こんにちは、アクティブ野菜ソムリエの岩本 香です。新しい年を迎えられ、大切な家族と素敵な時間を過ごされていると思います。今年の一年も、皆が健康で過ごせるように、家の中心にいて皆をサポートする「お母さん」、頑張っていきましょう!
さて、このコラムも24回目を迎え、「こどもの野菜ぎらい」にフォーカスして、皆さんにヒントとなるようなものを書いてきました。今回は、そのまとめとしたいと思います。
~お子さんの「野菜ぎらい」は、どうして生まれるのか?~
時に、食事を作っている「お母さん」の力不足と言われてしまったりすることもあると思います。
私も、二人目の息子の野菜ぎらいに直面した時には「上の子の時には、頑張っていたのにね」「二人目で手が回らなかったの?」と言われ、落ち込んだこともありました。
でも。それは違うと考えています。「野菜ぎらい」は、『味覚の個性』から、生まれているからです。
お子さんに、それそれ、性格があるように、味の感じ方も、個性があるから。
では、自分のお子さんが、「野菜がきらい」の個性を持っていたとき。どうしたらいいのでしょうか?
赤ちゃんが、離乳食にチャレンジしていく過程では、味覚の細胞が大きく成長する時期でもあるので、野菜を使ったメニューを取り入れて、「母乳・ミルク」のほんのりとした甘さとは違う味を、経験していく必要があります。
~赤ちゃんの頃は、なんでも食べてくれたのに、2歳~3歳ころになって、急に「野菜ぎらい」になってしまった~
というお話もたくさん耳にします。私の息子も、そうでした。
2~3歳は、自我の目覚め、自分の中で、意思が生まれて、それを表現して、伝えることが出来るようになってきた、成長の証ですね。離乳食の頃は、運ばれたものを、淡々と食べていた赤ちゃんも、「好きな味・きらいな味」 が生まれてきているのです。
でも、赤ちゃんの頃の、味覚の経験は、きちんと残って、次の心の成長の時期を待てば、きちんと受け止められるようになるのでご安心を!
この、「食べなくなった」時期に、「食べる」という行為以外の、野菜にまつわるたくさんの経験をすることで、お子さんたちは野菜を身近に感じ、愛着を持つようになっていきます。
大切なお母さん、お父さん、信頼できる大人たちが、美味しそうに「野菜」を食べている風景。
小さなプランターで、トマトやピーマンなどを植え、その育ちを見つめる経験。
台所で、野菜を洗ったり、筋を取ったり、お母さんとお話ししながらお手伝い。
いつもとは違う、ハート形のニンジンを、スープの中に見つけたり。
そんな、些細な出来事で、簡単に、「苦手な野菜」を受け入れられるようになってしまったりするのです。
心の成長とともに、野菜を受け入れられる気持ちを育てることが、「レシピ」よりも、大切なのです。
ネットやスマホで、簡単にレシピを検索出来るようになり、「野菜ぎらい」向けのレシピも、たくさん公開されています。
でも。そのたくさんのレシピの中で、自分のお子さんの「野菜ぎらい」をピタリとなおしてくれるそんなレシピを探すのは、とても大変なこと。片っ端からチャレンジするよりも、お子さんと「その野菜がにがてな理由」について向き合ってみるのも近道です。
我が家で、この作戦を試みたのは、野菜ぎらいの息子が、5~6歳の頃。「どんなところが、にがて? 皮かな? それとも酸っぱいから?」こんな風に、苦手な野菜を前に、思いっきり、向き合って会話をしました。「噛んだ時の、ぐにゅっとするのが、きらい」「緑色のにおいがする~」そのポイントを捉えた、レシピを探してあげれば近道ですよね?
苦手な野菜を、つい「ごまかす」方法で、口に入れさせてしまいがちですが、お子さんを、お子さんと思わず、対等な目線で、「オーダー」を聞いてあげましょう。
野菜ぎらいは、レシピでなおるものではない‥ただのきっかけにすぎません。そのきっかけの前には、野菜にまつわるたくさんの経験のスイッチがあると思ってください。
最後に。私の二人の子どもは、一人目は野菜が大好き、二人目は野菜が大嫌いという別々の方向に成長してきました。でも、そのおかげで、私自身も、野菜をもっと美味しく食べるためにはどうしたらいいのか?考えたり向き合えたりすることが出来ました。息子と一緒に悩んだおかげで、私も成長できたかな?と感じるのです。
野菜ぎらいのお子さんと、心と味覚の成長を、ゆっくりと見守ってあげてくださいね!そうすれば、きっと、野菜を食べられるようになりますよ。
岩本 香 【アクティブ野菜ソムリエ・食育インストラクター・栄養士】
記事テーマ
「子供に野菜を美味しく食べてもらうこと」‥毎日の食事作りでは苦労されることも多いはず‥野菜ソムリエ、また二児の母として、野菜とお子さんが仲良くなるヒントをお伝えします。普段、当たり前のように調理している野菜たち‥見る角度を少し変えるだけで、新しい味が生まれてきますよ!食育インストラクターとしても、大人から子供への食の大切さをお伝えします。