好きな料理でも、毎日同じように食卓に並ぶと、食べ慣れた味に安心すると同時に、「え~また?これなの??」と子どもは正直に言ってきます。大人でもそうですよね。いくら好きな物でも、同じものがずっと続くと、少し味覚が飽きてきて、違う物を食べたくなってきます。
同じ野菜でも、切り方や品種によって味わいや食感などが違うことを以前にお話ししましたが、今回は調理法を変えた克服ステップを紹介します。同じ野菜でも、見た目が変わっていたり、調理法が変わるとどう感じるでしょうか?
野菜や素材を調理、下ごしらえする方法は色々とあります。
・焼く・・・火を通すことで、素材がやわらかく食べやすくなったり、野菜によっては甘みが引き出されて旨みを感じる。
・煮る・・・煮汁の味が、素材や野菜にしみこむ。和風や洋風だし、旨煮、含め煮などバリエーションも豊富。
・揚げる・・・高温の油で調理するので、甘みが引き出されて、食感がホクホクになる野菜が多い。
・すりおろす・・・野菜をなめらかにするので、口あたり良く食べやすくなる。離乳食でもよく使われる調理法。
他にも、蒸したり、和えたりなど、様々な調理法があります。
では実際に「ニンジン」を下ごしらえや調理法で色々な味に変化させてみましょう!
まずは、「すりおろす」。
生のニンジンをおろし器で擦り、細かくやわらかくなめらかになったニンジン。このニンジンを、ホットケーキミックスに混ぜてホットプレートなどで焼くと
①「キャロットパンケーキ」に。
このすりおろしニンジンをさらにミキサーで「ペースト」状になめらかにし、バナナや柑橘類、水や牛乳などとあわせると
②「ニンジンジュース」
市販のコーンスープなどをカップに注ぎ、最後にトッピングでペーストニンジンを回しかけると見た目に楽しくなりますし、ニンジンの栄養も美味しくいただけます。
オレンジジュース、オリーブオイル、酢や砂糖などの調味料とニンジンをミキサーであわせると
③「ニンジンドレッシング」
生のにんじんにかけて食べると、2つの味わいが同時に楽しめます。
次に、ニンジンをカレーで味わうことにしましょう!!
一般的にカレー用のニンジンは乱切りにする事が多いのですが少し目先を変えてみじん切りにしてみます。
みじん切りにしたニンジンとひき肉を炒め、カレー粉で煮込む。
④「ニンジンドライカレー」
そして、同じくみじん切りニンジンと、すりおろしニンジンを合わせ、炊飯器でご飯と一緒に炊きこめば
⑤「オレンジ色のニンジンご飯」の出来上がり♪
ピーラーでうすくひらひらにしたニンジンを、油でパリパリに揚げると
⑥「ニンジンチップス」
茹でてやわからかくなったニンジンを少しつぶし、クリームチーズやレーズンやナッツ類とあわせると、
⑦「ニンジンのクリーミーサラダ」に。
そして生のニンジンを細長く切ると
⑧「スティックニンジン」
など、1本のニンジンで何通りもの調理の仕方があります。同じニンジンでも、調理法を変えることで、味も食感も変化するし、食事の雰囲気も変わってきます。
幼児期から学童期にかけては、味覚を感じる舌の細胞が急激に増える時です。この大事に成長期時期に、いろいろな物を食べて舌で感じる経験をすると、豊かな味覚を作っていくことができるんです。子どもは意外と見た目を重視しますので、いつもと違う切り方や味付けが食卓に並んでいると、それだけでも興味や関心を持ってくれますよ。同じ素材を調理法で自在に変化させるので、お料理のレパートリーもぐんと広がります!
香月 りさ 【アクティブ野菜ソムリエ 野菜ぎらい克服塾講師】
記事テーマ
子育てにおいての大きな悩みのひとつは、子供の食生活。離乳から成長期にかけての偏食や好き嫌いなどは、身体や心を育む上で影響を与えてしまいます。「野菜ぎらい克服塾」の現場から、それを克服するヒントをご紹介します。 キッズ野菜ソムリエの母で「野菜」「話す」のプロが、食べる喜びや野菜のおいしさなど、身体と心を元気に育むベジフルライフをお伝えします。