今日は年金制度のうち、「遺族年金」についてお伝えします。
実は、「遺族年金」こそ、ママたちに押さえておいてほしい仕組みなんです。
働くママが増えてきた昨今ですが、やっぱりパパが一家の大黒柱!
・・・っていうお宅が、やっぱり多いんじゃないかと思います。
毎日平穏無事に過ごせている中、できれば考えたくないことですが、
もしパパに万一のことがあったら・・・?
その後の生活はどうなるの?家計は?子どもの教育費は?
そうした不測の事態に備えて、生命保険に加入されているご家庭も多いことでしょう。
生命保険ももちろん大切ですが、
万一のときに支えになってくれる、「遺族年金」の制度、ぜひ覚えておいて下さい。
遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「遺族共済年金」の3種類があります。
亡くなった方が加入していた年金制度によって、もらえる年金が違ってきます。
★自営業など、国民年金の加入者 ⇒ 「遺族基礎年金」
★サラリーマンなど、厚生年金保険の加入者 ⇒ 「遺族基礎年金」&「遺族厚生年金」
★公務員など、共済年金の加入者 ⇒ 「遺族基礎年金」&「遺族共済年金」
厚生年金保険と共済年金は、同時に国民年金にも加入している状態なので、「遺族基礎年金」も一緒にもらうことができます。
このあたりは、先日お伝えした「障害年金」と仕組みが似ていますね。
ただし、遺族年金の場合は、「加入している間に」亡くなった場合にはもちろん支給されますが、サラリーマンや公務員の方などが亡くなった場合は、「退職後でも」受け取れる場合があります。
もらえる遺族年金の額は、ざっくりと下記の通りです。
★国民年金加入中に亡くなり、もし「18歳未満の子」がいたら
・・・約78万円/年
(子どもの数に応じた加算あり。
子が18歳になるまで 1人目:約23万円 2人目以降:約7万円/年)
★サラリーマン、公務員等で厚生年金保険or共済年金に加入中に亡くなった場合、
または加入中にかかった病気・ケガが原因で、退職後に亡くなった場合
(病院の初診から5年以内)
・・・ 亡くなった方の収入に応じた金額 × 3/4
(条件により加算あり)
例えば、サラリーマンAさん(47歳)が大黒柱!というご家庭の場合。
★勤続25年(厚生年金加入期間も25年)
★お給料の額は、平均して35万円
★ママは専業主婦。39歳。
★お子さんは2人。どちらも18歳未満。
もしAさんが不幸にして亡くなった場合、ご家族が受け取れる遺族年金の額は、年間約180万円です。
上記Aさんの場合、
正直、お子さんの学費や諸々のことを考えると、年間180万円だけでは、生活は厳しいかもしれません。
ただし、逆にいうと、年間180万円は、国から年金として受け取れるんです。
生命保険で、死亡保険金が高額なものに加入されているご家庭の場合、
もし今後、「保険の見直し」をお考えであれば、「遺族年金」の制度がある、ということを念頭に置かれると、保険料を今より低く抑えることができるかもしれません。
ご家族が元気なうちに「万一のことを考えるなんて・・・」と、こうしたお話をためらわれる方も多いと思います。
ただ、お金のことは、日頃の備えが大切。なにかあってからではどうしようもありません。
私も、経験上、遺族年金のご相談を色々受けてきました。
ご不幸は悲しいことですが、残されたご家族を救うのも、また「お金」ではないかと思っています。
家族の状況を見ながら、今後のこと、お金のこと、ぜひシミュレーションしてみて下さいね。
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神谷 綾 【社会保険労務士】
記事テーマ
「社会保険」や「年金」っていうと、なんとなく難しいことのよう…。でも実は、就職や退職、妊娠出産、病気やケガなんていう、様々なライフイベントごとに、私たちをいろいろ助けてくれるんです。もらえるお金。やっておくべき手続。知ってると、ちょっとトクするマメ知識。そんな「社会保険制度」について、ママの目線からわかりやすくお伝えします。