「作品」は子どもの努力が感じられるモノであり、なかなか捨てられないモノです。作品には、平面的な絵だけでなく、立体的な工作物も多くあり、スペースを要します。幼稚園・保育園の頃から集め始めると、かなりの量となり、学年が進むにつれて増える一方。また、兄弟姉妹がいればその人数分あります。 作品も、「使う」=「持つ」の原則に照らし合わせて、片づけていきましょう。
子どもの作品の場合、「使う」と言っても、それを使用して何かをするという使い方だけには限りません。飾ったり、たまに見てその時のことを思い出す、親子のコミュニケーションのきっかけとする・・と言ったことも、「使う」という一つの方法と考えましょう。
「子どもの手によって作られた作品」に、ただ「モノ」としての存在であることに加えて、「努力」「思い入れ」もプラスされるため、より捨てにくいものです。「作品だから」という理由だけで、ただ何となくとっておくことで、そのモノは大量の作品に埋もれて「ただとってあるだけ」になってしまいます。作品を捨てることは、「努力」や「思い入れ」を否定するものではないこと、本当に「使う」モノだけを「持つ」ことで、本当の意味で「モノを大事にする」ということを、親子で考える時間にもなります。
まず、収納する場所を決めます。思い出としてたまに見るということなら、天袋のような高い場所でも良いです。頻繁に使うのであれば、手の届きやすいところが良いです。
次に、その場所に合わせた収納ケースを用意します。保存を目的とするならば、プラスチックケースや段ボールでも良いですね。四角くてかたい素材だと、積み上げられるので便利です。収納ケースの大きさが、保存できる作品の容量となります。
収納場所と入れ物が決まったら、家にある子どもの作品を集めてすべて出します。そして、収納ケースの大きさに合わせて残すものを選びます。選ぶ時は、子どもの判断を尊重します。迷ったときは、収納ケースの大きさを考慮することを提案してみましょう。
片付けが終わったら、新たに作品を持ち帰った時にまとめておけるような場所を決めます。その都度「使う」「使わない」を判断できないものは、どんどんその場所に貯めていきましょう。その場所がいっぱいになったら、または、長期休みや学年の区切りの度に、見直します。
選んだものは、収納ケースにしまいます。平面のモノは重ねたり、同じような形のモノはまとめたりすることで、収納力はアップし使いやすくなります。
子どもがいる家庭での「片付け」の悩みの中でも、「おもちゃ」は上位に挙げられます。おもちゃの片付けの目標は、「子どもが自分で片づけられる」こと。これは、子どもが「片付け」の基本を身に付けるとともに、自立心を育み、生きていくうえでとても大事な力を付けることにもなります。ぜひ、子どもと一緒に取り組みましょう。
遊ぶおもちゃは、子どもの成長と共に変化していきます。だから、それまで遊んでいたおもちゃが、今は見向きもしなくなることはよくあること。「せっかく買ってあげたのに」とか「高かったのに」と思うこともありますが、遊ぶおもちゃの変遷は、子どもの成長の証ととらえて、おおらかな気持ちで見守りましょう。
持っているおもちゃの量が多すぎると、子どもが管理することが難しくなります。モノの数が少ないほど、管理は簡単になります。子どもが管理しきれるだけのおもちゃの量を守りましょう。
まず、おもちゃを収納する場所を決めます。親の目が必要な1~2歳のうちは、リビングルームが良いでしょう。また、3~4歳を過ぎれば、子ども部屋でも良いでしょう。
収納する場所が決まったら、おもちゃ収納に使えるスペースを決めます。おもちゃの総量が、収納スペースの広さを超えないように、気を付けます。新しいおもちゃが増えたら、新しく収納場所を確保するか、今まであるおもちゃを手放すかしない限り、生活スペースにはみ出すことになってしまいます。
収納グッズは蓋が有るよりも、無い方が子どもにとって簡単です。細かく分けるよりも、大まかに分ける方が簡単です。きれいに並べるよりも、、カゴに放り込んだ方が、簡単です。複雑な片づけ方では、子どもは自分で片づけられないので、出来るだけ簡単な方法でしまいます。
しまう場所が決まった後は、使い終わったら「元に戻す」を必ず行うように声をかけて、習慣にしましょう。
これまで、洋服や教材・作品・おもちゃと、子どもに関わる具体的な片づけ方をお伝えしてきました。どの片付けでも、日常的に「子どもが自分で片づけられる」ことが目的です。「使う」モノを選ぶこと、使いやすくしまうこと、使ったら元に戻すこと、といった基本を子どもが身に付けられれば、大人になって片付けに苦労することはありません。
「子どもが片付けができないんです」とお悩みのママはとても多いです。でも、片付けは、学んで、身に付けていく、生きるための力の1つです。一朝一夕にできるものではなく、将来的に力として身に付けられるように、親がサポートしていきましょう。
片付けを「力」として身に付けた子どものママは、暮らしと気持ちに余裕が生まれて、笑顔になれることでしょう。
高麗 朋子 【1級家事セラピスト/整理収納清掃コーディネーター】
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掃除や片付けって、苦手な方が多いです。でもね、ちょっとしたコツを知るだけで、負担を減らすことができるんです!片付いた部屋では、ママの家事がはかどり、パパや子どもも、お手伝いがしやすくなります。ママの笑顔は、家族の笑顔。私たちの、最も身近にある「暮らし」に目を向けて、ママが輝き、家族が笑う、『暮らしやすく』のコツをお伝えします!