よく「二人目のお産は軽い」なんて言いますが、それはなぜでしょうか?その理由を今回改めて考えてみましょう。初産で一度経験しているから、二人目のお産は軽いのでしょうか?
もちろん、人は【学習する生き物】であるため、経験したことから学ぶことは大いにあります。初産のときは、初めてのお産で、陣痛がどれほどの痛さなのか、何時間でお産が終わるのかなど色々不安ですよね。
しかし、一度お産を経験すると、【体でお産を学んでいる】ため、かなりの【見通し】は立ちます。そう、何度もお伝えしているように【人は見通しがあると安心】します。陣痛の感覚・痛み・お産の進み具合等、最初のお産で学んでいるため、2回目以降のお産は、初産よりも相当【見通しが立ちます】。これは、相当な強みですね。
だから「二人目のお産は軽い」のでしょうか?
もちろん、経験による見通しがあることも関連しているでしょう。しかし、これだけではありません。
さて、ここでママ・パパに質問です。そもそも、産道を作ってくれたのは誰でしょうか?
答えは、一人目の子どもです。ママやパパやスタッフは赤ちゃんが産道を通りやすくなるサポートはできても、実際の産道を通るのは赤ちゃんです。産まれてくるまでの道を作ってくれたのは、小さな体で初めての大冒険の旅に出発した一人目の子どもです。
①二人目の子どもは、上のお兄ちゃんやお姉ちゃんが、頑張って作ってくれた産道を通るから、その分色々な意味で負担が少なく(お産の時間が短い等)、産まれてきます。
②ママも一人目の子どものお産で学び、見通しが立つから初産よりは安心してお産に取り組めます。
それゆえ「二人目のお産は軽い」と言われているのだと私は考えています。
ここで注意してもらいたいことが一つ。①も②も、一人目の子どもが頑張ってくれたからこそですよね。
どんな思いで一人目の子どもは生まれてきたのでしょうか? ママやパパに会える楽しみもあったでしょう。でも、初めてのお産という旅に、引き返したい想いを感じながら勇気を出して、頑張って歩んできてくれたと思います。「二人目のお産は軽い」と思った瞬間こそ、一人目の子どもに感謝してほしいです。
胎内記憶って聞いたことありますか?胎内記憶とは、読んで字のごとく、ママのお腹の中にいた頃の記憶のことです。割合はわかりませんが、胎内記憶を持った赤ちゃんが、成長し、お腹の中の記憶を話してくれることがあります。
実はうちの長女がそうでした。
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長女曰く、お腹の中にいるときから、長女と弟は同じ保育園にいて、絵本を読んだり、喧嘩したりしていたそうです。その保育園には、私たち両親ではないお父さんとお母さんがいて、そのお母さんは髪を結んでいたそう。あるときその髪を結んだお母さんが「産まれなさい」と言って、自分は生まれてきた。ママのお腹は暗くてきつかったとのこと。
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私は長女の時、微弱陣痛で、お産に時間がかかりました。このことが、「ママのお腹の中はきつかった」ということとつながっているのかなと思うと、私は彼女の胎内記憶は本当なんだろうと思います。何度もお腹の中のことを聞いても、だいたい同じエピソードが語られます。
そしてこの話を聞くときは、いつも心が穏やかになる自分がいます。ぜひみなさんもお腹の中のことを、我が子に聞いてみてください。私もいつかおしゃべりが上手になった長男(第二子)にも聞いてみようと思います。
二人目が生まれると、ママは産後で体も辛いし、その子のお世話で大変になると思います。そんな時に、改めて一人目の子どもに感謝の気持ちをもって、抱っこしてもらえたらなぁと思います。そうすることで、ママも元気をもらえ、一人目の子も、寂しい思いが満たされ、お互いに心のエネルギーが補給されると思います。
色々な意味で、一人目の子はたくさんの試練を経て生まれてきました。そして、ママもパパもはじめての子育てで戸惑いながら模索していることと思います。
試練に耐える力を持って生まれてきた一人目の子。一人目だからこその大変さはこの先もずっと続くでしょう。一人目の子への感謝の想いを、今回改めて振り返っていただけたらなぁと思います。
ひらきだ ゆき 【臨床心理士 精神保健福祉士】
記事テーマ
初めてのお産・子育てって不安ですよね?でも大丈夫。ママが主体的であれば、赤ちゃんも力を合わせママとお産を頑張ってくれます。初めての母子での共同作業のスタートが主体的であれば、その後の育児もとまどうことはあっても、そのママらしい力が発揮でき、赤ちゃんも自己発揮できます。そのお手伝いを、カウンセラーの視点から楽しく具体的にさせて頂きます!