こんにちは! 野菜ソムリエの岩本 香です。
節分を過ぎれば季節は「春」へと進んでいくはずが、まだ、冷たい風が吹き抜けています。が…もうすぐ、【3月3日・雛祭り】ですね!
今回の記事では、私が娘を授かってから毎年作っている〈お雛寿司〉について詳しくご紹介いたします。
食べ物にまつわる記憶とは、しっかりと自分の中に残っているものです。大人になっても<忘れられない味・食べ物>のひとつや二つ、あるのではないでしょうか?
私が子どもの頃、母は雛祭りに必ず写真のような<お雛寿司>を作って、本物のひな人形の横に飾ってくれていました。
その<お雛寿司>は…着物が薄焼き卵、お顔はウズラの卵、着物の中は五目ちらし、で出来ていました。よくつまみ食いをして、着物をボロボロにしてしまった記憶があります(笑)
私が小学生頃までは、そんなお雛祭りが続き…思春期を迎えた頃には、そんなお祝いも途切れてしまっていました。
そして!月日は流れ、私が娘を産んだ時、自然と「私も同じように、ひな祭りに<お雛寿司>を作ってあげたい!」と思うようになっていたのです。
さて、早速作り方です!
【材料】
◎五目ちらし寿司 ⇒ 具材を一から準備する必要はありません!「五目ずしのタネ」など便利なものを活用してください!
◎ウズラの茹で卵
◎海苔・ゴマ・ニンジン・インゲン など ⇒飾り付けに使います。ほんの少し。
◎薄焼き卵 ⇒ 卵4個 ・ 砂糖 大さじ1 ・ 片栗粉 大さじ1 ・ 塩 少々 ・ 水 大さじ1
①薄焼き卵を焼きます。材料を混ぜ、22~24㎝のフライパンで作ると、丁度良い形の人形になります。(上の分量で薄焼き卵は6枚ほど焼けます)
②五目ちらし寿司が出来上がったら、小さめの(約3センチくらいの)三角おにぎりを作ります。
③薄焼き卵の上に、写真の位置のように、三角おにぎりをのせます。半分よりやや下目に。
④薄焼き卵を上から半分に折ります。半円の状態になったら、両端をたたんでいきます。このとき、中心をすこしずらすのがポイント。(ここが首と肩 の部分になります。)
片方をたたんだ所。お内裏様と、お雛様で、着物の合わせを変えてくださいね!
⑤両方たたむと、着物の感じが出てきます。
⑥最後に卵のすそを、後ろに織り込み、三角おにぎりを立てるようにします。これで、胴体の完成です。
ここまで出来れば、楽しい飾り付けです♪ 昨年は、娘がしっかり作成してくれました。
お弁当に使用する、かわいいピックを使って、ウズラのてっぺんから刺して、胴体につなげます。
塩茹でした、インゲン・ニンジンを、小道具にします。
家にある、ゴマ塩の黒ゴマを、目にします。海苔はハサミで切り、髪の毛に仕上げていきます。
海苔はしけってしまうので、最後に手早く!!
…余談になりますが…
お雛祭りの前日の夜。具材の準備をします。これも、毎年恒例の作業となりました。
すべて別々に味をつけていかなくてはならないので、最初はとても面倒に感じました。…ですが、この作業も9年!
経験に勝るものはないですね! 近年は楽しく、ミスもなく、手早く出来るようになりました。
(材料は、ニンジン・インゲン・レンコン・かんぴょう・干しシイタケ・薄焼き卵)
私の母は、私が高校生の頃、病気で突然亡くなってしまいました。
実は、この<お雛寿司>を、ひな祭りに作ることを復活させるには、祖母や叔母、私の姉と話をしながら、復元をしていきました。
娘が0歳の時の、初めてのひな祭り。この時、生後10ヵ月。そんな中、今まで作ったこともない、<五目ちらし寿司>の具材作りから、<お雛寿司>まで、0歳の娘を横目に見ながら、悪戦苦闘…かなり泣きそうな思いをしながら作ったのを、今でも思い出します。
でも、年を重ねるごとに私も経験を積み、慣れていき、また娘も大きくなり、今では一緒に作ることが出来るようになっています。
9歳の娘と作るようになって、私も「母のお手伝いをしていた記憶」を鮮明に思い出すようになってきたのです。
具材を入れる前の<酢飯>を、つまみ食いしていたこと。
炊きたてのご飯を、おひつにいれて、団扇であおいで冷ましている風景。
そして。きっと母も、二人の子どもを育てながら、大変な思いをして、毎年作ってくれていたということ…亡くなってしまっていても深い愛情を今になって感じることが出来たのです。
食べ物にまつわる記憶とは、思い出した時、それは鮮明に思い出すことが出来ます。
子育てをしながらの<季節の行事>は楽なことではありませんが、【愛されて育った記憶】として、
きっと、子どもたちが大きくなった時に思い出すことが出来ます。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!
岩本 香 【アクティブ野菜ソムリエ・食育インストラクター・栄養士】
記事テーマ
「子供に野菜を美味しく食べてもらうこと」‥毎日の食事作りでは苦労されることも多いはず‥野菜ソムリエ、また二児の母として、野菜とお子さんが仲良くなるヒントをお伝えします。普段、当たり前のように調理している野菜たち‥見る角度を少し変えるだけで、新しい味が生まれてきますよ!食育インストラクターとしても、大人から子供への食の大切さをお伝えします。