8月初めにニュースにもなったので、ご存知の方も多いかと思います。平成21年以降、抱っこひもから落下する事故が116件あったことが、東京都の調査でわかりました。
一番多かったのは、着脱時。(抱っこ→おんぶへの変更を含む)次に多かったのは、前かがみになった時の落下。
今のところ死亡事故の報告はありませんが、入院を要する重傷ケースがあります。痛くてつらいことです。そして、ママの心も痛むはずです。これらの事故を防ぐためにどうしたらいいのか、お伝えしていきますね。
抱っこひもに赤ちゃんを装着する時。そして、抱っこからおんぶに変更する時。共通してお気を付け頂きたいことがあります。それは「できる限り、座って装着・変更すること」です。
前かがみになった時の事故は、地面や低いところにあるものを取ろうとして発生しています。
【4ヵ月の男児の例】
親が、地面に置いてあったカバンから財布を取ろうとして、前かがみの姿勢に。右わきからコンクリートの地面に落下。くも膜下出血により入院。
日本小児科学会が昨年行った実験によると、抱っこひもをどう調節しても、前かがみになると親と赤ちゃんの間にスキマができることが分かりました。つまり、どんな抱っこひもでも起こりうる事故なのです。今後、製品の改善も必要とされてくるのかもしれません。「前かがみになる時は、片手でも赤ちゃんを支える」事故の可能性を低くするために、今できることです。
せっかくこの世に生まれてきてくれた、かけがえのない小さな命。ちょっとの意識で守ることができます。悲しい事故が、減ってくれることを祈ります。
東山 弥生 【ベビーダンス・抱っこ姿勢「やさしいはな」主宰】
記事テーマ
赤ちゃんを育てるうえで欠かせない「抱っこ」「タッチ」などのふれあい。 でも、時として、ママのカラダや心に負担をかけることも…。 大人になってもスキンシップは必要。 その入り口であるこの時期を、親子でもっと長く楽しめるには、どうしたらよいか。 ベビーダンスや抱っこ姿勢の講師として、そして2児の母の目線から、お伝えします。