皆さん、こんにちは! アクティブ野菜ソムリエの岩本 香です。梅雨もまっただ中! でも、庭の野菜たちはぐんぐん成長しています。
さて、今回のコラムのテーマはズバリ!【ピーマンぎらい克服】です。
かなり直球なテーマですが、野菜ソムリエとして、野菜ぎらいの子どもをもつ親として、試行錯誤の末、私なりの克服方法をお伝えしようと思います。
昨年のタキイ種苗さん調べの「子どもの野菜ぎらいランキング」の第二位にピーマンが入っているように嫌いな野菜の定番になってしまっています。ここまでくると、「おいしくない、苦いイメージ」が先行してしまっていますよね。そのイメージを打ち破れるか?で、食べられるか、食べられないのか、大きく変わってくると思います。
どの野菜でも、「細かく刻んで、混ぜ込んでしまう」という方法で、なんとか口に入れてもらう…例えばチャーハンなどに細かく刻んで混ぜてしまえば、勝手に口に入る、のですが、私は、この方法はあまり賛成が出来ません。お子さんの年齢や時期にもよりますが、「その野菜を認識し、納得して口に入れる」という姿勢も、野菜ぎらい克服には、とても大切な要因だと思います。お子さんが、少しでも前向きでないと、いくら口に入ったとしても、受け入れることは難しいですよね。
だから、まず、ごまかさずに、お子さんと一緒に、「苦手野菜」と向き合うようにしましょう。「向き合うこと」は、すぐに「受け入れて食べる」には、繋がりません。「食べる」というゴールに向かって少し近づく…ということを、お家の方も理解してあげてくださいね。
■ それと、ピーマンを細かく刻む…のは、ピーマンの繊維を細かく切っているので、苦みや独特の香りが出やすくなっていることもあります。意外と食べづらくなっている可能性もあるのです。
「ピーマンと向き合う」方法としては、〈自分でピーマンを育ててみる〉〈自分で料理をしてみる〉…育てること・料理することで、ピーマンを見て触れて、距離を縮めていきます。
育てることは、難しい方もいらっしゃるかと思いますので、ぜひ、親子で調理にチャレンジしてみてください。お勧めレシピは、誰もが知っている【ピーマンの肉詰め】です。【ピーマンの肉詰め】は、作業内容も、お肉をこねたり、ピーマンのタネをとったり、比較的簡単で安全、お子さんにとってもやりがいを感じられるレシピです。
私の息子も、例外なくピーマンが苦手でした。幼稚園・年中(5歳)の頃、家庭菜園のプランターで育てた「子どもピーマン」を自分で収穫して一緒に【ピーマンの肉詰め】を作ってみることにしました。それまでの彼のピーマンに対する拒絶は、かなりひどかったので、今回の親子でのチャレンジも、「今回は作っただけでもよかった、お肉だけを食べても良しとしよう!」と珍しく寛大な気持ちでいました。
親子で楽しく調理をし、美味しそうに出来上がったピーマンの肉詰め。今まで頑なだった息子の心を動かし「自分で作ったから、食べてみる」と箸をのばしてくれたのでした。《ピーマンに向き合って、受け入れてくれた!!》そのことが、大きな一歩であったし、私はとてもうれしい気持ちになったことをよく覚えています。
その後、息子は、野菜炒めにピーマンが入っていてもよけずに食べられるようになりました。
ピーマンの肉詰め…というレシピは、お肉もしっかり入っているし、油で炒めているので、ピーマンの苦みや独特の香りを、少し抑えてくれる役割をしています。さらには、ケチャップのソースをかけているので、さらに食べやすくなっています。ピーマンを丸のままのレシピなのに、みじん切りよりもずっと食べやすい味なのです。
そして、次のステップ。生のピーマンにもチャレンジしていきました。そのお勧めレシピとして…【ピーマンの塩コンブ…オイル仕上げ】です。
彩りを考えて、カラーピーマンも一緒に。ピーマンは、繊維に沿うように、縦に細く切ります。この切り方の方が、苦みや香りを少し抑えることが出来ます。塩コンブで揉んだ後、オリーブオイルやアマニ油を少しかけることで、さらに苦みや香りを感じにくく食べやすく大変身!!加熱していない、ピーマンのシャキシャキとした食感も楽しめる、お勧めレシピです。
一度、向き合えてしまうと、その野菜を受け入れる間口はどんどん広がり、そして食べられたことで、子供の自信につながります。ピーマンに限らず、苦手野菜の克服は、まず「向き合えること」からはじまると思います。そして、大きな期待をせず、「いつか食べてくれる!」とお子さんを信じてあげてくださいね!
【参考】タキイ種苗 2013 年度 野菜と家庭菜園に関する調査
岩本 香 【アクティブ野菜ソムリエ・食育インストラクター・栄養士】
記事テーマ
「子供に野菜を美味しく食べてもらうこと」‥毎日の食事作りでは苦労されることも多いはず‥野菜ソムリエ、また二児の母として、野菜とお子さんが仲良くなるヒントをお伝えします。普段、当たり前のように調理している野菜たち‥見る角度を少し変えるだけで、新しい味が生まれてきますよ!食育インストラクターとしても、大人から子供への食の大切さをお伝えします。