9月に入り、日に日に夏から秋へと季節が移り変わってきました。
気温や景色の変化だけじゃなく、食事も冷たいものから温かいものへと
シフトしてきています。
野菜もそう!
トマトの赤や、キュウリ、ピーマンの緑。そしてトウモロコシの黄色など、夏の太陽のように元気なビタミンカラーの野菜から、サツマイモやカボチャ、サトイモなど実りあるホクホクの野菜が旬を迎えます。
「実りの秋」と言うように、秋はじっくり育って充分に美味しさをためた野菜が多いんですね。
だから秋は、育ったものを美味しくいただくこと。実りに感謝して食べることを伝える、とてもいい季節なんです 。
「ひゅるりと かぜが ふく おかで」 ふくだとしお:さく 新風舎
げつようび
ひゅるりと かぜが ふく おかで
すとんと きから みが おちた
黄色の西洋なしのような実から物語はスタートします。
この実を虫が食べ、その虫を魚が食べ、魚は鳥に食べられて・・・・・
さて最後はだれが食べるでしょうか?
食べるということは、命をいただくこと。命の食物連鎖を描いた絵本です。
話はテンポよく、かわいいイラストと共に読みやすいのですが
途中で、「はっ!!」と息を飲む瞬間も描かれていて、ちょっとドキドキしてしまいます。
食育の学びとして、「いただきます」の感謝の気持ちを学びますが、何が「いただきます」なのか? 何を「いただくのか?」
人は生きるために食べています。
他の生きている命をいただき、命のリレーをしています。
その命を「いただくこと」に感謝するんですね。
食物連鎖が描かれているというと、少し重いテーマに思いがちですが
優しい感じのイラストがとても可愛らしくて、見ているととても優しい気持ちになってきます。
「自然界ではこんな風に命のリレーが行われているんだよ。」
と語りかけながら読み聞かせをするのもおすすめですよ。
私も大好きな本です。
食べる事へのありがたさや、感謝して食べることを伝えるのは大切!とわかっていても、
「家庭での食育」というと、少し難しく敷居が高いと思うお母さんも多くいます。
そんな時、絵本は大人にも強く訴えかけるものがあるので、伝える手段の一つとして利用するのも手です。
食べ物を残そうとしたとき。好き嫌いがあって食べ残してしまうときなど、この「いただく」ことへの意味を知っていると、意識が変わることもあるんですよ。
秋は「実りの秋」でもあるし、「読書の秋」でもあります。
時には絵本のメッセージを借りて、「食べること」について。
親子でお話ししてみましょう。
香月 りさ 【アクティブ野菜ソムリエ 野菜ぎらい克服塾講師】
記事テーマ
子育てにおいての大きな悩みのひとつは、子供の食生活。離乳から成長期にかけての偏食や好き嫌いなどは、身体や心を育む上で影響を与えてしまいます。「野菜ぎらい克服塾」の現場から、それを克服するヒントをご紹介します。 キッズ野菜ソムリエの母で「野菜」「話す」のプロが、食べる喜びや野菜のおいしさなど、身体と心を元気に育むベジフルライフをお伝えします。