離乳食を始めると発覚する食物アレルギー。卵、乳、小麦は乳児に出やすい三大食物アレルギーです。離乳食が食べられるようになって、これからいろんな食べ物を一緒に食べられるぞ!と思っていたのにがっかり・・・というママも多いのではないのでしょうか。ただでさえ少食&偏食なのに、さらに食物アレルギーまであるなんて、食事作りが大変だわ・・・と悩む方もいるでしょう。
私はまさにそれでした。卵と乳アレルギーな上、食に全く興味のない息子に何でもいいからとにかく食べて欲しいと思いながら、得意だったパン作りで、野菜を練りこんだり、いろんな形にしたり工夫をしたら、パンだけは好んで食べてくれるようになりました。持ち運びもしやすいし、つかんで食べても汚れにくいところなど、パンにはごはんや麺類にない良さがあります。噛みちぎることで歯がためにもなりますし、何よりパンっておいしいですよね。
ただ、多くの市販のパンには「乳」が入っています。スーパーのパン売り場にある大手メーカーのパンも、街のパン屋さんも、「乳」が入ったパンが大半を占めていることが多く、「乳」も「卵」も入っていないパンの代表といえば、あのガリっと固いバケットをはじめとする食事パンです。パン粥にすれば食べられなくもないけど、そのまま食べておいしいパンを食べさせてあげたい。
そんな方には手作りパンをおすすめします。卵も乳製品もなくたって、美味しいパンは作れるんです!
パン作りって難しいイメージありますか?作ったことない人からすれば、難しそう、ハードル高そう、と思うかもしれません。でも今はホームベーカリーもかなり普及したし、パン作りの本もたくさん出ていて、ご家庭でのパン作りはより身近になりました。私のパン作りは、【かんたん、あんしん、おいしい】が基本です。
パンを作った事ない人でも、オーブン機能付きレンジさえあれば、特別な道具がなくても作れるし、お昼寝中にささっとできちゃうパンや、全くこねないので手が汚れないパンなんかもあります。
ご自分の性格やライフスタイルにあったパン作りを楽しんで、お子さんと一緒に安心しておいしく食べていただきたいです。
パン作りのお話に入る前に、パン作りをする時に気をつけてほしい大切なことをお伝えします。アレルギーのクラス(重症度)によりますが、クラス3~4の卵・乳アレルギーの息子がいる私は、これらのことを気をつけています。パン作りだけでなく、食事作り全般に共通することばかりです。
1.材料の原材料表示を知る
2.手拭きや台拭きの使い分け
3.家族で食器の共有はしない
「わ、そんなの気にしてなかった」とドキっとした方は今日からぜひ気をつけてみてください。では順番にいきますね。
『1.材料の原材料表示を知る』
食料品店で売られている物なら必ず「原材料表示」がされています。アレルギーっ子のママならもちろん確認すると思いますが、誤解しやすいものもあります。例えば、「乳化剤」を食べるのは乳アレルギーだとNGでしょうか、OKでしょうか。
答えは【OK】です。乳化剤は油と水分を混ざりやすくするための添加物なので、乳化剤自体に乳成分は入ってません。
次にこれはどうでしょう。小麦アレルギーの人は「米粉100%パン」なら食べられる。
答えは【食べられないこともある】です。
米粉100%で小麦粉使っていないならOKでしょ!と思いがちですが、これが危険な誤解です。小麦アレルギーというのは、小麦のタンパク質(小麦グルテン)にアレルギーがあるということです。パンが膨らむのは、この小麦グルテンがあるおかげで、それは米粉には全くないのです。そのため、米粉100%でパンをこねても、膨らむ力になる小麦グルテンがないため、ぺちゃんこのパンしかできません。
なので、米粉パンを膨らませるためには「小麦グルテン」を添加する必要があります。市販の米粉パンは、小麦粉と米粉をブレンドしているか、米粉100%だけど小麦グルテンを添加しているか、がほとんどです。
つまり、米粉パンには小麦アレルギーの原因である「小麦グルテン」が入っていることが多い、ということです。米粉パンだからといって、小麦アレルギーの人が食べられるとは必ずしも言えません。市販の「米粉パンミックス粉」にも小麦グルテンが添加されているので注意してくださいね。
なんとなく見ていた原材料表示も、しっかり理解して確認することが大切です。
※デパ地下のお惣菜やパン屋さんのパンなど、アレルギー表示がない場合は必ずお店の人に確認をしましょう。
『2.手拭きや台拭きの使い分け』
アレルギーの子供と、そうでない大人。メニューを分けていたとしても、調理するキッチンは同じです。例えば、卵アレルギーの子がいたとして、大人用のだし巻き卵を混ぜた菜箸で、子ども用の料理をを盛り付ける。これはもちろんいけません。箸ならまだ気をつけやすいですが、台拭きや手拭きまで気を配れていますか?
卵を混ぜる時に1滴だけ卵が飛んでしまったら、布巾でふきますよね。もしその布巾で卵アレルギーの子供の手や口、食器を拭いてしまったら・・・リスクを減らすために、子ども用の布巾は専用のものを用意するか、使い捨てのぬれティッシュ等がお勧めです。
『3.家族で食器の共有はしない』
よく洗ったつもりでも、洗い残している場合もあります。また、木の食器は水分が中に浸透しやすいので、表面を洗っても中に少し残っている危険があります。子どものお皿、コップ、フォークやスプーン等は、子ども専用のものを作りましょう。
以上、重要な3点をあげました。アレルギーっ子のママは気をつけなきゃいけないことがたくさんあって大変ですよね。
私もはじめは色々慣れませんでした。気が回らなくて子どもにアレルギー症状を出してしまうこともありました。でも、少しずつ気をつけなきゃいけないポイントを理解し、今ではうっかりミスでアレルギー症状を出してしまうことはほとんどありません。そうであっても、時々顔や目の周りが赤くなって「何でだろう?」ということもあり、食物アレルギーは本当に敏感なものなんだなと思います。
大阪市の自宅で子連れパン教室を開催しています。
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島村 麻美 【アレルギーっ子も食べられるパン教室 主宰】
記事テーマ
0歳~1歳児に特に多い、卵・乳の食物アレルギー。市販のパンには卵や乳成分が入っているものが多く、それらが入ってないのはバケットのような固いパンばかり。だったらおうちで作っちゃおう! 私が息子に作っている卵や乳製品なしでもおいしいパン作りのレシピやコツ、アレルギーっ子のパン作りで気をつける事、パンの材料の選び方などをお届けします。