こんにちは! アクティブ野菜ソムリエの 岩本 香です。9月になり、長かった夏休みも終わりましたね。子どもたちは元気に学校に行き始め、ほっとしています。
さて、今回のテーマは【食育】についてです。私は「食育インストラクター」として、野菜だけに限定せず、<食全体>を通しての大切さも皆さんにお伝えしたいと思っています。
「野菜ぎらい」をなおす事とは、少し距離があるように感じられるかもしれません。ですが、「苦手を減らす・苦手をなおす」エッセンスが少しずつ含まれているのです。
【食育】という言葉、皆さんも最近よく耳にするようになったのではないかと思います。
2005年(平成17年)に「食育基本法」が成立したことによって、子どもたちは、幼稚園・保育園・学校などで学ぶ機会が増えています。
ですが、大人の私たちは学ぶ機会がなかったものです。
この機会に<食育とはなにか?>大人の私たちも、確認してみましょう。
【食育】には、私たち個人の心と体の健康から、現代の食生活、そして地球の食料問題・ゴミの問題にまで、幅広い領域を持っています。
ここでは、私たち、「家庭を持つ母」の目線で、特に大切だと感じる部分について、お話ししたいと思います。
「食卓」を囲むということは、食事を美味しく楽しくいただくこと以外にも、大切な要素を含んでいます。
正しい食習慣(朝昼晩規則正しく食べること・食事マナー)を身につけることや
どんな食べ物を選ぶと身体を健康的に保つことが出来るのか、学ぶ機会をたくさんもっています。
今、若者や子どもたちに多い乱れた食習慣を表す言葉、6つの「こ食」というものがあります。
この影響は、健康だけでなく心にも大きな影響を与えるものです。
◆ 「孤食」‥‥家族が不在で、一人で食卓に座り食事をとること。一緒に食卓を囲む人がいないので、自分の好きな物だけを食べたり、食事マナーを教えてくれる人がいないので、社会性・協調性のない人に育ってしまうおそれがあります。
◆ 「個食」‥‥家族が、それぞれに好きなものを食べること。大人は和食・子どもは洋食‥といったように、家族皆が同じ献立を食べないことです。自分の好きな物しか食べないことで、好き嫌いが増えたり、協調性が欠けわがままな性格になるおそれがあります。
◆ 「固食」‥‥自分の好きな決まった物しか食べないこと。野菜を食べずに、肉ばかり食べる‥など栄養の偏りや、肥満・生活習慣病の原因となります。
◆ 「小食」‥‥食べる量が少ないこと。間食の取り過ぎなどで、きちんと食事の時間にしっかり食べることが出来ないことです。発育に必要な栄養素が足りなくなり無気力な子どもになってしまいます。
◆ 「粉食」‥‥粉を使った<パン・パスタ>など主食を好んで食べること。お米よりもカロリーが高くなりがちで、栄養が偏ります。
◆ 「濃食」‥‥味の濃いものを食べること。加工食品や外食ばかり食べると、塩分や糖分が多く味覚そのものが鈍くなってしまう恐れがあります。
これら6つの「こ食」、食卓を守るママがしっかりと認識をして、家族のコミュニケーションの場としても守ってほしいと思います。
※ 子供たちには、夕食のおぜんだては、いつもお願いしています。「今日のメニューは?」と聞きながら、お取り皿を考えたり、
コミュニケーションをとっています。
食事のマナー「あいさつ」「作法(お箸の持ち方など)」は、毎日の家族との食卓で養われていくものです。
特に、「あいさつ」は、その意味を理解し言葉で発するのは大切です。
◆ 「いただきます」‥‥料理を作ってくれた人への感謝の言葉。さらには、お米や野菜を作ってくれる農家の人、魚を獲ってきてくれた漁師さん、食肉・乳製品を届けてくれる酪農家の人、それらの食材を運ぶ・売る仕事をする人。そして、忘れてはいけないのは、動植物、全ての命あるものを頂いて、私たちが生きていけることに、感謝の気持ちを表す言葉です。
◆ 「ごちそうさま」‥‥「ちそう(馳走)」は、あっちこっちに走り回る様子のこと。さらにお客様をもてなすために、食材を探しまわり走り回っていた様子から「おもてなし」の意味が含まれるようになりました。昔は、電車や車もなく、山を走り、海に入って食材を苦労して集め用意してくれた人に対して、感謝の意味をこめ「ごちそうさま」と言われるようになったのです。
この、「あいさつ」の言葉の意味をしっかりと子どもたちに伝え、気持ちを込めた「あいさつ」をすることを学んで欲しいと思います。
それが、食事の大切さ、食材のありがたさ、自分への健康へとつながっていくと考えます。
今回は、「食育」の一部をご紹介しました。
食育を、「子どもたちを育てる私たちが認識する」ことで、食卓が改善され、心も身体も健やかになっていきます。
現代は、子育て中のママも仕事を持ち、毎日、目が回るほと忙しい思いをしている方は多くいらっしゃると思います。
ですが、子どもたちが食べる食材を考えたり、気持ちよく楽しい食卓作りを意識して実践してほしいと思うのです。
先ほども述べました、「個食」‥‥家族皆で、同じメニューを分け合って食べることは、子どもの好き嫌いを減らし、協調性を生むのです。
どうぞ、食卓を預かる私たちが、「食育」を実践していきましょう。
岩本 香 【アクティブ野菜ソムリエ・食育インストラクター・栄養士】
記事テーマ
「子供に野菜を美味しく食べてもらうこと」‥毎日の食事作りでは苦労されることも多いはず‥野菜ソムリエ、また二児の母として、野菜とお子さんが仲良くなるヒントをお伝えします。普段、当たり前のように調理している野菜たち‥見る角度を少し変えるだけで、新しい味が生まれてきますよ!食育インストラクターとしても、大人から子供への食の大切さをお伝えします。