妊娠、出産。それは女性にとってドラマティックで、人生最大の大仕事とも言えるイベント。妊娠出産は病気ではないと言われますが、様々なカラダの変化をはじめ、精神的にも大きな変化が現れます。出産によるリスクの発生率は昔に比べ減りましたが、リスク自体の数は昔から変わってなく、出産はやはり女性にとって命をかけた大仕事であることには変わりがないのです。出産後の女性のカラダは、妊娠を維持してくれていたホルモンの役割が終わり、そのバランスが激変していきます。満ち足りていたものが、急に少なくなる・・・ということは、やはりそれに伴って、体調を崩したり、気分にムラが出てしまったり。特に産後1週間というのは、感情を自分でコントロールしづらかったり、精神的にとても不安定になったり、そんな自分にとまどったりします。
赤ちゃんを産んだという行為、そしてこれから育てていくという大きな役割が加わって、大きな転換期を迎えます。愛しい我が子のために頑張ろうという想いと、まだまだ回復しきっていないカラダの辛さやもどかしさもあり、急激なホルモンの変化、分娩の疲労と睡眠不足、育児への不安や自信喪失など、産後は自律神経やホルモンバランスをとっても崩しやすい時期と言えるのです。
『マタニティーブルー』と『産後うつ』。 女性であるなら、少なからず聞いたことがある言葉だと思います。 同じようで、ちょっと違うこの2つ。 『マタニティーブルー』はいわゆる生理的なものと言われてます。 産後2,3日頃から、約半数近くのママが、 情緒不安定になったり、不眠、抑うつ気分、 不安感、注意散漫、イライラ感・・・などの精神症状を経験します。 これらの症状のピークは、 産後の5 日目頃で、10 日目頃までには軽くなっていくと言われています。 これがいわゆる『マタニティーブルー』。 胎盤からの女性ホルモン『エストロゲン』が急激に減少するなどの、 生理的要因が強く関わっていると考えられています。
『マタニティーブルー』が 産後10日程で症状が治まる一過性のものであるのに対して、 産後数週間から数ヵ月以内に気分が沈むようになって、 不安、緊張、不眠、必要以上に罪悪感を抱いて自分を責める、 自分はまったく価値がない・・・と感じるなどの心の症状がでてきて、 悪化傾向がみられる場合などには『産後うつ』が疑われます。 疲労、頭痛、食欲不振などの何らかの身体的な症状を伴うことも、 通常のうつ病と同じ。 こうした『産後うつ』も、その多くは、 周りの理解やサポートで、その症状が治まっていく場合が殆どで、 周囲の人に気持ちを吐き出したり、家事や育児のサポートなどがあれば、 自然に改善していくことも多いもの。 でも、症状が改善しない場合は、 決して無理をせず、頑張らずに、 早めに周囲の誰かや医師などに相談するのが大切。 これは、出産後の女性の誰もがなりうるもので、 産後女性の1割がかかるというデータも。 赤ちゃんを産んだという行為、 そして、これから育てていくという大きな役割が加わり、 ママにとっては、ココロもカラダも大きな転換期!! 『がんばろう!!』 『がんばらなきゃ!!』 ・・・という気持ちと、 でもまだ回復していない、身体的辛さなどへのもどかしさがあったり。 一生懸命なママ程かかりやすい・・・とも言われてます。 みんななりうるもの!! だから、絶対に1人で悩まないこと。 赤ちゃんは、それぞれ自分のママになる人をちゃんと選んで産まれてくる。それだけでも、とってもとっても凄いこと。 自信を持って、 でもガチガチにならないで、ちょっぴりゆるゆるで、 楽しく育児、育自、していきましょう!
特に産後の3週間は、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。常に睡眠不足の産後。寝られる時になるべく寝る。体力を回復させるには、やっぱり睡眠がとっても大切。そして冷えにも注意が必要です。産後は普段よりも冷えやすく、そして温まりにくい、、、そんな体になっています。冷えは肩凝りやむくみなどの体への影響ばかりでなく、心にも影響を及ぼします。体が冷えてくると、神経が過敏になって、イライラしたり、ちょっとしたことが気に障ったり、気になったり。哀しい気持ちにもなっていきます。足湯や肘湯などなんでもいいので、セルフケアなどで頑張っている自分のカラダとココロを温めてあげましょうね。そして素直に人の助けや気持ちを受け入れて、また自分からも素直に『お願いする』ことをしてみましょう。周りの色々なサポートを、『悪い』『申し訳ない』と思わずに、感謝して『ありがとう』の気持ちを持つことでも、産後のママの気持ちがとっても楽になりますよ。
川村 ようこ 【整体師/フェイシャルヨガインストラクター 『ナチュール*べべ』主宰】
記事テーマ
産前産後、育児中のママ達に沢山出逢って、改めて想ったこと。『からだ』と『こころ』は繋がっている。ストレスを受けやすい現代社会。ホルモンバランスが崩れ、『からだ』も『こころ』も元気がなくなりがち。ここでは日常のちょっとした体の使い方や女性ホルモンを意識した生活術などをお伝えしていきます。ママが子どもにしてあげるかんたんお手当てもお楽しみに♪