、体全体を使った遊びやまねごと・・・
すべてが可愛らしく、そしてむじゃきです。
動物たちと同じ目線にたち、その動物に負けじと楽しむ「わたし」。
美しい色合いが、一層彼女の奔放さを引き立てます。
すべてのページが、夢にあふれ、自由で、そしてしあわせです。
キラキラ輝く笑い声が、絵本からあふれてきます・・・
こどもにとっても、おとなにとっても、とっておきの一冊になることと思います。
もりのおくのおちゃかいへ
みやこしあきこ著
2010年
偕成社
1296円+税
第17回、日本絵本大賞を受賞された作品です。
みやにし先生は、木炭画やコラージュなどを使って絵を描いていらっしゃいます。
その日は、雪がたくさん降り積もって、外は一面真っ白でした。
キッコちゃんが気が付くと、もうお父さんはいません。
おばあちゃんの家に、雪かきをしに行ったのです。
あ、 忘れ物・・・
急いでいたからか、お父さんは、持っていくはずだった大切な贈り物を家に忘れていってしまいました。
今だったら、きっと追いつくはず!
急いで外に飛び出しました。
外には、雪の上にお父さんの足跡。
さくさくさく・・・
しばらくいくと、お父さんらしき人影がみえます。
しかし、不思議なことに、あとを追っていくと、お父さんは知らない館に入っていくではありませんか。
中に入っていくお父さん。
キッコちゃんが、窓からやっと中をのぞくと・・・
おとうさんじゃない!!!
驚いたことに、まったく違う動物だったのです。
おちゃかいにあなたもきたの?
振り向くと、そこには羊の子が立っていました。
森の奥のお茶会にやってきてしまったキッコちゃん。
キッコちゃんの可愛らしい赤い帽子が、モノクロの世界を引き立てます。
木炭画の独特な世界に、大人も子どもも心を震わすでしょう。
どきどきしながらあたたかい気持ちになる、とっておきのお茶会です。
<「局アナnetきっずくらぶ こどものためのアナウンスブック 発声のきほん」>
局アナnet きっずくらぶ アナウンスブック
発声のきほん
常世晶子 茂木亜希子 文
山本珠海 たかのじゅんこ 国枝麻里香 絵
2014年
局アナnet株式会社
740円+税
全国の局アナ出身者でつくる、日本最大規模のネットワーク・局アナnet。
その局アナnetの中で、絵本の読み聞かせやアナウンス指導など、子どもたちのためのコンテンツづくりに取り組んでいるのが、局アナnetきっずくらぶです。
そのメンバーの中から、常世晶子アナウンサーと私の二人で、「発声のきほん」と題したテキスト本を出版させて頂きました。
11月9日(日)14時~、未来屋書店幕張新都心店みらいやのもりにて、イベントが開催されます!
対象年齢は小学校1年生から6年生まで、店頭もしくはお電話(043-273-7350)までご予約ください。
参加費は、テキスト代(740円)込みで1000円です。
皆様のご参加をお待ちしております!
このテキストは、呼吸法や顔の体操、五十音の練習から詩・早口言葉までさまざま折り込まれています。
発声を学んで話し方に自信がつくと、人と話したり、思っていることを表現することが楽しくなります。
ぜひ、本を手に取って楽しんでいただきたいと思います☆
☆お知らせ☆
板橋区成増社会教育会館「子育て記念日」開催!
日時:2014年11月29日(土)10時~15時半
入場:無料
場所:成増社会教育会館、成増南児童館(成増社会教育会館1階)
住所:板橋区成増1-12-4
交通機関:東武東上線 成増駅(南口)から徒歩7分 または 東京メトロ有楽町線 地下鉄成増駅(4番出口)から徒歩5分
★内容★
お子さんが楽しめるブースはもちろん、メインステージでは歌ありバンドありダンスあり♪
そして東京家政大学の准教授で、附属みどりケ丘幼稚園の園長でいらっしゃる、佐藤暁子先生の講演もあります!
私はステージの司会を担当します。
お近くにいらっしゃる場合は、ぜひお越しください!
茂木 亜希子 【絵本ナビゲーター・保育士・司会】
記事テーマ
何気なく手に取った絵本が、子どもの心をつかみ、大人の私たちの心をも揺さぶることがあります。読み語られる一冊一冊を通して、子どもが体験する世界は広がり、その体験をもとに想像力も豊かに育ってゆきます。昔から読み継がれてきた絵本、ユニークで不思議な絵本、心に響くあたたかい絵本、今読みたい旬の絵本など、愛される絵本を様々ご紹介していきます。