普段何気なく見ているものが、本当は「ちがった」ものかもしれない・・・たまに、子どもたちの発言にドキッとさせられることがあります。
「どうしてこれはこうなの?」「わたしにはこう見える」「ぼくには、こうにしか見えないよ」
そんな発言を聞くとき、「こどもたちがみているもの」と、私たち大人がそう「思い込んで見ているもの」が、あきらかに違うということを、思い知らされることがあります。
こどものもつ「発想力」の素晴らしさには、絵や音楽、ダンスやかけっこ、全てにおける「こどもから生まれる表現」から感じ取ることができます。
小さなことでも立ち止まって、「なるほど、きみにはこんなふうに見えているんだね」と、共感し、その空間を楽しむことができたら、もっともっと、こどもたちは羽を広げて自由に羽ばくことでしょう☆
りんごかもしれない
ヨシタケシンスケ 作
2013年
ブロンズ新社
1400円+税
リンゴ・・・かも、しれない
そう、リンゴなのかもしれない。
でも、違うかもしれない。
でも、やっぱりリンゴじゃない?
でもでも、どうしてそう思う?
リンゴを見つめる、ぼく。
ある日帰宅すると、リンゴがあったんだ。
赤いリンゴ
うん、いっけんすると、ただのリンゴだよね。
でも、もしかしたら・・・ってことも、あるよね?
リンゴに見えるけど、まったくちがう果物かもしれない
リンゴに見えるけど、まったく違う食べ物かもしれない
こっちから見たらリンゴだけど、反対側からは、違って見えるのかもしれない
それにだよ。
これは、そもそも、食べ物じゃ「ない」のかもしれない・・・
奥がふかくなってきた
あんなものが生まれたり、こんなものが入っていたり
まさかまさか!・・・でも、その「まさか」かもしれないんだ!
その「まさか」は、その「リンゴ」かもしれない。
きみは、なにをおもう?
ぼくは、どこまで考える。
たったひとつのリンゴが、こんなにも世界を広げてくれる。
子どもの発想そのものの、楽しくて、真面目で、どこまでものびのびとした、おもしろい絵本です☆
こういう思い、いつもこどもは感じているかもしれない・・・
☆ヨシタケシンスケさんの作品には、「ぼくのニセモノをつくるには」、「りゆうがあります」など、他にもさまざまあります☆
わゴムはどのくらいのびるかしら?
マイク・サーラー 作
ジェリー・ジョイナー 絵
きしだえりこ 訳
2000年
ほるぷ出版
1200円+税
大型絵本でも大人気の一冊です。
ある日、ぼうやは「わゴム」がどのくらいのびるか、試してみることにしました。
手には、普通のわゴムがあります。
このわゴムが、どれくらい伸びるのかって・・・?
ぼうやは試してみたくなったのでしょう。
まずは、わゴムをベッドのわくに引っかけて・・・
部屋の外に出てみよう!
外に出たぼうやは、あれれ、自転車に乗ってしまいました。
もちろん、わゴムを自転車のサドルにしっかり引っかけて。
自転車だけでなく
バスに乗り換え
電車に乗り換え
とうとう飛行機まで!?
海を越えて 国を超えて・・・
それが「あるとき」
ボーン
ぼうやはどこまで行ってしまったのでしょう・・・?
作者は教師で彫刻家で漫画家で作家・・・奇想天外な発想が、こどもたちを引き込みます。
担当している画家は、幼い頃、弱冠5歳にして絵本を作ったというデザイナー&イラストレーターです。
リズムに乗って、ぜひ楽しく読んでください☆
だって…
石津ちひろ 作
下谷二助 絵
1995年
国土社
1300円+税
だって・・・・
いちにちのなかで、どれほど使っている言葉でしょう。
だって・・・
いいわけしたい気持ちは分かります。
だって・・・
でも、ねえ・・・
聞いて、そう、本当はね
もしかしたら、「理由」を聞いてほしいだけなのかもしれません・・・
どうして、おかわりをしないの?
おかあさんがききました。
だって・・・
次のページには、女の子なりの大きな理由!
う~ん・・・それじゃあ、おかわりは難しいよね・・・
どうして、おふろがいやなのかしら?
こちらでも、お母さんが聞いています。
だって・・・
男の子は答えます。
え!そうだったの!?
それは、はいりたくないよねえ・・・
どうして、あなたは・・・!
次々に、母親たちが子どもたちに質問をします。
そして、答える子どもたち。
だって・・・!
子どもたちなりの、真剣な理由。
その答えは、とっても発想豊かで、ユニークです。
でも、それが、こどもたちにとっての「本当の理由」なのです。
子どもたちは笑い転げ、読み手の大人はどこかハッと気がつかされる・・・不思議な絵本です☆
ただ、おもしろいだけじゃあないんです。
だってそれは・・・
続編の「だって・・・ 学校の巻」も、ぜひあわせてご覧ください☆
局アナnet きっずくらぶ アナウンスブック
発声のきほん
常世晶子 茂木亜希子 文
山本珠海 たかのじゅんこ 国枝麻里香 絵
2014年
局アナnet株式会社
740円+税
全国の局アナ出身者でつくる、日本最大規模のネットワーク・局アナnet。
その局アナnetの中で、絵本の読み聞かせやアナウンス指導など、子どもたちのためのコンテンツづくりに取り組んでいるのが、局アナnetきっずくらぶです。
そのメンバーの中から、常世晶子アナウンサーと私の二人で、「発声のきほん」と題したテキスト本を出版させて頂きました。
2014年11月9日(日)、2015年2月1日(日)、4月5日(日)に、未来屋書店幕張新都心店みらいやのもりにて、イベントが開催されました!
ご参加いただいた小学生の皆さん、ありがとうございました。とても楽しんでいただけたようで嬉しいです♪
次回は6月7日(日)に開催される予定です。
日にちが近くになりましたら、こちらで詳細が発表されます↓
http://makuharishintoshin-aeonmall.com/news/event/2383
お近くの方はぜひご参加ください!
このテキストは、呼吸法や顔の体操、五十音の練習から詩・早口言葉までさまざま折り込まれています。
発声を学んで話し方に自信がつくと、人と話したり、思っていることを表現することが楽しくなります。
ぜひ、本を手に取って楽しんでいただきたいと思います☆
アマゾンでも好評発売中!
http://www.amazon.co.jp/dp/4990815912
よろしくお願いいたします☆
茂木亜希子
茂木 亜希子 【絵本ナビゲーター・保育士・司会】
記事テーマ
何気なく手に取った絵本が、子どもの心をつかみ、大人の私たちの心をも揺さぶることがあります。読み語られる一冊一冊を通して、子どもが体験する世界は広がり、その体験をもとに想像力も豊かに育ってゆきます。昔から読み継がれてきた絵本、ユニークで不思議な絵本、心に響くあたたかい絵本、今読みたい旬の絵本など、愛される絵本を様々ご紹介していきます。