これまで、労災保険、雇用保険、健康保険についてお話してきました。今日から数回に分けて、年金について触れていきたいと思います。
よく年金は「1階建て」「2階建て」などと言われますが、これってなんのことかご存じですか?
年金は、その方の働き方によって、加入する種類が違います。
種類は大きく分けて3つです。
【1】国民年金
日本国内に住んでいる、20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務があります。
自営業や学生の方、無職の方、会社にお勤めの方に扶養される配偶者などが加入します。
【2】厚生年金保険
会社にお勤めの方が加入します。
【3】共済年金
公務員や私立学校教職員等の方が加入します。
【2】と【3】に該当する方は、それぞれ同時に【1】にも加入している形になります。
会社員の方は、自動的に【1】+【2】、公務員等の方は自動的に【1】+【3】の形になるんですね。
なので、「1階建て」「2階建て」などと呼んだりするんです。
当然、加入する保険が多い方が、将来もらえる年金額は多くなります。
ここでは、「老齢年金」の額を比較します。
【1】国民年金 のみ加入する方は、平成26年度の支給額は、満額で「772,800円」です。
【2】厚生年金保険、【3】共済年金 に加入する方は、【1】にプラスして、現役時代の給料額に応じた年金を受け取れます。
職業に応じて、加入する年金も変わりますので、
自営業の方が会社に就職すれば、【1】の国民年金のみの状態から、【2】の厚生年金保険に加入することになりますし、会社員の方が退職すれば、その逆の形となります。
複数の年金制度をまたがって加入した場合、将来どのくらい年金がもらえるかわかりづらいですよね。
ただ、どの年金に加入する場合でも毎年1回、誕生月に、日本年金機構から「ねんきん定期便」という郵便物が必ず届きます。
ここに将来もらえる年金の見込額が載っていますので、内容を確認してみて下さいね。
(もし届かない場合には、最寄りの年金事務所で、ご自分の年金のデータの登録住所を確認して下さい)
これは、それぞれ加入する年金に支払う保険料の違いによります。
【1】国民年金に加入する方の毎月の保険料は、平成26年度は15,250円です。
【2】厚生年金保険に加入する方と、【3】共済年金に加入する方の毎月の保険料は、その方のお給料の額によって違います。
お給料が高ければ高いほど、保険料も高くなります。
また【2】と【3】に加入する方の保険料には、厚生年金保険(または共済年金)と、国民年金保険料の、両方が含まれています。
保険料は、年金に加入する方と勤務先で、半分ずつ負担することになっています。
すなわち、納める保険料の金額が、【1】の国民年金のみに加入する人より多くなるんですね。その分、もらえる年金額も多くなる、ということになります。
自営業など、【1】国民年金のみに加入する人でも、年金額を増やすことはできます。
増やす方法には、「付加年金」と「国民年金基金」の2種類があります。
「付加年金」とは、毎月の国民年金の保険料にプラスして、400円を納める制度です。
この金額で仮に40年納めれば、将来もらえる年金にプラスして「96,000円」が支給されます。
「国民年金基金」とは、毎月の国民年金の保険料にプラスして、「掛金」を収める制度です。
「掛金」の額は、性別や生年月日、選んだ給付型によって変わりますが、上限は68,000円です。
納めた金額に応じて、将来もらえる年金に金額を上乗せすることができます。
「付加年金」、「国民年金基金」の両方の制度を使うことはできません。
どちらがご自分に合っているか、ライフプランを考えて、加入を検討してみて下さいね。
★★「ハッピー福祉塾in習志野」で講師を務めます★★
習志野商工会議所ほか主催の「ハッピー福祉塾in習志野」。
福祉の分野で開業したい!とお考えの方向けに、資金繰りや税務、様々なノウハウをお伝えします。
人事労務の分野で私もお話しさせて頂く予定です。
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神谷 綾 【社会保険労務士】
記事テーマ
「社会保険」や「年金」っていうと、なんとなく難しいことのよう…。でも実は、就職や退職、妊娠出産、病気やケガなんていう、様々なライフイベントごとに、私たちをいろいろ助けてくれるんです。もらえるお金。やっておくべき手続。知ってると、ちょっとトクするマメ知識。そんな「社会保険制度」について、ママの目線からわかりやすくお伝えします。