先日、千葉県習志野市にある、習志野商工会議所というところで、お仕事復帰をめざすママ向けにパネルディスカッションがあり、パネリストとして登壇させて頂きました。
その打合せの中や、パネルディスカッションの後、参加して下さった方とお話をしていて、「まずは資格をとってみたい!」「勉強してみたい!」という方が非常に多いことに気づきました。私は「社会保険労務士」という資格をとって、これをお仕事にしています。そのせいか、今回のパネルディスカッション以外のところでも、「資格と仕事」については、日頃からよく質問を受けています。
また、「資格をとれば、お仕事ができるんでしょ?」と思ってらっしゃる方もとても多いように思います。そこで、少し今までの話とは毛色を変えて、「資格と仕事」についてお話をしてみます。
まず断言できるのは「資格をとったからといって、即お仕事につながるわけではない」ということです。
世の中には、色々難関の資格もあります。もちろん、勉強すること自体を否定するわけではありませんし、資格を取得した暁には、間違いなく「努力の証」となりますので、資格の勉強をすることは、自分にとっての大きな「糧」になるでしょう。
しかしながら、資格はあくまで「ツール」であって、万能ではありません。資格を得たからといって、すぐにお仕事が引きも切らずやってくるのか、というと決してそんなことはないのです。
あくまで、資格をお仕事につなげられるかどうかは、あなたの人間性がどうなのか、あなたの提供するお仕事の質はどうなのか、あなたを取り巻く環境がどうなのか、で決まります。
先日のパネルディスカッションの中のお話にもありましたが、私は、資格とは、わかりやすく自分を説明する「印」のようなものに過ぎないと思っています。決して資格は、あなた以上に物を語ってくれるわけではありませんし、ましてや、資格はあなたの「中身」にはなり得ないのです。
なぜ私がこんな話をするのか、というと、自分が営業でとても苦労したからです。
実は私は、社労士の資格を取得してから半年で、いきなり開業しました。なんの計画もなく開業したといっても過言ではない状態でした。それでも、社労士という資格は、それなりの難易度があったことから、企業の人事に対する需要が、とてもあるように感じていました。
ただ、それは単なる「思い上がり」であることに、開業してほどなく気づくことになったのです。開業登録はしたものの、ほとんど開店休業状態、なにせ何の計画もなかったので、右も左もわからない有様で、開業してからあわてて、色々な営業方法を試すこととなったのです。
今は開業して3年、ようやくお客様もつくようになりましたが、開業当初の厳しい状態を思い出すと、今でも冷汗がでます。
今、とても資格者が世間に少なく、資格の中には「持っているともてはやされる」ものがあるのも事実です。誰もが持っている資格より、就職や転職に多少有利なのも事実でしょう。
ただ、それも万能ではありません。いくら資格を持っていても、受け答えなどで、本人から受ける印象が悪い場合、面接を受けたところで、採用されることはないでしょう。「持っているから安泰」の資格など存在しません。
資格をとって、何がしたいのか、資格を使って、将来はどうなりたいのか、しっかりとしたビジョンを持って勉強しなければ、その努力は意味がないですし、資格は宝の持ち腐れになります。
いま、テレビやCMなどで、通信教育の宣伝がたくさんありますよね。そうしたものを目にすると、やる気が煽られるのも事実ですが、まずは、あなたにとってその資格は本当に必要なのか、よく考えてみて下さい。厳しいようですが、いきあたりばったりで資格の勉強を始める前に、将来の自分の目標をしっかり見据えてみましょう。
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神谷 綾 【社会保険労務士】
記事テーマ
「社会保険」や「年金」っていうと、なんとなく難しいことのよう…。でも実は、就職や退職、妊娠出産、病気やケガなんていう、様々なライフイベントごとに、私たちをいろいろ助けてくれるんです。もらえるお金。やっておくべき手続。知ってると、ちょっとトクするマメ知識。そんな「社会保険制度」について、ママの目線からわかりやすくお伝えします。