冬のパン作りと、夏のパン作りには大きな違いがあります。その違いが生まれるのは、気温が違うから。冬の室内と夏の室内、エアコンで調整していたとしても、室温の差が出てきます。温度に敏感なパン生地です。季節が変わったら、扱い方を変えなければいけません。
まず気を付けたいのは水の温度と量。冬の間は室内も寒くて、発酵が進みにくいので、水をぬるま湯にしているレシピが多いです。わたしのお教室でも、3時間で焼き切るために冬はぬるま湯にしています。
ところが、これが春になり、夏になっていくとどうでしょう。ぬるま湯でこね上げたパン生地は、暖かい室内でどんどん発酵が進みふくらんでいきます。室温の高い春夏は、今までぬるま湯を使ってきたレシピも、常温の水もしくは冷水を使わなきゃいけないのです。
次にイーストの量です。ご家庭で使いやすいインスタントドライイーストを例にお話しします。
私のお教室では、粉250gに対して、冬は小さじ1のインスタントドライイーストを入れます。レッスン時間内でできあがるように、イーストの量を季節によって調整しています。春夏になると、小さじ1/2くらいに減らします。室温が高くなってくると、イーストの量を減らしても、時間内にきちんと発酵が進むのです。
最後に発酵方法と発酵時間。冬場は暖房を入れても室温が20度ちょっと。室温で一次発酵するには時間がかかります。なので、私はレンジの発酵機能を使って、35度設定で30分ほど発酵させます。レンジの発酵機能がなければ、沸騰させたお湯をいれたマグカップ等をパン生地と一緒にレンジにいれて密室にします。そうすれば、庫内の温度が上がり、乾燥もしません。
これが夏になると、室温が30度近くに上がります。春も5月くらいだとかなり暑い日がありますよね。そういう日は室温で十分に発酵します。こねあがった生地をボウルに入れて、ぬれ布巾をかけて、そのまま室温においておくだけで大丈夫です。
島村 麻美 【アレルギーっ子も食べられるパン教室 主宰】
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0歳~1歳児に特に多い、卵・乳の食物アレルギー。市販のパンには卵や乳成分が入っているものが多く、それらが入ってないのはバケットのような固いパンばかり。だったらおうちで作っちゃおう! 私が息子に作っている卵や乳製品なしでもおいしいパン作りのレシピやコツ、アレルギーっ子のパン作りで気をつける事、パンの材料の選び方などをお届けします。