初めての出産を前にすると、陣痛への恐怖を誰もが持ちます。どんな痛さなのか? 体験したことがない痛さなのか? 耐えられるのか? よく聞く無痛分娩にした方がいいのか? 色々な思いが頭をよぎりますね。
でも大丈夫。今回はお産の仕組みについて主体的に学びましょう。そうすることで、見通しもたち、不安も軽減されます。実は、陣痛は私たち女性にとって意外と身近なものです。
陣痛を科学的な定義で説明すると、「子宮の収縮」です。子宮が収縮することで、中にいる赤ちゃんが外に出されます。マヨネーズのチューブを思い浮かべてください。ギュッとしぼることで、中のマヨネーズが外に出てきますよね。チューブが子宮。ギュッとなることが、子宮の収縮。マヨネーズが赤ちゃん。同じ仕組みです。
子宮が収縮するときに、ママは痛みを感じます。子宮の収縮はお産時だけでなく、実は私たち女性の体に毎月何度か生じています。
そう、「生理痛」です。生理痛の仕組みの前に、まずは生理の仕組みについて簡単に学びましょう。生理とは「排卵された卵子が精子と出会わなかった結果、子宮内膜が剥がれ落ちて、出血を伴いながら体外に排出される」ことです。生理痛とは、「子宮内膜等を体外に排出するために子宮が収縮し、その時にお腹や腰が痛む」ことです。簡単にいうと、子宮が収縮する時の痛み=生理痛です。
つまり、「陣痛」も「生理痛」も「子宮の収縮」です。もちろん、ピークの陣痛は生理痛とは比べ物にならないでしょう。しかし、「子宮の収縮」という仕組みは一緒です。多かれ少なかれ、生理痛はどの女性にもあるでしょう。ということは、私たち女性は毎月「陣痛」のミニ版を体験しているということですね。
どうでしょう? こうやって整理して考えると、「陣痛」って意外と身近なものではありませんか?
陣痛を意外と身近なものと感じていただいたところで、次は陣痛の捉え方を学びたいと思います。陣痛の捉え方って何?と思われた方も多いかと思います。結論から先に言います。
【いい陣痛が来ないと赤ちゃんに会えません】。つまり、【赤ちゃんに会うには、いい陣痛が欠かせません】。
主体的なお産のコツは、【捉え方】です。いい陣痛は痛さというネガティブな面もあります。しかし、赤ちゃんに会えるというポジティブな面もあります。いい陣痛が来たら「痛い!どうしよう?」とパニックにならず、「よーし、いい陣痛きた!赤ちゃんに会える!」と陣痛のポジティブな面を捉えていただきたいです。
陣痛の時に、赤ちゃんは少しずつ体を動かし、外の世界に向かってきています。そのことを忘れずに、ママも一緒にいざ出陣です!
といってもお産は長丁場になることもよくあります。ここで陣痛のもうひとつの仕組みを学びましょう。
陣痛と陣痛の合間には必ず【リラックスするホルモン】がでます。
①これをふまえ、陣痛の時は、【主体的に】赤ちゃんと一緒に頑張る。
②そして、合間の時は、【主体的に】赤ちゃんと一緒にリラックス&休憩する。
お産は、この【メリハリのある共同作業の繰り返し】がポイントです。
まとめると、陣痛は、生理痛と同じ、子宮の収縮です。それゆえ、女性にとっては身近なものです。これは知識として頭の片隅に入れておいてください。大事なことは、次の3つです。
カウンセラーの視点から考える主体的なお産のポイントは、
①陣痛のポジティブな面を理解する。陣痛がくることで赤ちゃんに会えるため、自分らしい言葉でいいので「いい陣痛きた!一緒に頑張るわよ」等心の中で自分と赤ちゃんにメッセージを送る。
②いい陣痛の時に、【主体的に】赤ちゃんと一緒に頑張る
③合間の時に必ず、【主体的に】赤ちゃんと一緒にリラックス&休憩する です。
お産の時、痛みや不安は誰にでもあります。しかし、不安等をコントロールすることは、できます。その時に大事なのが、【主体性】です。
この3つのポイントを繰り返し、ママと赤ちゃんらしい【主体的】で楽しいお産にしてください。
ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】
記事テーマ
初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!