普段の食事では調理の味付けがあるので、あまり野菜だけの香りを感じる事は少ないと思います。野菜そのものの香りはどんな匂いがするのでしょう。トマト、キュウリ、ジャガイモ・・・・・。それぞれの野菜の香りをどう表現しますか?甘みや酸味、苦みなど口にした味覚表現はすぐに思いつくのですが、嗅覚に関してはすぐに思いつく適切な表現がなかなか出てこないものです。
「野菜ソムリエの野菜ぎらい克服塾」では、五感について学ぶコンテンツがあります。人は食べる時、口で味を感じるだけじゃなくて、他の体の感覚をたくさん使って感じていることを知ること。その感じている「五感」の一つとして、香りを意識して感じてみるのです。授業では香りだけで野菜をあてるゲームを行います。
カップの中に入っている野菜はなんでしょう?どんな香りがするかな?
「何が入っているの?」「好きな野菜だったらいいな。」
クンクンとそっと香りをかいでいくと、「あっ!分かった」と目を輝かせニコっとする子や、「うわ~!!」としかめっ面になるなど、子どもたちは様々に表現します。
ピーマンやタマネギなど、香りが成分が強く揮発する独特の香りのするものは分かりやすく正解率も高いのですが、ニンジンやトマトなどは香りだけで分かりづらいようで、出てくる答えも様々。
ニンジンの場合、例えば芯が細くやわらかいニンジンだと、甘い香りが強く「サツマイモ」に感じる事があったり、芯が太く固いものだとニンジン独特の青臭さが強まり「ホウレンソウ」や「ピーマン」などの意見も出てきます。
普段はまず視覚から野菜を捉え、過去の記憶から「この野菜はこんな味がする」とインプットしてしまい、好きな野菜は「こんな味、香りが好き。だから食べる」となるのですが、苦手な野菜だと目にするだけでもう「嫌だな、食べたくない」となってしまいます。
でも、香りだけで感じてみると、「今まで思っていたものと違う」とか「思っていたのと違ったな」など感じる事もでき、「いい香りだったから、ちょっと食べてみようかな」との興味や関心へ導くこともあります。
ぜひゲーム感覚で、五感を使って野菜にふれてみてください。
感じ方には個人差があるので、全員が同じ答えが正解ではありません。自分がどう感じたのか?それを知る事が野菜ぎらいを克服するきっかけにもなってきます。
香月 りさ 【アクティブ野菜ソムリエ 野菜ぎらい克服塾講師】
記事テーマ
子育てにおいての大きな悩みのひとつは、子供の食生活。離乳から成長期にかけての偏食や好き嫌いなどは、身体や心を育む上で影響を与えてしまいます。「野菜ぎらい克服塾」の現場から、それを克服するヒントをご紹介します。 キッズ野菜ソムリエの母で「野菜」「話す」のプロが、食べる喜びや野菜のおいしさなど、身体と心を元気に育むベジフルライフをお伝えします。