野菜ぎらいを克服する前に、まず、そもそも野菜のどんなところが苦手なのか?そしてどんなところが好きなのでしょうか?それを追求すべく、野菜の品目ごとに時間を費やし、プラスやマイナスなどの意見出しを克服塾のプロジェクトメンバー全員で行いました。
これが面白い事に、色々な意見があるんですね。。たとえば!キャベツ。生で千切りのシャキシャキは好きだけど、ロールキャベツのようにクタッと柔らかくなったのはちょっと苦手とか・・。
逆にお好み焼きのように、お肉や魚介と合わせて焼いて食べるキャベツは好きだけど生のコールスローのキャベツはちょっと苦手とか。。。
同じ「キャベツ」なのに、調理法や切り方などによって好き、苦手があり、食べやすさ、食べにくさによってキャベツの好き・嫌いがあることがわかりました。
みなさんはどうですか?
同じ野菜なのに、調理法や切り方で〇・×と自身でランク付している事にこそ、逆に苦手を克服できるきっかけがあるのではないかと思い、イベントや授業などで総勢900人近くの方から意見を伺いました。
東京・原宿でのイベントでも、たくさんの方にご協力いただきました。
テーマ野菜は「ダイコン」
ダイコンの真ん中の甘い部位を使い、たて、よこ、薄切りなどを生で食べ比べてもらうと、
「甘みがあるからこれが好き!」
「みずみずしさが一番あったから、この切り方が好きかな。」
「あまり生で食べることないけど、意外と食べやすくて、この切り方は気に入った!」
などなど・・・様々な意見がありました。
スーパーで売られている一般的なダイコンの食べ比べなんですが、味覚や食感を意識してダイコンに向き合うことで、今まで感じなかった野菜の味わいや、自分の好みがわかるようで、試食コーナは多くの方でにぎわいました。
ご参加いただいた皆様、貴重なご意見をいただき本当にありがとうございます。
この食べ比べは、実は家庭でも簡単にできるんですよ!!
たとえば「キュウリ」の場合、1本あればいろんな切り方ができます。
・ブツブツと輪切り
・冷やし中華や棒棒鶏の千切り
・サラダ用のななめうす切り
・ひらひらとピーラーで薄切り
他にも乱切り、スティックなど。。。キュウリ1本で何通りもあります。
これを調味料を何もつけず、シンプルに食べ比べてみると!!面白い事に、食感や、食べやすさ、香り、口にしたときの音などいろいろと違った味わいを感じることができ、実に楽しいのです。
幼稚園などでこの食べ比べを児童にしてみると、好みがとても分かれます。好きな理由もさまざま。
千切りのシャキシャキが好きな子もいれば、輪切りを口にした時のポリっとした音と食感が好きな子もいるし。
ピーラーは食べやすいけど、キュウリの青い香りが強く感じたとか、逆にそのキュウリ臭さがないから千切りが良かった!!!
また、お子さんと先生(子どもと大人)でも好みが分かれました。
これには正解・不正解はありません。好きの多数決が多いから正解ではなくて、自分がどの切り方が好きだったのか。その理由は何だったのか?を知ることこそが大事なんです。どの切り方が好きでも、それは全員が〇なんです。
自分の好みを知る事。それこそがこの食べ比べの楽しい所であり、苦手を克服するきっかけになるのです。
実際に、いつもななめ薄切りでサラダのキュウリを出していたママが、お子さんの好みを受け入れてキュウリを千切りにしてサラダで出したところ、お子さんが残さずに食べた例もあるんです。
このお子さんは面積が大きくなるキュウリの切り方だと、口に入れにくい事が嫌で避けていたそうです。簡単なことのようですが、これもきっかけがなければ気づくことが出来ません。
苦手なお野菜があるお子さんは、一度食べ比べをしてみませんか?避けずにチャレンジしてみることで、食べる楽しみが増えるきっかけになるかもしれません。
野菜ソムリエの野菜ぎらい克服塾の授業では今まで食べ比べで試食頂いた900名近くの方のデータを分析し、子どもが好みやすい野菜の切り方を体系化し、克服へのステップアップをお手伝いしています。
苦手を克服するきっかけだけじゃなく、いろいろな品種の味わいを楽しめるのがこの「食べ比べ」の楽しいところ。
先日、仲良しママ友&子どもたちと一緒に「リンゴ」の食べ比べをしました。
デザート用に一人一個のリンゴを持参する約束をしたら、
「フジ」「サンフジ」「王林」「シナノゴールド」「秋映」とリンゴが勢ぞろい!!
近所のスーパーで調達しただけでも、こんなにたくさんの品種が揃いました。
これを皮つきのままカットしシンプルに食べ比べ♪
親子で口にリンゴを頬張り、香りや食感などワイワイ意見を言いながら食しました。
もぐもぐ・シャキシャキ・・・そしてニコニコ♪
いつもの「美味しい」だけじゃなく、甘いや酸っぱい、固いに柔らかい、香りがいいなどと語りながらの食べ比べは、リンゴとの対話時間も長くなり、より味わい深いデザートタイムになりました。これからの時期は品種の多くなる、かんきつ類やいちごなどの果物も楽しいですよ。
いつもとは気分をかえて、いろんな食べ比べをしてみませんか?簡単な事だけど、何かと気づきが多い食の楽しみ。このシンプルさが、苦手を克服するきっかけにも繋がっていきます。
香月 りさ 【アクティブ野菜ソムリエ 野菜ぎらい克服塾講師】
記事テーマ
子育てにおいての大きな悩みのひとつは、子供の食生活。離乳から成長期にかけての偏食や好き嫌いなどは、身体や心を育む上で影響を与えてしまいます。「野菜ぎらい克服塾」の現場から、それを克服するヒントをご紹介します。 キッズ野菜ソムリエの母で「野菜」「話す」のプロが、食べる喜びや野菜のおいしさなど、身体と心を元気に育むベジフルライフをお伝えします。