苦手な野菜がなくなり、どんな野菜でも食べてもらえるように。
野菜ぎらい克服塾では、野菜ごとにお子さんでも食べやすく、そして好きになってもらえるようなレシピの開発を、プロジェクトメンバーで全員で行いました。
まず野菜ごとに
・苦手や好きなところを分解。
・苦手な場合、その野菜のどんな食べ方(料理)が苦手なのか?
・どうしてそれが苦手なのか?(食感だったり、味わいなど。その味わいの要因となる栄養素は何なのかの根拠)
・ではその理由を克服するためには、どんなレシピがいいのか?
これをひとつずつ、細かく分解していきました。
たとえば椎茸が苦手な場合。
口にした時のグニュっとした食感が嫌→グニュっとしない調理法はどんながあるか?
ほうれん草や葉物野菜の青臭い臭いが苦手→青臭さの要因となる栄養素は何で、それを強く感じさせなくする調理法は?
これを踏まえ、各野菜の苦手ポイントを押さえたレシピを開発しました。
家庭でも簡単に作れ、シンプルに野菜を味わえる克服レシピ。
その数74レシピにも上ります。
息子のお友だちでナス、ピーマンが苦手な男の子たちに、それぞれの克服レシピを食べてもらいました。苦手野菜は見るのもイヤな子たちばかりです。
お料理をそのまま出してもおそらく口にしないだろう・・と思い、少しだけ調理のお手伝いをしてもらいました。(ケチャップを塗るなどの簡単な調理です)
「美味しくな~れ!!」
と、作業後にみんなで野菜に魔法をかけ、調理・加熱したお野菜を出してみたところ・・
ぱくぱくぱくっ!!とあっと言う間に完食!!
本当に苦手だったの?!と驚くほどに食べてしまい、「おかわり~!!」と追加を要求するくらい笑顔で苦手野菜を食べてくれました。
これには、お母さん方もビックリすると同時に、「食べた・・」と目に涙まで浮かべ感動する様子も伺え、つい私までもらい泣きするくらいに感動した瞬間でした。
「本当に苦手だったの?無理して食べていない?」
どうしてこんなに食べられたのか聞いてみたら
・いつもと違う切り方で、食べてみたら食べやすかった。
・みんなで料理をして楽しかった! 美味しかった!!
・大きく切ったのが良かった。→(いつもは細かく刻んでいたのが、実は嫌だったそう。)
・みんなが美味しそうに食べてて、自分も食べてみたら美味しかった!!
・「すごいね~!!」と褒められたことが嬉しかった!!
などの意見がありました。
まとめると、
・ナスやピーマンの苦手とされるところを、調理法を工夫する事。
・口にしてみたら、思っていた味と違い美味しく感じたこと。
・お手伝いを皆として楽しかったこと。
・食べて褒められた喜び。
このちょっとしたポイントが、克服への大きなきっかけに結び付いているようです。
これは成功のほんの一例ですが、このように一つずつの克服レシピを実際に試して味わってみて本当に克服に結び付くのか・・調査しています。
いいと思ったものでも、反応が良くなかったり、克服に結び付かないものもあったりするので、その度に分析なども行っています。
野菜は身体の調子を整えるのに必要な物です。
同じ素材でも、焼く、蒸す、和える、揚げるなど調理法を変えると、食感もメニューもガラッと変わります。
「どうせ食べないから」とあきらめないで、月に1回には食べてみるとか定期的に食べるチャンスを与えてみませんか?
次号では調理法別の、ひと工夫のヒントをご紹介します♪
香月 りさ 【アクティブ野菜ソムリエ 野菜ぎらい克服塾講師】
記事テーマ
子育てにおいての大きな悩みのひとつは、子供の食生活。離乳から成長期にかけての偏食や好き嫌いなどは、身体や心を育む上で影響を与えてしまいます。「野菜ぎらい克服塾」の現場から、それを克服するヒントをご紹介します。 キッズ野菜ソムリエの母で「野菜」「話す」のプロが、食べる喜びや野菜のおいしさなど、身体と心を元気に育むベジフルライフをお伝えします。