ハッピー・ノート.com

子どもを保育園に預けるって悪いこと?!/2015年3月

「預けるなんて可哀想」という一言

4月から子どもが保育園に入園するパパ、ママもこの時期多いでしょう。
入園申請の時期や入園が決まった時期に、祖父母をはじめ親戚や近所の方から「子どもを預けるなんて可哀想」「お母さんと離れて子どもも寂しいんじゃない?」「子どもは家で育てるのが一番よ」と言われた人も多いのではないでしょうか?

 

そんな風に言われて、傷ついたパパもママも少なくないと思います。「仕事をやめた方がいいのかな?」と心が揺れたママもいるでしょう。実は私もそんな風に言われた一人でした。

私自身は、長女が産まれて3ヵ月半後の4月から仕事復帰(長女は産まれて3ヵ月半で入園)しました。

 

長女が入園した保育園は、私たち両親が第一希望にあげた公立保育園です。はじめは、「公立保育園なんて、ただ子どもを預かってくれるだけだろう」と何の期待もしませんでした。しかし、入園して1,2ヵ月経つと、「えっ保育園ってこんなにいいところなの?こんなに楽しいの?」と私の気持ちは180度変わりました。

結論:いいことづくし

:結論:【子どもを預けることは悪いことではありません。むしろいいことづくしです】

以下に、その理由を、心理的見地をはじめ色々な角度から分析してお伝えします。

 

ただ、その際の注意事項を先に述べます。
【子どもを預けるのはどこでもいいというわけではない】ということです。

ポイントは2つ。①保育の質と②保育環境

 

①昨今、早期教育をはじめ各種サービスが流行っており、保護者の心をつかむために、「うちは早期に英語教育をします」「月2回体操教室の先生が来ますので、習い事をしなくてすみます」「お昼寝ふとんのシーツは園で洗います。保護者の方にそのような負担はかけません」ということをアピールする保育園(認可・無認可含め)もあります。

 

ここでいう「保育の質」とは、そういう保護者の早期教育への関心や保護者の負担を減らすことに迎合することではありません。【子どもにとってどんな保育が必要かと考える視点】&【子どもの気持ちに寄り添うという視点】です。
つまり、その月齢・年齢の発達段階を踏まえた保育内容・子どもが安心する関わりをしようとする保育園かどうかということです。

 

②「保育環境」とは、わかりやすくいえば箱・物・人です。園庭の有無や広さ・各部屋の広さ・ホールや食堂やプールの有無、遊具やおもちゃや絵本、そしてどんなスタッフかという点です。

箱:例えば、雨の日は外にでて思いっきり体を動かして遊ぶことができません。しかし、ホールがあれば、そこでリズムをしたり、巧技台(写真上:0歳児がはいはいしたり、滑り台にしたり、4歳児が斜面にコマを回したりと色々な場面で使えます。形も色々な形状に組み合わせることができます。)を組み合わせて、遊んだりできます。また、「園内に鬼やおばけがいないか探検しに行こう」と各部屋を回り、雨の日ならではの楽しみを感じることもできます。

 

物:キャラクターもののおもちゃではなく、1歳児クラスでは手先の巧緻性を高める紐通し(写真真ん中:細い穴に細い紐を通して、どんどん長く繋げていきます)などのおもちゃを用意したり、集中できる時間を見極め、はさみの送り切りにチャレンジしたり、必ず【子どもの発達段階に応じた】おもちゃ・遊びを用意してくれています。また先生達が牛乳パックで子どもの想像力が働く見立て遊びができるおもちゃ(写真下:電車や車や椅子に見立てるなど子どもが想像力を働かせて遊んでいます)を作ってくれます。

 

人:0歳児クラスは月齢が少し違うだけで発達段階も大きく異なります。同級生といえども、4月生まれの子は入園してすぐ1歳を迎えるので、入園時にあんよをしているということもあります。一方、うちの長女のように入園した時点で3ヵ月半だとまだねんねの時期です。


同じクラスの中に高月齢・中月齢・低月齢のグループができます。食事内容も同じ0歳児クラスといえども全く異なります。0歳児クラスの給食は、栄養士さんが食事の様子を確認しながら、次の食材へのトライをどの時期にするかなどを担任保育士・保護者と相談しながら決めます。
 

昨今給食を外部委託する保育園もあるようですが、外部委託では、高月齢・中月齢・低月齢のグループ分けした食事を用意するのがせいぜいでしょう。高月齢が手づかみ食べをするのを見て、「自分もやってみたい」と思った低月齢の子に、すごく柔らかく煮た人参スティックを用意するなどのきめ細かい対応は難しいでしょう。私たち親子がお世話になっている園の栄養士さんは、子どもひとりひとりに合わせて対応してくれています。

 

