我が家の子どもたちは、私が野菜ソムリエになる前から、野菜の下ごしらえのお手伝いをしてもらっていました。
その頃は、<野菜と親しむ>…ということは、まったく頭になくて、「お手伝いをしてほしい」「大人になって困らないように下ごしらえを知ってほしい」。そんな思いで子どもたちに声かけをしていました。 でも、今振り返ってみると、これも、野菜ぎらいをなおすための、大事なステップだったことに気がついたのです。
それでは、初級編から。
2~3歳のお子さんなら、トマト・ピーマン・きゅうり・じゃがいも などの野菜を水で洗ってもらうお仕事。大人がやれば、あっという間に簡単にすんでしまうものです。ですが子どもたちは、野菜の手触り、重さ、水に浮いたり沈んだりする様子を楽しみながらやってくれます。(もちろん、とても時間がかかる作業になるので、お母さんの余裕がある時に!) でも、しばらくすると、このような簡単な作業も飽きてしまいます。そこで次にステップアップ!
「スナップえんどう」のすじ取りです。
ハサミで端に切れ目を入れてあげると、小さいお子さんでも簡単に気持ちがいいほどキレイに筋が取れます!
次に、ピーマンのタネとりです。調理器具を使用しないで手で出来る作業。ピーマンのタネが小さくて、そして中は空洞だということを作業を通して知ることも出来ます。
※写真は、長女が小学2年生、長男が年中のころの作業風景です。娘には、包丁を使ってピーマンを半分に切ってもらい、息子には中のタネを出す作業をしてもらっています。
5歳くらいになれば、簡単な調理器具を使ってのお手伝いも出来るようになります。
お勧めは「型抜き」を使用する方法です!
ピーマンやニンジン、大根などを型抜きしやすいようにカットしておき(ニンジンは硬いので薄めに)、お子さんに自由に型抜きしてもらいましょう。
写真のようなカラフルなピーマンを使うと、子どもたちは予想以上にウキウキするようです!
ある小学校では、野菜ぎらいを治してもらうために、給食のシチューに「ラッキーにんじん」と称して型抜きしたニンジンを入れたそうです。それを食べるといいことがある…そんな単純なことですが、苦手なニンジンを食べられるようになっていくのだそうです。
特に自分で型抜きした野菜は、子どもたちには「少し特別」な存在になるらしく、「食べてみようかな?」という気持ちを後押ししてくれるようです。型抜きした野菜たちは、子どもたちにトッピングしてもらいます。写真は、ちょっと時期が外れてしまいましたが、クリスマス時期に作った野菜プレートです。
さらにステップアップ!してみましょう。ピーラーを使った皮むきです。写真は息子が年中5歳の頃にお手伝いをしてくれた写真です。この時はジャガイモでした。ニンジン、大根などの細長いものなら、比較的安全に出来ると思います。
※ピーラーなどの刃物を使用する時の注意としては、ダイニングテーブルで机を広々と使い、椅子に正座・もしくはチャイルドチェアなどで、お子さんがきちんとした姿勢が取れる状態で、必ずお家の人が横でサポートをしてあげてくださいね。
季節の野菜を選んで、いろいろなお手伝いをお願いしてみましょう。
今なら、鍋に欠かせない 白菜! 床に新聞紙をひいて、大胆に葉をもいでもらうのも楽しいですよ。そして、お手伝いから生まれたお料理を食べてみるステップへと続きます。
でも、一度のお手伝いで、食べてくれるようになるとは限りません…私の野菜ぎらいの息子も、このようなお手伝いを何度か繰り返し、口に入れるようになるまでには少し時間がかかりました。
食べることは難しいけれど、野菜を使ったお手伝いは楽しんでくれました。
野菜ぎらいをなおすには、「あせらず・のんびり」です! ぜひ試してみてくださいね!
岩本 香 【アクティブ野菜ソムリエ・食育インストラクター・栄養士】
記事テーマ
「子供に野菜を美味しく食べてもらうこと」‥毎日の食事作りでは苦労されることも多いはず‥野菜ソムリエ、また二児の母として、野菜とお子さんが仲良くなるヒントをお伝えします。普段、当たり前のように調理している野菜たち‥見る角度を少し変えるだけで、新しい味が生まれてきますよ!食育インストラクターとしても、大人から子供への食の大切さをお伝えします。