前回は、汚れ落としの準備として、汚れを分析することを、お伝えしました。今回は、その分析結果に応じた洗剤の選び方をお伝えします。
家庭向けに販売されている洗剤には、家庭用品品質表示法に基づいた成分表示があります。ほとんどの場合には、容器の裏面に表示があり、「液性」が表示されています。液性とは、酸性・中性・アルカリ性という洗剤の性質のことです。
汚れに対応した洗剤を、的確に使用することで、無駄な労力や時間をかけることなく、効率的に汚れを落とすことができるのです。
家庭用洗剤の多くが、アルカリ性です。アルカリ性洗剤は、油脂やたんぱく質汚れを落とすのに高い効果を発揮します。
汚れの原因が、油汚れや手垢、クレヨン、やに・・といった場合には、アルカリ性洗剤を使用します。アルカリ性洗剤はたんぱく質と反応しますので、肌を傷めることもあります。手が荒れやすい方は、ビニール手袋をするなどして注意しましょう。
換気扇やガス台回りなど、ひどい油汚れの場合には、アルカリ性洗剤を熱めのお湯に溶かし、20分ほど浸け置きをします。そうすることで汚れが緩んで落としやすくなります。
また、重曹もアルカリ性洗剤の1つです。身体に入っても安全な重曹を使ったお掃除は、食品を扱うキッチン掃除に大変便利なものです。重曹水スプレーにして、すぐ手の届く使いやすい場所にスタンバイしておきましょう。お料理をして汚れるたびに、重曹水スプレーを吹きかけて、ぼろ布などで拭き取ると、汚れが溜まりません。
※ 重曹水スプレーの作り方:水200ccに対して重曹小さじ2杯をいれ、良く溶かす
中性洗剤は、洗剤に含まれる界面活性剤の働きで汚れを落とします。界面活性剤とは、簡単にいうと、油と水を仲良くさせる働きを持っています。
食器洗い用や浴用といった用途で販売されているものに中性が多くみられます。ですが、それに限らず窓や車の洗浄、眼鏡、金属など、幅広く使用することができます。家庭内での汚れの原因の多くは油を含んでいますから、日常的に家庭内での掃除に使用できるのです。素材を傷めず、肌にも優しいのが特徴です。
使用した後は二度拭きして、洗剤成分が残らないように気を付けましょう。
酸性洗剤は、尿石や石鹸かす、水垢を落とすのに高い効果を発揮します。強い溶解作用があるため、素材を傷めやすいということに注意する必要があります。
酸性洗剤は、トイレ用洗剤として販売されていることが多くみられます。トイレ用洗剤といっても、トイレ以外、例えばお風呂の鏡の鱗取りにも使用できます。酸性は、金属を錆びさせることもありますので、完全に洗い流せる場所で使用しましょう。
クエン酸や酢も、酸性洗剤として使用できます。ポットの水垢や、グラスのくもり、コーヒーメーカー内部のカルキ等の汚れを落とすことができます。
高麗 朋子 【1級家事セラピスト/整理収納清掃コーディネーター】
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掃除や片付けって、苦手な方が多いです。でもね、ちょっとしたコツを知るだけで、負担を減らすことができるんです!片付いた部屋では、ママの家事がはかどり、パパや子どもも、お手伝いがしやすくなります。ママの笑顔は、家族の笑顔。私たちの、最も身近にある「暮らし」に目を向けて、ママが輝き、家族が笑う、『暮らしやすく』のコツをお伝えします!