ママが働く上で、知っておきたい「扶養枠」その1｜輝くママ

ママが働く上で、知っておきたい「扶養枠」その1/2014年7月

ママが「働く」ということ

子育てにちょっと余裕ができたら働きたい・・・

ちょっとパートにでも出てみようかな・・・

そんなママが気になるのが「扶養枠」。よく「103万円の壁」と「130万円の壁」っていうキーワードを聞くけど、それってどういうことなんでしょう？

仕事を探す前に知っておきたい「扶養枠の２つの壁」について、まずは解説したいと思います。

「扶養枠」ってなんのこと？

【103万円の壁】

・ママの収入が103万円未満なら、パパの所得税が安くなる

・ママの収入が103万円未満なら、ママ自身の所得税はかからない

【130万円の壁】

ママの収入が130万円未満なら、パパの社会保険の被扶養者となれる

この場合、

・ママの健康保険料　⇒　かからない

・ママの国民年金保険料　⇒　かからない

ひとくちに「扶養」といっても、

★「103万円の壁」は、所得税の計算がどうなるか

★「130万円の壁」は、社会保険がどうなるか

ふたつの意味がある、ということなんです。

「扶養枠」、もし超えたらどうなるの？まずは「103万円の壁」

扶養枠を、仮に乗り越えてしまったら、どうなってしまうんでしょうか。

「103万円の壁」は、乗り越えると、越えてしまった分だけ、ママ・パパ両方の所得税が増えます。

ただ、仮に少しくらい超えてしまったとしても、パパの収入にもよりますが、家計全体での負担はさほど増えません。

仮に、ある年のママの年収が、104万円だったとします。この場合、ママの所得税は年間で「710円」です。また所得税の増え幅は、非常に小刻み。さほど気にならないかと思います。

パパの所得税についても、ママの年収が141万円になるまでは、「配偶者特別控除」という制度もありますので、いきなり、金額が増えるわけではありません。したがって、家計への影響はゆるやかなものです。

いっぽう、「130万円の壁」の方は、超えるとどうなる？

一方、「130万円の壁」は、少しでも超えてしまうと、パパの健康保険組合で、ママを扶養者として認めてもらえなくなります。この場合ママ自身で、国民健康保険・国民年金に加入するか、ママの勤務先の健康保険・厚生年金保険に加入が必要となります。

健康保険と、年金の保険料。金額は、お住いの自治体、勤務先などによっても変わってきますが、合計、月額2万円以上になることが一般的。これを年額に直すと24万円以上！　これは結構重いです。

結局「扶養枠」って、どうつきあえばいいの？

この壁を乗り越えるか、枠内に収めて働くかは、あなた次第。

★子育てをしながら、少しの時間だけ働きたい

★お仕事が久しぶりだから、まずは短時間だけ働きたい

そんなママには、この「扶養枠」、すっごく助かります。

一方、扶養枠を気にして働けば、おのずと勤務時間は短くなってしまいます。バリバリ働きたいママには、物足りなさを感じてしまうこともあるかもしれません。

また、お給料はとっても大事ですが、働く、ということは、当然それに応じた、いろんな負担が発生します。家事のペース、子どものお迎えなど、おうち全体のことを考えて、あなたなりの働くペースを考えてみて下さいね。

次に、この「２つの壁」、いつからいつまでの収入カウントするのか、ということに絡めて、「130万円の壁」の、よくある誤解についてもお話ししたいと思います。

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神谷綾【社会保険労務士】

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家族のための「社会保険」のおはなし

「社会保険」や「年金」っていうと、なんとなく難しいことのよう…。でも実は、就職や退職、妊娠出産、病気やケガなんていう、様々なライフイベントごとに、私たちをいろいろ助けてくれるんです。もらえるお金。やっておくべき手続。知ってると、ちょっとトクするマメ知識。そんな「社会保険制度」について、ママの目線からわかりやすくお伝えします。