まとめると、保育先選びは

①保育の質と②保育環境

の2点が非常に大事であるということです。


保護者としては、親の都合(駅直結の園の方が多少狭くても、通勤が楽等)ではなく、【子どもにとってどうか】という視点で選んでくださいね。

巧技台のサムネール画像

紐通し.jpgのサムネール画像

見立て遊び.jpg

理由①:親のモデリングによる学び

では、保育園にお世話になると【いいことづくし】である理由を述べていきます。

 

朝夕保育園への送迎やクラス懇談会を通し、日々保護者は担任保育士や園長先生等、栄養士、看護師と会い、そこで家庭の様子や園での様子をやりとりします。担任保育士からは今日の我が子のかわいい&おもしろエピソードも聞きます。


その中で、お迎え時ぐずった我が子に対して、先生が保育園の中を1周し、気分転換を図ってくれたこと、高月齢の友だちをみて「自分も」と思い、お昼寝明けに出ても出なくてもとりあえずトイレに座っていることなどを聞くと、親として「えっそんなことできるの」「ぐずった時はおっぱいあげないとダメだと思っていたのに」と、自分の思っていた子ども像と園での子どもの姿のギャップに驚きました。そして、同時に学びました。家でもぐずった時は、ベランダに出ることを試してみようなど。


親である私自身が保育園の色々なスタッフから見て学ぶ(モデリング)ことで、【親としての成長曲線が急激に伸びました】。

 

*モデリングとは:心理学の言葉で、自分の周囲の誰かを真似しながら学習していくこと。見て学ぶこと。

理由②:子ども自身のモデリングによる学び

上述と重なりますが、子ども自身も高月齢の友だちをみて「自分も」と思い、お昼寝明けに出ても出なくてもとりあえずトイレに座ってお姉さんの気分を味わっていること、高月齢の友だちが滑り台をひとりで滑るのを見て、「自分も」と思い、何度か練習し、一人で滑ることができるようになったこと、0歳児なのに先生の真似をして、ハンカチを抱っこひもに見立て、人形を抱っこして先生やママの気分になるなど、子どもも一緒にいる友だちや大きいお姉さんお兄さん、先生を見て日々学んでいるのです。


これは、家庭でママと二人で過ごしている生活ではなかなか味わえない醍醐味であるといえます。
 

理由③:保育園はプロの集まり

保育園は、基本的にプロの集まりで構成されています。
私たち親子がお世話になっている保育園の常勤の先生は、全員保育士の有資格者。非常勤の先生は有資格者だったり、無資格の人だったりします。自治体にもよるでしょうが、私の住む自治体は0歳児クラスがある公立園には栄養士を配置しています。看護師・保健師は配置数が少ないため、園によっていたりいなかったりします。


小さい時はよく発熱するため、保育士の先生たちが判断に迷った時に、看護師・保健師が医療的な知識を駆使し、判断したり、対応したりしてくれます。


若い先生、ベテランの先生など年齢は様々ですが、プロ集団ゆえに、組織としてのその園に、専門職の知識が積み重なっているという最大のよさがあるといえます。

 

そして、子どもも親もそのプロ集団からサポートを受けているという何とも手厚い環境といえます。

まとめ

いかがですか? 今回は我が子がお世話になっている公立保育園を例に、分析しました。私立保育園や他の自治体の公立保育園ではまた細かなところで異なる面もあるかと思います。


しかし、【子どもにとっていい保育とは何か】という視点で、取り組んでいる園であれば、理由①②③は共通するでしょう。


親も子どもも【見て学ぶ】ことにより、家庭だけでの子育てでは体験できないであろう成長があります。

 

ちなみに、第二子である1歳児クラスの長男は、お兄さんのトイレの様子をみて、立ちションで、パンツを少しだけ横にずらしそこからおちんちんをだして、おしっこすることにトライしています(今まではパンツを全部脱いでおしっこをしていました)。もちろん失敗の方が多く、結局パンツもズボンもびしょびしょになる日々ですが、誰に言われることなく、【見て学び】お兄さんになろうとしていること、そして、そんな長男の姿を応援してくれている先生方をみて、改めて「いい保育園に入れてよかった」と親として感じています。

 

まさに【いいことづくし】です。

Mama's profile/プロフィール

ひらきだ ゆき

ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】

記事テーマ

カウンセラー通信:自分らしい楽しいお産と子育てをしよう 

初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!

Vote/この記事に投票しよう

Evaluation/この記事のみんなの評価

lightbulb_outline

なるほどそうか!役に立った

0

favorite_border

わかる!わかる!共感した

0

feedback

この記事へのコメント

0

Archives/ひらきだ ゆきさんの記事一覧

最新記事

記事一覧を見る

注目トピックス

トピックス一覧を見る

Weeklyゴーゴーリサーチ