お子さんの離乳食は、どのように作って食べさせていましたか?初めての離乳食作りとなると、まずどんな風に食べさせたらいいの?少量の離乳食を毎回作るのが大変!!進め方はどうすればいいの?と、一度は悩んだ経験があるかと思います。
私は野菜ソムリエとして、野菜をよりたくさんの方に楽しんで食べていただくために。そして自分の離乳食作りの経験をいかし、月に一回、その季節のお野菜を使った離乳食教室を行っています。口に入る大きさや柔らかさ、味付けなど・・ママたちはメモや写真をとったり、実習したりと、いつもとっても真剣に参加してくれます。作ったものをその場でお子さんに食べさせてみる。とても小さな唇や舌を動かしながら、ごっくん!と飲み込む姿に、ママたちはとても嬉しそうな表情を浮かべていています。
私が行っている「野菜ソムリエの離乳食教室」は月のテーマ野菜の離乳食メニューはもちろん、ママがより元気に美しくなるためのビューティーレシピやスムージー作り。そして、野菜のミニ講座で、さらにテーマ野菜を深く学びます。離乳食作りを通じ、ママ自身が野菜が好きになったとか、野菜を食べる頻度が増えたなど、嬉しい声がたくさん届いています。
ある時、講座の翌日にとても困った様子でお電話をいただきました。この時のテーマ野菜は「大根」。「教室ではおかわりするくらい、出汁で煮た大根を食べてくれたのに家では全く食べないし、吐き出してしまった。」との事。「教室で学んだように作ったのに。全く同じに作ったのに。食べてくれない。何故なんでしょうか?」「先生が作るのは食べたのに、私が作ると食べない。」この「せっかく作ったのに食べてくれない」って、ママにとってはとても切ないことなんですよね。時間も愛情もたっぷりかけて作ったのに。。
講座で使ったのは、近所のスーパーで買うことができる普通の大根。お取り寄せした特別なものではありません。でもなんで食べてくれなかったのでしょうか?ゆっくりお母さんから話を聞くうちに、「これだ!!」と原因が分かりました。
大根は部位によって食感や味が違うので、調理や食べ方によって部位を使い分けるとより美味しく大根を味わう事ができます。
葉に近い部分は少し筋っぽいものの甘みがあるので、生で食べるサラダやなますに。真ん中は柔らかくみずみずしいので、ふろふき大根やおでんなどの煮物に。そして先端は筋っぽくて辛みが強いので、大根おろしなどの薬味に向いています。
だから、離乳食には真ん中の柔らかい部位が適しているのです。講座では当然この適した真ん中で調理したのですが、お家では一番先端部分を使って離乳食を作ってしまっていたのでした。食べてくれなかった原因は、大根の扱いかたを間違えてしまったから。繊維が多くて固く、辛い大根を使ってしまったから、食べてくれなかったのでした。
食べなかったからとそこで止めてしまわずに、原因を必死に探したお母さんの探究心と深い愛情がなかったら、もしかしたらお子さんは大根を苦手になってしまっていたかもしれません。 事実、この後に大根の真ん中部分で作り直した大根煮をお子さんに食べさせた所、満面の笑みで「おかわり」するほど、たくさん食べてくれたそうです。リベンジ、大成功です!!
※この体験談はご本人から了承を得て掲載させていただきました。
この経験をもとに、以後の離乳食や野菜の講座では、部位によっての違いや調理法もきちんとお話しするようにしました。
もしお子さんが苦手な野菜がある場合、その野菜のどんな所が苦手なのかを聞いてみてください。大根は「苦い」「辛い」が原因の場合、上部から真ん中の柔らかく甘みのある箇所で調理してみる。ホウレンソウや小松菜などの葉物類は、葉先と軸部分で食べ比べてみる。ニンジンの「固い」「食べにくい」が原因なら、下部のやわらかい部位を使って食べてみるなど1つの野菜で比べてみるチャンスはいくらでもあります。
野菜が持っている味のヒミツにふれ親しむことで、自分のお気に入りの部位が見つかったり、苦手と思っていた野菜が食べられたりするきっかけになったりしますよ。 苦手なままにせず、野菜を食べて実験してみましょう!
香月 りさ 【アクティブ野菜ソムリエ 野菜ぎらい克服塾講師】
記事テーマ
子育てにおいての大きな悩みのひとつは、子供の食生活。離乳から成長期にかけての偏食や好き嫌いなどは、身体や心を育む上で影響を与えてしまいます。「野菜ぎらい克服塾」の現場から、それを克服するヒントをご紹介します。 キッズ野菜ソムリエの母で「野菜」「話す」のプロが、食べる喜びや野菜のおいしさなど、身体と心を元気に育むベジフルライフをお伝えします。