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もしもの時に、家族を守る「社会保険」その4・・・【雇用保険】 /2014年10月

「失業保険」って、そもそもどんな制度?

雇用保険の、1番メジャーな給付は、なんといっても「基本手当」ではないでしょうか。よく「失業保険」と呼ばれているものです。

 

在職中に会社で雇用保険に加入しておくことで、退職後、まとまったお金を受け取ることができます。自己都合で退職した方はもちろん、いきなり退職せざるを得なくなってしまった方も、この給付があれば、とりあえず生活に困ることはなくなります。ありがたいですよね。

 

この「失業保険」がいくら、いつまでもらえるのか、というのは、前職の「退職理由」と「雇用保険の加入期間」と「もらっていた給料の額」、「本人の年齢」によって変わってきます。

「退職理由」によって、いろいろ差がある、って聞いたけど・・・

退職理由には「自己都合退職」「会社都合退職」「正当な理由による自己都合退職」の3種類があり、自分の退職理由がどれに該当するかで、もらえる金額やもらえる時期が変わります。

 

★自己都合退職★

一般的な退職理由は、こちらに該当するものが多いでしょう。たとえば、転職希望の場合などです。この場合、実際にお金が支給されるのは、手続をしてから約3か月後になります。

 

★会社都合退職★

会社の倒産、自分に大きな責任があるわけではない解雇、また給料の遅配や低下など、退職の原因が会社にある場合に適用されます。この場合、実際にお金が支給されるのは、手続きしてから7日後です。またもらえる金額も、「自己都合退職」の方よりも増えます。

 

★正当な理由のある自己都合退職★

これは聞いたことがない方も多いのではないでしょうか・・・。平成29年3月31日までに退職した方への時限措置として、この区分があります。

 

妊娠、出産、3歳までの子どもの育児や、ママが体調を崩した場合、そのほか、夫の転勤、片道2時間以上かかるところへの配置転換、家族の介護、など、「本当は同じ会社で仕事を続けたたかったけど、しかたなく退職した」という場合に、適用になる区分です。私がママたちにぜひ注目してもらいたいのは、実はこの区分だったりします。

 

この場合、その具体的な退職理由によっては、もらえる金額が「会社都合退職」と同様に増えたり、支給まで3ヵ月も待たずに、手続き後7日間でもらえるようになったりします。

じゃあ、具体的にもらえる金額っていくら?

もらえる金額は、まず前職での給与をもとに、「日額」というのを計算して、その上で「もらえる日数」を掛け合わせます。「日額」は、ものすごく簡単にいうと、自分の前職での給料を「1日あたりの金額」に直して、その40%~80%くらいの金額です。

 

前職の給与額が高い人ほど、「40%~80%」の割合は低いものが適用され、給与額が低い人ほど、割合は高いものが適用されます。また上限額・下限額があります。

 

計算式は非常に難しいのですが、インターネットで自分の給与額などを入力すれば、「日額」を算出してくれるところもあるようですので、利用すればざっくりと金額がわかるかもしれません。

もらえる期間はどのくらい?

「もらえる日数」は下記の通りです。

(『ハローワークインターネットサービス』の『基本手当の所定給付日数』の

ページより、一覧表を引用しております。

https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html)

 

★「自己都合退職」の方

030507_2.gif

 

★「会社都合退職」の方と、一部の「正当な理由のある自己都合退職」の方

030507_1.gif

具体例をみてみましょう・・・

たとえば、5年間パート勤めをしていたAさん(30歳)が、転職希望で退職したとします。お勤め中の月給は、毎月平均して10万円でした。

 

この場合「日額」は2,666円(お勤め時代の1日あたりの給与額の約8割)、「もらえる日数」は、上の表の「自己都合退職」になるので、90日、従って、2,666円×30日=79,980円 が、合計3ヵ月間もらえることになります。ただし、支給されるまでには約3ヵ月間待たなくてはなりません。

 

もう1例出してみると、このAさんが、会社が倒産してしまい、退職となったとします。この場合、「もらえる日数」が120日に増えます。従って、上記79,980円が、合計6ヵ月間もらえることになります。もらえる時期も、手続して7日後から支給されます。

「失業保険」をもらうにあたって・・・誤解しないで下さいね!

このように、大変ありがたい制度である「失業保険」。でも「仕事は辞めて、失業保険でラクしちゃおう」と誤解している方が多いのも事実。このお金は、仕事を退職後、生活の不安なく求職活動に専念してもらうために支給されるものです。したがって、「退職後、働く意志のない人」には支給されません。

 

仕事に疲れちゃったから、仕事は辞めて、主婦業に専念しよう・・・失業保険をもらっている間は、月1回ハローワークに行って、仕事を探すフリをすればいいや・・・・・・などと考えているママ、それは不正受給です。

 

いざ!という時に、自分を守ってくれる制度、正しく理解して利用したいですね。

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【千葉県船橋市・津田沼の社労士 神谷綾のつれづれ日記】http://ameblo.jp/kamiya-aya/

Mama's profile/プロフィール

神谷 綾

神谷 綾 【社会保険労務士】

記事テーマ

家族のための「社会保険」のおはなし

「社会保険」や「年金」っていうと、なんとなく難しいことのよう…。でも実は、就職や退職、妊娠出産、病気やケガなんていう、様々なライフイベントごとに、私たちをいろいろ助けてくれるんです。もらえるお金。やっておくべき手続。知ってると、ちょっとトクするマメ知識。そんな「社会保険制度」について、ママの目線からわかりやすくお伝えします。

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