こんにちは、アクティブ野菜ソムリエの岩本 香です。桜の花も咲き、季節は春になりました!
今月のテーマは<だし>についてです。
離乳食や幼児食では、薄味が基本となり、だしを上手に使うことで塩やしょう油の量をコントロールすることが出来ます。そして、何より、この幼児期という味覚が急速に成長する時期に、出来れば、本当の<だし>の味を学んでほしいと思うのです。
でも、だしを取るのは面倒‥と思われる方も多いでしょう。育児をしながら、幼児食を作りながらでは、なれない作業はつらいと思われるママたちも
多いと思います。今回は、家庭で簡単に使う、ほったらかしの<だし>の取り方もアドバイスしたいと思います。
<昆布のだし>
昆布でとるだしは、水から出すものと、湯で出すものがあります。
◎水から出す場合
水500ccに対して、昆布約10g を保存容器にいれ、冷蔵庫で12時間ほどつける。
◎お湯の場合
水500ccに対して、昆布5g。湯を沸かし耐熱容器に入れ昆布も加える。粗熱が取れたら、冷蔵庫へ。
<かつお節と昆布のだし>
◎水500ccに対して、昆布約5g、かつお節8g。耐熱容器に昆布、お茶パックにいれたかつお節をいれ、
沸かしたお湯を入れ、5分程度で、かつお節を取り出す。粗熱が冷めたら、冷蔵庫へ。
お鍋を使ったり、かつお節を濾したりする作業は省いて、湯を注いでそのまま冷めたら冷蔵庫に入れられるようにすれば、楽に本物の味を経験できます!
出来ただしは冷蔵庫で保存し、2~3日で使い切るようにしましょう。
私が料理をするようになって、和食を作るときには、「必ずだしを使う」というイメージがありました。特に、野菜の煮物などでは、だしは欠かせないものなのだと思っていました。
以前、和食の料理本の通りに、「かぼちゃの煮物」を作っていた時、自分では「あまり美味しくできないなぁ」と感じていました。ある時、祖母のカボチャの煮物を食べたとき、カボチャの風味や甘さがとてもおいしく感じ、作り方を尋ねました。
「カボチャ、水、みりん、仕上げのしょう油」
なんと、だしが入っていませんでした。必ずだしを使わなければならないと勝手に思い込んでいた私は、驚きました。
だしは、素材をよりおいしく引き立てるもの。邪魔をしているようだったら、使わない方がいいと思うのです。
例えば、肉じゃが。私は、肉じゃがを作るときには、だしは使いません。じゃがいもやニンジン、牛肉(豚肉)で煮込みます。肉からだしが出ているのに、海のものから作っただしを無理やり合わせても、すこし魚臭く感じるからです。
山のもの、海のもの、の組み合わせも、ヒントになります。キノコがたっぷり入った野菜の味噌汁を作るなら、私はあえて、魚系のだしは使いません。山で採れるキノコ類から、たくさんよいだしが出ています。そこに魚系を合わせると、これもケンカを起こすことがあるのです。
無理に「だし」を使わなくては!と思ってインスタントのだしを使うより、使わない選択肢もあっていいと思いますよ!だしを含めて、素材の本物の味を感じてみてください。
岩本 香 【アクティブ野菜ソムリエ・食育インストラクター・栄養士】
記事テーマ
「子供に野菜を美味しく食べてもらうこと」‥毎日の食事作りでは苦労されることも多いはず‥野菜ソムリエ、また二児の母として、野菜とお子さんが仲良くなるヒントをお伝えします。普段、当たり前のように調理している野菜たち‥見る角度を少し変えるだけで、新しい味が生まれてきますよ!食育インストラクターとしても、大人から子供への食の大切さをお伝えします。