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きらりと光るパパたちへ:パパはお産のコーディネーター/2014年8月

お産の主役は赤ちゃんとママです。ではパパは脇役ですか?

第1回目の記事で、お産の主役は赤ちゃんとママとお伝えしました。ではパパは脇役なのでしょうか?

 

結論から言うと、NOです。パパはお産の大事なコーディネーターです。

確かにパパは自分の体から赤ちゃんを産みません。それゆえに、ついついパパはお産や子育ての「お手伝い」をするというニュアンスが世間の中に流れているように見受けられます。

しかし、パパが主体的にお産をコーディネートすると、いいこと尽くしです。

 

「えぇ、俺がお産のコーディネーター?!そんなの無理」なんて思われたパパへ

すでにパパは普段からとても豊かな力や主体性を持っています。それを仕事で発揮していることと思います。お産や子育てでもその力を如何なく発揮してください。子育てのスタートであるお産から主体的に力を発揮すれば、その後の子育てもパパらしい主体的な育児ができます!

パパにしかできないバースコーディネート!

お産の時、痛みや見通しのなさでどのママも少なからずゆとりを失い、普段の力を発揮しづらい状況になります。

その状況の中で、パパは冷静さを保ちながら、お産をサポートします。この時2つのポイントがあります。

 

ポイント①:ゆとりのないママをサポートするのはパパにしかできない

 

病院では、はじめましてのスタッフとお産をすることが少なくありません。そして、ママは陣痛で普段よりゆとりを失っています。スタッフの助言を一度で理解できない状態にあるママに、ママの状態を加味して、繰り返し伝えたり、ママにわかる言葉で伝えたりするのは、【普段からママのことを知っているパパにしかできません】。

医学的なことはスタッフにまかせて、パパは、ママと赤ちゃんとスタッフがそれぞれの力を発揮できるようなコーディネートを務めてください。

コーディネーターからのフィードバックでママはゆとりが生まれます!

ポイント②:パパならではの視点でたくさんママにフィードバックをしよう

 

パパはママにずっと付き添えることができます。スタッフは残念ながら施設の都合上、一人のママにずっと付き添うことは難しいようです。

パパが付き添う=ママは安心=安心すると心にエネルギーがわき、主体的にお産に取り組める

これだけでもいいこと尽くしです。それにプラスαで「フィードバックのよさ」についてお伝えします。

 

  • お産の進みとともに、ママの痛みの部位は下がります。赤ちゃんが降りてきているからです。でもゆとりがなくそのことに気づきにくいママはたくさんいます。そこでパパが「徐々に背中からお尻の上に痛みの場所が下がってきているね。赤ちゃんがそれだけ俺たちに会いにこようとしているってことだぞ」とフィードバックするだけで、ママは冷静に状況を捉えることができ、かつエネルギーをもらえます。

 

  • 分娩監視装置の動きをスタッフから教えてもらい、「今いい陣痛きたね。赤ちゃん頑張って進んできてるよ」と伝えることも状況を共有した素敵なフィードバックですね。

 

  • ママが飲み物を全然飲んでいないなら、陣痛の合間に「全然飲んでないから、ちょっと飲もうか。飲んでエネルギー補給しよう。」と適切なフィードバックもあるといいですね。

 

  • パニックになってスタッフの助言が耳に入らないママには、パパならでは声かけや体をマッサージし、「体のここに力が入ってる。息吐いて。フー。よし、力が抜けたね。助産師さんが△△って言ってるよ。」と言葉や体でのフィードバックもできますね。
我が家のバースコーディネーターは最高!

ここで私の第二子のお産のエピソードを紹介します。第二子は助産院で産みました。陣痛でゆとりを失いつつある私をパパは色々な形でサポートしてくれました。

  • マンションのエレベーターに乗る時も、陣痛で動けないとき、「まだしんどいよな。(陣痛がおさまると)よし、いまだ」と私の【言葉にならない言葉】をキャッチし、フィードバックしてくれた時、私の心にうんとエネルギーが湧きました。

 

  • 助産院で居合わせた助産師実習生に『痛いくらいおしていいから』と伝えたにもかかわらず、おろおろして私のニーズをくみ取れなかった学生もいました。そんな中、すごく気持ちいい強さで痛い部位を押してくれる人がいたので、『これ誰?』と聞いたら「俺」とパパ。正直に『パパが押すのが一番気持ちいい』という言葉がでました。私の痛みに合わせた押しの強さ。これも体への適切なフィードバックですね。

 

  • 第二子が顔を出し始めた時、いきまなければならず、でもうまくいきめているかわからなかったとき、「いいよ。いいよ。その調子」とうまくできていることをフィードバックしてもらえ、励みになりました。

 

お産に関してはスタッフの方が、知識も経験も上でしょう。しかし、パパの方が私という人間をよく知り、私に合わせたフィードバックをしてくれたからこそ、私は楽しいお産ができました。これは、パパが最高のバースコーディネーターだったからにほかなりません。

パパのきらりと光る力はなんですか?

「俺そんな風にできるかわかんないよ」と思ったパパ。大丈夫。ここで自分のきらりと光る力を整理しましょう。

  • 力持ちのパパなら、ママの体をさすったり押したりするときに大活躍。

 

  • 心配性なパパなら、その力を生かし、スタッフにどんどん質問して下さい。ママは、ゆとりのある時なら聞いているし、必要な時にパパから再度伝えればそれも大事なフィードバックです。

 

  • 言葉にするのが苦手なパパなら、その力を生かし、ママの様子(○時頃にトイレにいった、飲み物飲んだ、おやつを食べられた等)をメモしてスタッフに見せたり、ママにそれを伝えるのも素敵なフィードバックです。

 

  •  体育会系のパパなら、入院バッグにジャージを入れておき、自分も着替えます。パパのお産への主体的な意欲が伝わり、ママはうんと心のエネルギーがわくでしょう。

 

  • 理論的なパパなら、事前にお産の仕組みを学ぶといいでしょう。そうすることで冷静に今のお産の状況をママにわかる言葉で伝えることができます。

 

パパのきらりと光る力はなんですか? ここはママに聞いてみて、ママからフィードバックをもらうのもいいかもしれませんね。お互いフィードバックし合うパパとママ。素敵な関係ですね。

立ち会いの有無は関係ない!パパのお産に取り組む姿勢が大事

残念ながら仕事で、立ち会えないパパもいるでしょう。でも大丈夫。そこはパパらしく工夫しましょう。

  • 立ち会えなさそうなら、事前の検診で、普段のママの様子、パニックになったらこういう言葉かけや対応が有効と思われることをメモし、スタッフに渡しておけば、カルテに挟んでくれるでしょう。きらりと光るスタッフなら確実に、お産の際に参考にするはずです。

 

  • ママに、「パニックの時に、こういう傾向があるよ。でも、冷たい飲み物飲めば割と落ち着くよね」と伝えておくこともいい方法なのではないでしょうか? 普段の傾向をママにフィードバックして、対処法を伝える。いい方法ですね。

 

 

立ち会う立ち会わないではなく、大切なことは、【パパがパパの力を発揮し、自分にできることに取り組むこと】です。

その姿勢が、赤ちゃんとママに、とてつもないエネルギーを与えることを忘れずに、今一度、自分のきらりと光る力に【自覚的】になってください。

最後にパパに質問です。

 

さて、パパ、どんなお産をコーディネートしますか。

Mama's profile/プロフィール

ひらきだ ゆき

ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】

記事テーマ

カウンセラー通信:自分らしい楽しいお産と子育てをしよう 

初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!

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