子育ての構造は、パパにとってもママにとっても、負担であり、慣れないものです。
なぜでしょう? 前回の記事から復習しましょう。
①【大人に慣れている私たちは、赤ちゃんに慣れていない】という特徴がある
②子育ては【自分のペースが崩される=見通しが立たない=辛い】という構造
③初めての子育ては、大きな変化であり、それ自体がストレスをうみやすい構造
子育てにはこのような特徴や構造があります。
これは、ママだけでなく、パパにも当てはまります。
子育てに慣れない時期は、1日赤ちゃんをママが見ても、パパが見ても、
①赤ちゃんに慣れていないし、
②寝たい時に寝られないなど自分のペースが乱されるし、
③初めての子育てという大きな変化に心身ともに負担がかかり、ストレスもたまりやすくなります。
ただ、育児に費やす時間でいえば、ママの方が多いので、ママの方が子育てに慣れるのは早いでしょう。それゆえ、パパが赤ちゃんに慣れるには、ママより日数を要するといえます。自分が慣れない分野は、苦手感があり、他の人にまかせたくなりますよね。「ママの方が俺より抱っこも寝かしつけも上手だし、ママなら大丈夫」と安心してまかせようという気持ちが湧いてくると思います。
ここで1つ注意すべきポイントがあります!
この考え方は、もちろんママを信頼しているから起こります。しかし、苦手感があるから、自分より上手な誰かにまかせることは、【一人に負担をかける構造】でもあります。
【一人に負担をかける構造】=ママ一人に負担がかかる構造ですね。
誰か一人に負担がかかると、その人に何かあったら困りますね。ではどうすればいいのでしょうか? 第1回目の記事でお伝えした【発想の転換】をしましょう。子育てを【仕事モード】で見直してみましょう。普段仕事をバリバリこなしているパパだからこそ、子育てをご自分の得意分野である仕事モードから捉えます。そうすると、パパも受け入れやすいのではないでしょうか?
では早速仕事モードで考えてみましょう。
今回の仕事のチームメンバーは二人で、横並びの関係です。誰がどれだけの業務量を担うかというイメージで4つのパターンに分けました。五分五分に仕事をするチームもあれば、片方は他の仕事も担っているので、もう片方がメインで取り組むというチームもあります。
◎チーム対応その3:実働がママ⇒週末1日だけ、もしくは週末の数時間だけパパが実働を代わる
例えば、2時間子どもを抱っこして、散歩する。パパのできる範囲での行動を具現化する。
ポイントは【具体的にできることを伝える】ことです。1時間散歩に行くのか、2時間散歩に行くのか、時間帯は何時頃かなど具体的である方がお互いのズレが(もう散歩から帰ってきたの?まだ散歩したほうがよかったの?など)減るからです。
*このパターンのよさは、いつもの実働を担うママが休息できる仕組みです。⇒休息できると【翌週頑張るエネルギー補給】ができます。結果、チーム力もupします。
◎チーム対応その4:実働がママ⇒パパは週末も仕事や平日の疲労で【何もできない】
こういうパターンも実際は多いのではないでしょうか?
Q.このパターンでは何の対処もできないのでしょうか?
A.いいえ、違います。
何にもできない⇒今の状況や心情を相手に伝える⇒気にかけてくれていることがママに伝わるだけでも、それは大事な心のエネルギー補給になる
例えば「せめて週末くらいはママを自由にさせてあげたいのに、仕事でごめんね」「平日の疲れで、子どもだけじゃなくお昼寝を俺がさせてもらってありがとう」「お手伝いしたいのにお手伝いできずにごめんね。いつもありがとね」などパパの言葉でママに伝えてください。
*このパターンは実働という意味ではチームに貢献はできていません。しかし、正直に自分の状況や心情や謝意を伝えることで、リーダーであるママの心にうんとエネルギー補給できるよさがあります。この時大事なことは【正論を言わない】ことです。例えば「俺は仕事で稼いで、家族を支えているんだ」「俺も今仕事の昇進試験で忙しいんだ。このことは前から言ってあっただろう」などです。すべて事実です。パパが稼いでくれなければ家族は生活できません。前もって言われていたから、忙しい時期だとはママもわかっているはずです。このような正論をチームメンバーから言われたリーダーは、責められたように感じ、明日頑張るエネルギーも逆に削がれることでしょう。
大事なことは【お互いの心のエネルギー補給ができること】です。
パパは【困ったときほど正直に】自分の思いを伝えてくださいね。それが、【心のエネルギー補給】につながります。
色々な家庭、色々なパパやママがいます。
大事なことは「4つのパターンでいうと、我が家はどれに近いかな」等振り返り、整理し、できていることを再確認したり、これならできそうだということを考えることだと思います。忙しいパパが、子どもやママのことを考えているということが伝わるだけで、それは大事な【心のエネルギー補給】です。
では、まとめです。
<子育てでパパたちができる5つのこと>
ポイント①自分のできることを考え、実行する(仕事と一緒)
ポイント②自分のできるメニューを具体的に提示する
✖「少しの間、子どもと一緒に散歩に行ってくるよ」
〇「13時過ぎから1時間くらい子どもと一緒に散歩に行ってくるよ」
ポイント③正論を言わない⇒正論を言うことは相手を責めることにつながる⇒責めからは何も生まれない
ポイント④色々な形で、ママの心のエネルギーを補給する⇒気にかけていることを伝えるだけで十分!
ポイント⑤困ったときほど正直に気持ちを伝える
この中から一つでも取り入れたり、パパなりにアレンジしていただいたりして、パパの力がより豊かになれば嬉しいです。
ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】
記事テーマ
初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!