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出産がゴールじゃない~子育て省エネ法のすすめ~/2014年11月

お産終了=ゴールじゃない

無事にお産が終わり、元気な赤ちゃんと対面すると、喜びや安堵感で、「やっと終わった~」と一安心しますよね。また、見通しが立ちにくいお産が終わり、ゴールにたどり着いた感じがすると思います。ゴールについたら、誰しも、しばしの休息がほしいですよね。

 

しかし、産後すぐに授乳やオムツ換えでなかなかゆっくり休めないのも事実。そうなんです! お産は一大事業ですが、ゴールではなく、子育てのスタートなのです。

寝られない!食べられない!何もできない!

産後のママ誰もが感じること。授乳やおむつ交換等で「寝たい時に、寝られない!」「食べたい時に、食べられない!」「やりたいことが何もできない!」状態がきますね。

 

特に第一子の時に、この辛さを感じるのではないでしょうか? そもそも産前は、自分のことや家のことや仕事を、それなりに【自分のペース】でやっていました。もちろん突発事項はあったでしょう。しかし、自分なりに対処したり、家族や職場の人と相談したりして、工夫して乗り越えてこられたと思います。

 

そんなママたちが言葉も身振りも通じない赤ちゃんと毎日24時間接するのは、今までの生活パターンと全く異なり、そして対処法もなく、どうしていいかわからず、エネルギーを消耗してしまう構造になりやすいといえます。今までが、言葉の通じる大人との対応が多かったという要因も大きいでしょう。

 

当たり前のことですが、人は誰しも【自分のペースを崩されることは辛い】ものです。

自分のペースが崩される=見通しが立たない=辛い

ここで人の気持ちを整理してみましょう。

①自分のペースで行動できる=自分である程度の見通しが立つ=安心

②自分のペースが崩される=見通しが立たない=辛い

①は産前のママ(対大人に慣れている状態)、②は産後のママ(対赤ちゃんに不慣れな状態)といえます。

 

当たり前のことですが、【大人に慣れている私たちは、赤ちゃんに慣れていない】のです。

では、どうしたらいいのでしょうか?

3ヵ月経つと、見通しも立つ

はじめて、アルバイトや就職した時のことを思い出してください。初日、1週間、1ヵ月、辛かったですよね。全てが初めてで、慣れず。。。しかし、2,3ヵ月経つと、仕事内容や人間関係にも慣れ、当初の不安や緊張はずいぶん低減されたのではないでしょうか。

 

子育ても同じ構造です。初めは、不安や緊張もあり、体力、気力も消耗します。しかし、人間には【適応する力】があります。夜中の小刻みな睡眠に体が慣れます。そして、日々の【観察】により、「うちの子は夜中3回はおむつ交換と授乳がいるんだな」「夜は2時間おきに起きるけど、昼間はまとまって寝るんだな」等ペースを【把握】できるようになります。

 

病院等で授乳・おしっこ・うんちの回数を記録する育児日記をつけるように勧められますね。このメリットは、生活リズムを【記録】することにより、親が我が子のリズムやペースを【把握】でき、【見通しを立てられる】ということがあります。

 

3ヵ月経つと、ママの【適応する力】で、子育て生活にも慣れるし、我が子の生活リズムも把握でき、それゆえ見通しも立ちます。何度もお伝えしていますが、【見通しが立つ】と人は【ゆとりが生まれます】。

省エネ法=ゆとりの確保

さて、もう一つのゆとりを生み出す方法をお伝えします。いくら慣れたとはいえ、24時間、全力で赤ちゃんに対応することは不可能です。ではどうしたらいいでしょうか?

 

【押さえるところは押さえ、それ以外は省エネし、ゆとりを確保】することです。

 

例えば、夜中の授乳等がしんどいのであれば、昼間赤ちゃんと一緒にお昼寝し、夜中の体力・気力確保のために省エネします。昼間にやりたいこともあるでしょう。しかし、時間の構造を考えてみてください。

【何かを始めるには、今まで何かしていた時間を削るしかない】のです。

 

ゆえに、ママなりのやり方でいいので、積極的に省エネ法を実行してみましょう。例えば、手作り料理だけはやめたくないのであれば、月曜日に筑前煮を作るとします。その時に水曜金曜日分の筑前煮も作り置きしておきます。「作るけど、作る回数は減らす」という省エネ法です。

産前は毎日掃除していたという人、掃除の優先順位が自分の中で高い人は、毎日多くの箇所を掃除するのではなく、曜日で掃除場所を決めます。月曜はリビングの掃除機かけ、火曜はトイレ掃除など。「毎日掃除はするが、掃除場所を決めて効率化と時間の短縮」という省エネ法です。お掃除ロボットを購入するのもひとつの省エネ法ですね。

 

人は【ゆとりがないときにいらいらする】ものです。省エネ法は、ママが楽なものなら何でもいいのです。ママがイライラしないように、ゆとりを確保できるために、どんな省エネ法ができるか、ぜひ考えてみてください。

エネルギー配分という視点を持とう

ゆとりと同時に【エネルギー配分】という視点を持つのもよい方法です。

自分の1日のエネルギー量を100とします。例えば、赤ちゃんに50、パパに20、家のことに10、残りの20は自分に、と配分を決めます。すると、配分を【自覚】しているため、自分の中で、家族へのエネルギー配分の【調整力】が働きます。そして、20のエネルギーを自分に注ぐことができ、自分のことも大事にする仕組みとなります。

 

【自分のことを大事にする=自分にエネルギー補給をする=ゆとりが生まれる】

エネルギー配分ということに、無自覚でいるより、【自覚的】でいる方が、【ゆとりの確保】につながります。

 

カウンセラーとして思うことです。

【自分のことを大事にできない人は、人のことも大事にできません】

 

20のエネルギーの使い方は、ママの自由です。毎日、自分のために美味しいティータイムをする、赤ちゃんとの昼寝の時は好きなアロマをたきながら寝るなど、ほんのちょっとした工夫で、ママ自身でご自分にエネルギー補給をしてくださいね。そして、ママとして、妻として、赤ちゃんやパパにエネルギー補給してあげてください。そうすることで、お二方から、ママにエネルギー補給があり、家族間でのエネルギー補給ができる仕組みとなり家族の健康度もupします。

 

心理の視点で考えると、子育てという新しいことを始めるには、上手に時間や労力を【省エネ】し、【エネルギー配分】に自覚的であり、【ゆとりを確保】することが大事です。

【ゆとりがあるときに、人は自己発揮できます】。ゆとりを持って、ママらしい、子育てができますように✩

Mama's profile/プロフィール

ひらきだ ゆき

ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】

記事テーマ

カウンセラー通信:自分らしい楽しいお産と子育てをしよう 

初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!

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