全国的に徐々に梅雨入りとなり、傘を開くことが多くなってきました。
じめじめしていてちょっと・・・と、思うことも確かにありますが、雨は天からいただく「恵み」です。
農作物をいただいている私たち人間にとって、これほど貴重なものはないのです。
台風や災害をもたらす大雨は遠慮していただきたいですが、梅雨の季節も楽しい気持ちで過ごせたら、子どもも大人も気持ちが明るくなりますね。
今回は、雨の日に読みたい絵本をご紹介します☆
かさどろぼう
シビル ウェッタシンハ 作・絵
いのくまようこ 訳
2007年
徳間書店
1400円+税
スリランカを代表する絵本作家・シビル ウェッタシンハの描く、ユニークな作品です。
第三回野間国際絵本原画コンクールに入賞しています。
舞台はスリランカの小さな島。
ここには、まだ傘がありませんでした。
ですから、袋や布、葉っぱなどを頭や体に覆い、雨の中歩いていました。
ある時、生まれて初めて街に出て、そして生まれて初めて傘を見たおじさんは、あまりの美しさにビックリしてしまいました。
そしてすぐさま、お気に入りの傘を買って帰ったのです。
帰り道、おじさんはその傘をどうやってみんなに自慢しようか、などということを考えていました。
もう、あたりは真っ暗・・・
こんな時間に傘を見せたって仕方ない
もっと明るいところで見せるといいに決まってる!
ちょっとの時間だけ・・・と、傘を隠してから喫茶店に入ったおじさん。
さあ、困ったことが起きました。
喫茶店から出てくると、隠していた傘が、 ないのです!!!
おじさんはがっかり・・・
せっかく買ってきた傘なのに。
そこでもう一度、おじさんは傘を買いにでかけました。
しかし、何度買ってもなくなってしまう傘。
探して探して・・・
一体おじさんは、次々と購入した傘と出会えることは出来たのでしょうか。
絵は曲線が美しく、何より配色がとても鮮やかです。
場面によっては緊張感のある色を使い、効果的にお話を進めます。
アジアの雰囲気がそのまま伝わってくる、魅力的な絵本です。
傘を隠した犯人に、思わず微笑んでしまう、ユニークで楽しいお話です☆
あめあめふれふれねずみくん
なかえよしを 作
上野 紀子 絵
2013年
ポプラ社
1000円+税
ねずみくんシリーズの30作目にあたります。
初めて刊行された「ねずみくんのチョッキ」は、今から39年前、1974年に発売されました。
時が経っても多くのこどもたち、大人たちを魅了するねずみくん。
今回は雨ののおはなしです☆
あ、あめ・・・
ポチっと、雨が降ってきました。
ねずみくんは、何かを取りにいったみたい。
そう、カサがあれば安心です。
あら?
亀さんが一人。
カサをさしていません。
カサ? いらないよ
亀さんは行ってしまいました。
あらら?
今度はあひるさんがやってきました。
またもや、カサをさしていません。
カサ? かっこわるいよ
あひるさんも、行ってしまいました。
ねずみくんは、ちょっぴり戸惑った表情です。
次にあらわれたのは・・・
つぎつぎに、ねずみくんはおともだちに会います。
雨がたくさん降る中、カサをさしているおともだちに、ねずみくんは出会うのでしょうか。
あ!!
そこには、誰もがうらやむ、とっても魅力的な結末が待っていました。
雨の日も、こころをあたたかくしてくれる、やっぱり素敵なねずみくんです☆
ゆうだち
あき びんご 作
2012年
偕成社
1000円+税
トリニダード・ドバゴ共和国に伝わる民話をもとにつくられた、あきびんごさんの絵本です。
第60回産経児童出版文化賞JR賞を受賞されています。
様々な動物が住む、南の島の暑い日。
激しいゆうだちがやってきました。
あたりが真っ暗になって・・・
雨とカミナリが島をおそいました
ずぶぬれになってしまったヤギ。
ちょうどオオカミの家の前で困っていると、中からオオカミが手招きしてくれました。
ありがとうございます
喜んで家にヤギは入りました。
ヤギが体をふいていると、オオカミが何やら三味線をひいて、歌をうたっています。
ゆうだちがきたら うちにいるのがいちばん・・・
オオカミの声はごにょごにょとしていて、よく聞き取れません。
でも、耳の良いヤギには、よく聞こえました。
美味しいお客がむこうから・・・
!?
ヤギは、オオカミがなんとうたっているのか、わかりました。
頭の中が真っ白になり、体がブルブル震えます・・・
どうやってこの場を切り抜けよう!
いい三味線ですね。 私にも一曲やらせてくださいませんか?
そう、この場面はまさに表紙の場面になっています。
時計は夕刻を指し、オオカミからヤギへと、三味線をちょうど受け渡す瞬間です。
オオカミとヤギが青いスリッパを履いているところも、あきびんごさんのユニークさがうかがえます。
さあ、ここから命がけの歌合戦が始まります!
ヤギとオオカミの必死な歌に、読み手も聴き手もビックリ!
二匹のやりとりをぞんぶんにお楽しみください☆
局アナnet きっずくらぶ アナウンスブック
発声のきほん
常世晶子 茂木亜希子 文
山本珠海 たかのじゅんこ 国枝麻里香 絵
2014年
局アナnet株式会社
740円+税
全国の局アナ出身者でつくる、日本最大規模のネットワーク・局アナnet。
その局アナnetの中で、絵本の読み聞かせやアナウンス指導など、子どもたちのためのコンテンツづくりに取り組んでいるのが、局アナnetきっずくらぶです。
そのメンバーの中から、常世晶子アナウンサーと私の二人で、「発声のきほん」と題したテキスト本を出版させて頂きました。
2014年11月9日(日)、2015年2月1日(日)、4月5日(日)、6月7日(日)に、未来屋書店幕張新都心店みらいやのもりにて、イベントが開催されました!
ご参加いただいた小学生の皆さん、ありがとうございました。とても楽しんでいただけたようで嬉しいです♪
次回は7月31日(金)に開催される予定です。
その他のイベント日程
イオン成増放課後教室・・・7月20日(祝)
イオン岡山・・・8月9日(日)
イオン稲毛海岸放課後教室・・・8月23日(日)
お近くの方はぜひご参加ください!
このテキストは、呼吸法や顔の体操、五十音の練習から詩・早口言葉までさまざま折り込まれています。
発声を学んで話し方に自信がつくと、人と話したり、思っていることを表現することが楽しくなります。
ぜひ、本を手に取って楽しんでいただきたいと思います☆
また、7月20日にCD&クラフト付きのアナウンスブックが発売されることとなりました!
詳細は追ってお知らせいたします。
アマゾンでも好評発売中!
http://www.amazon.co.jp/dp/4990815912
よろしくお願いいたします☆
茂木亜希子
茂木 亜希子 【絵本ナビゲーター・保育士・司会】
記事テーマ
何気なく手に取った絵本が、子どもの心をつかみ、大人の私たちの心をも揺さぶることがあります。読み語られる一冊一冊を通して、子どもが体験する世界は広がり、その体験をもとに想像力も豊かに育ってゆきます。昔から読み継がれてきた絵本、ユニークで不思議な絵本、心に響くあたたかい絵本、今読みたい旬の絵本など、愛される絵本を様々ご紹介していきます。