初めての子育ては、すべてが初めてのことだらけで、授乳・寝かしつけ・抱っこなど色々戸惑うことも多いと思います。
そんな中、意外と皆さんが判断に迷われているのが、赤ちゃんの服選びではないでしょうか? 寒いこの時期の外出では、何枚も服を着せたくなったり、暖かい素材の服を着せたかったりと親心が働くことと思います。
タイトルにあるように、赤ちゃんのつなぎ服はいつまで着させるのでしょうか? つまりいつからTシャツとレギンスなどの上下別の服に変えたらいいのでしょうか?
その判断基準は何でしょうか。歩きはじめたら上下別の服? しかし、冬場の公園で歩いている赤ちゃんがジャンパーの素材の暖かいつなぎ服を着ている姿も見かけますね。
答えは、【寝返りをし始めたら】です。遅くとも【はいはい】をしだしたら、【上下別の服】に変えてあげてください。
「寝返りしたら上下別の服にかえる目安。遅くともはいはいしだしたら、すぐに上下別の服に変える」と一問一答形式で覚えるより、赤ちゃんの発達を学び、そこから服選びをする方が、理解もスムーズになると思うので、その説明をします。
赤ちゃんの運動発達という視点を学びましょう。
生まれてすぐのねんねの時期は、床に背をつけた状態で世界を見るか、ママやパパに抱っこしてもらった状態で世界を眺めます。しかし、ここで赤ちゃんにとって、とても大きな成長である「寝返り」ができるようになると、今までと異なる角度の世界を、自分の体を自分で動かして見ます。
「寝返り」は赤ちゃんにとって、見る世界が変わるほどの大きな出来事です。
それには全身の力を駆使しなければいけません。このような全身運動をするときに、つなぎ服では動きにくいのです。上下別の服の方が動きやすいのです。遅くともはいはいの時期には、上下別の服に変えるというのは、はいはいも大きな全身運動であることを考えたら、もうおわかりですよね。
例えば、大人でいうと、大掃除の日につなぎ服をきて大掃除できますか? ジャージやトレーナーなど動きやすい服のほうが、大掃除しやすいですよね。
このように考えると理解しやすいのではないでしょうか。
0歳児の赤ちゃんの運動発達は目覚ましいものです。1年という時の中で、ねんねから寝返り、おすわり、はいはい、つかまり立ち、あんよと素晴らしい発達を遂げます。
一言で言うと全身運動を妨げない【動きやすい服】であることが1番大事です。
動きやすい服とは、上述した上下別の服という視点に加え、【素材】【サイズ】も重要です。
私の二人の子どもは、同じ保育園の0歳児クラスからお世話になりました。担任の先生は違えど、先生方の視点は共通していました。
「素材は動くときに邪魔にならない伸びる素材のもの。ジーンズとかはかっこいいんだけど、赤ちゃんにとっては動きにくいから」
「冬場の外着も、もこもこした素材だと動きにくいから、薄手でも風を通さないもの、ウインドブレーカーなどであれば暖かいから」
「ついつい寒いから風邪をひかさないように厚着させたくなると思うけど、風邪をひくのは寒さではなくウィルスだからね」
「寒い時はランニングや半袖の下着で調節するからね。トレーナーなどは1月2月の本当に寒い時期だけでいいから」
「子どもの足が冷たいと、大人は、冷えていると思い、靴下を履かせたくなると思うの。でも子どもは手足の血管を収縮させて体温が冷えないようにしているの。そういう時は、背中の芯を触ってみて。背中の芯が暖かければ冷えていないということだから。また、保育士が靴下を履かせたくない理由はもう一つあるの。足の裏の感覚神経を刺激して脳の発達を促したいの」
「フード付きの服やひもがついているタイプの服はどこで引っかかる・引っ張られるかわからず危険なの。見た目はおしゃれなのだけど、子どもにとっては危険なの。だから保育園ではそれらの服は持参していただかないようにお願いしているの」
「大きすぎるサイズの服だと、足がズボンの裾にひっかかって、はいはいしにくかったり、長い袖が邪魔で、指先を使って遊ぶ時の集中のさまたげになったりするから、安くていいからちょうどのサイズの方が子どもにとってはいいの」
保育士の先生方のコメントに共通するものがあることにお気づきでしょうか? それは【子どもの立場にたって考える】という視点です。
言葉を介さない赤ちゃんとのコミュニケーションに【相手の立場に立って考えること】は、とても重要です。この視点をもてると、少々子どもの発達等の知識がなくても、そんなに外れた対応はとらないと思います。例:この服の素材、私なら首がチクチクしてやだな。うちの子もそうかな。じゃあ綿の素材にかえた方がいいかな。
新米ママ・パパなんだから、知識がないのは当然です。知識がないなら、保育士等のプロから【学べばいい】のです。
カウンセラーである私自身が、新米ママとして保育士の先生から【子どもの立場にたって考える】ことの重要性を学びました。そして、その学びは、今も私の中で、生き続けています。
今回のポイントは10個です。この中から、いいなと思うものがあれば、早速今日から取り入れて、子どもが遊びに集中できるように配慮していただけたら嬉しいです。
①赤ちゃんの運動発達という視点で、赤ちゃんにとって動きやすい服を選ぶ。
②寝返りしたら上下別の服に変えるタイミング。
③遅くともはいはいしだしたら、必ず上下別の服に変える。
④サイズは大きすぎずジャストサイズのもの(ついつい親は長く着せたいと思い大きめサイズを買いやすい傾向にある)。
⑤ストレッチのきいた伸びる素材のものが望ましい(ジーンズなどの固い生地はNG)。
⑥フードつきやひもつきは危険を伴う可能性がある。
⑦寒い時期は、薄手の肌着の重ね着で調節する(もこもこした厚手の素材はNG)。
⑧子どもは新陳代謝が盛んで、熱がたくさん作られるため、大人より1枚少なくて大丈夫。
⑨迷ったら、自分がこの服装で運動や大掃除しやすいか・しにくいかと考える。
⑩ついつい親心でかっこいい・かわいい服を着せたくなるが、【子どもの立場にたって考える】。例:この服で思いっきり体を動かして遊べるかな? 動くときに、服が邪魔にならないかな? フードが木の枝にひっかかって、首が苦しくならないかな?
ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】
記事テーマ
初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!