ハッピー・ノート.com

コートやマフラーが手放せない時期になってきました。

つい最近まで、セーターも着ないで公園や学校に姿を現していた子どもたちも、防寒着を傍らに、ほっぺたを赤くして遊んでいます。

いよいよここからは冬に入っていきます。

野や山の秋の美しい移ろいを感じながら、ひっそりと近付いてくる冬を静かに待ちましょう。

今回は、晩秋から初冬にかけて読みたい、この時期ならではの絵本をご紹介します☆

もりのかくれんぼう　　

末吉暁子　作　　

林明子　絵

１９７８年

偕成社

１０００円＋税

やわらかい林明子さんの絵が包み込む、森の中の不思議なお話です。

けいこはお兄ちゃんと公園で遊んだかえりみち、かくれんぼしたかったのに、と口をとがらせながら帰ります。

うちまでかけっこしよう！と駆け出したお兄ちゃん、けいこはお兄ちゃんの真似をして、いけがきをくぐってみます。

すると・・・

けいこは見たこともない大きな森の入り口に立っていました。

心細くなったけいこが歌を歌うと、どこからか声が聞こえてきます。

「もりのかくれんぼう」との出会いでした。

かくれんぼうするもの、よっといで！

そこからはけいこは森中の動物たちとかくれんぼを楽しみます・・・

かくれんぼうが始まると、絵の中に動物たちがとけこみ、ようくみないとわかりません。

木のくぼみや年輪の形を、よく、目を凝らして、見てみてください。

けいこも一生懸命さがします。

読み聞かせをすると、こどもたちもじいっと集中して動物たちを探します。

不思議なことに、何体も何体も、読むたびに新しい動物を発見するので、何度読んでも飽きない絵本です。

色合いはあたたかな黄金が中心で、森でかくれんぼうを楽しむ、けいこの満足そうな顔がひときわ輝いて見えます。

読み手のおとなも考えさせられる、今はほとんどできなくなった、なつかしの森のかくれんぼうです。

あ、もりのかくれんぼう！

おちばいちば　　

西原みのり　作

２０１１年　

ブロンズ新社

１３００円＋税

秋の色彩があふれる、楽しい絵本です。

幼稚園児のさっちゃんが、園ではどんぐりを使って、お馬さんを作りました。

嬉しくて、お馬さんを縁側で眺めていたら・・・

お馬さんが走り出した！！

ぱっぱか　ぱっぱか　　　あれれれれ！？

待って待ってと　ついていくさっちゃん・・・

そこに突然、大きくて強い風が・・・

次にさっちゃんが目を開けると、いつもとはなんだか様子が違います。

さっき作ったお馬さんに、のっている！？

ここからさっちゃんは、不思議な国へと旅をします。

ついた先は、「おちばいちば」

様々な品物に変わった植物。そういえば、見たことがあるような・・・落葉で作られたユニークな商品たち。

どれもかわいらしく、読んでいるうちに、あれもこれも欲しくなってしまいます。

この絵本の素晴らしいところは、非常に細かいところまで丁寧に描かれているところ。

読んでいるこちらがページをめくりたくなくなるくらい、１ページ１ページ、様々な品物や生き物が楽しく描かれています。

さっちゃんはどんな品物を見つけ、そして無事におうちには帰ることが出来たのでしょうか・・・

さっちゃんになりきって、思い存分遊んでください☆

ゆめのゆき

エリック・カール　作　

あおきひさこ　訳

２００２年

偕成社

２４００円＋税

 ここで一冊、クリスマスにちなんだ絵本をご紹介します☆

「はらぺこあおむし」を描いたエリック・カールの作品です。

ここは農場です。

そこには、おじいさんが住んでいました。

おじいさんは、ひとりではありません。

片手で数えられるだけの動物が、となりの小屋に住んでいたのです。

イチ、ニイ、サン、シィ、ゴー、と、名づけました。

おじいさんは、いつも動物たちを大切にしていました。

そばに生えていたキ（木）もいっしょに。

おじいさんはある日、とっても眠くなって、イスに座ったままウトウト・・・

もうすぐクリスマスだというのに、まだ雪が降らないな・・・

なんて、つぶやきながら。

おじいさんは、不思議なゆめをみました。

ふんわりと雪があらわれ、まもなくすると・・・

おじいさんのたいせつな、イチにも、そしてニにも・・・。

エリックカールが贈る、幻想的で、美しいクリスマスの絵本です。

ゆったりと流れるようなおはなしに、開くたびに現れる、ドキドキするようなしかけ。

最後のページはあっと驚くような仕掛けが待っています。

さて、おじいさんは、もしかして・・・？